ルノー 新型 メガーヌ エステート GTライン[2013年モデル]試乗レポート/渡辺陽一郎(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
知ってるようで知らない「ルノー」の中核モデル
日本市場ではまだまだニッチな存在のフランス・ルノーだが、欧州では同社の中核を担う重要な戦略モデルとされる「メガーヌ」シリーズ。そのメガーヌに追加されたワゴンモデル「ルノー メガーヌ エステート GTライン」に、自動車ライターの渡辺陽一郎氏が試乗した。一大勢力「VWゴルフ」シリーズが強い存在感を示すCセグメントで、メガーヌはどのような特長をみせてくれるのか。
知っているようで、意外に知らない。ルノーは日産と業務提携を結んでいるメーカーでもあり、認知度は決して低くないと思う。しかし、具体的にどのような車種が用意されているかは、意外に知られていない。街中で見かけるルノーも、大半が背の高いミニバン風のカングー。販売面でもカングーが圧倒的に多いという。派生車種が売れ筋なわけだ。
ならば本来の主力車種は何かといえば、Cセグメントの「メガーヌ」になる。
「メガーヌ? う~ん、どんなクルマだったかな…」。
情けないことに私自身、メガーヌと聞いて頭に思い浮かんだのは、黄色い3ドアボディの「メガーヌ ルノースポール」(R.S.)だった。これは文字どおりのスポーティモデルで、メガーヌの本流ではない。
本流になるのは5ドアハッチバックだが、今回試乗したのは、「メガーヌ エステート GTライン」。これまたマニアック。メガーヌのエステート(ワゴン)となる。
そのフロントマスクに「ルノーだぜいっ!」という強い主張はない
外観を横から見ると、少し丸みがあっていかにも欧州車風。伸びやかで悪くないよね、と思ったが、フロントマスクを見て、印象に残らない理由が分かった。シトロエンのような髭はなく、プジョーと違って大きな口も開けていない。もちろんメルセデスベンツやBMWのような象徴的なグリルでもない。鼻先にルノーのエンブレムは付いているが、「ルノーだぜいっ!」という主張はない。ごく普通の顔だ。
ちなみに日本における2012年のルノー車の登録台数は3108台。フォルクスワーゲンの6%にとどまる。なるほどなぁと、日本での売れ行きに何となく納得しつつ、運転席に乗り込んだ。
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