ルノー 新型 カングー[2014年マイナーチェンジモデル]試乗レポート/森口将之(3/3)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:島村栄二
5速MTモデルは時期を遅らせて投入か
そしてパワートレインも変わらない。つまり直4 1.6リッター 自然吸気に4速ATを組み合わせる。マイナーチェンジ前に存在した5速MTは当初のラインナップにはない。ただしルノージャポンによれば、時期は未定ながら追って投入されるとのことだった。
カングーのボディはかなり大きく、4280×1830×1830㎜もある。幅や高さは日産エルグランドに近い。仕立てがシンプルなので、見た目ほど重くはないけれど、それでもウェイトは1460㎏ある。ヨーロッパ車のトレンドで言えば、ターボを装着し、6~7速の自動変速機を組み合わせて、といったところだろう。
速くはないけど「これでいい」と思わせる、カングーの不思議な魅力
確かに高速道路や山道でハイペースをキープしようとすると、アクセル全開になる。ただヨーロッパに比べて最高速度が低く、ゆったり流れている日本では、この程度の力でいいんじゃないの?とも思う。他車の性能が過剰にすぎるんじゃないかと。
それにパワーやトルクを控えめにしているからこそ、背が高いボディなのに足を固めなくて良く、素晴らしい乗り心地を生んでいるとも言える。とにかく当たりが柔らかくて、でもかつての国産高級車のように腰がないわけではなくて、穏やかな上下の動きを要所要所でスーッと収束させるという、カングーワールドそのまま。
開放的なキャビンにはこの乗り心地こそピッタリだと思うし、控えめなパワーやトルクもお似合いじゃないかという気持ちになってしまう。物理的な快適だけではなく、精神的な快適ももたらしてくれるのだ。
この記事にコメントする