ルノー 新型 カングー[2014年マイナーチェンジモデル]試乗レポート/森口将之(1/3)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:島村栄二
過去など振り返らないのがフランス流
2013年8月、ルノーのスペースワゴン「カングー」が、フロントマスクの意匠を中心に大きく改良された。日本におけるルノー車で最も売れているという人気モデルのカングーは、新たなデザインをまといどのように生まれ変わったのか。カングーマイナーチェンジモデルを、フランス車など欧州小型車に精通する自動車ライター、森口将之氏がいち早く試乗した。
ヨーロッパ車は顔を変えない。多くのクルマ好きはそう思っているだろう。BMWのキドニーグリルやアルファ・ロメオの盾がそうであるように。それを考えると、ルノーは異色の存在だ。10年ぐらいごとに、フロントマスクをガラッと変えてくるのだから。
もともとフランス人は先進的、前衛的な傾向が強い。そのことが影響しているのかもしれない。以前このブランドのデザイナーが僕の質問に対して、「ルノーは過去を振り返るようなデザインはしません」と断言していたし。
ここでいう「過去を振り返る」とは、いわゆるレトロルックのことを指していたのだが、同じ顔を何十年も続けるという行為は、過去の遺産を受け継いでいるとも言えるわけで、新しモノ好きのフランス人には相容れない流儀なのかもしれない。
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