ルノー カジャー 試乗|このドアの向こうに、果てしない冒険が待ってくれている(2/2)

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新しい7速湿式デュアルクラッチ“EDC”と1.2ターボのマッチングはカンペキ

さて、このカジャーはなんとも潔いことのワングレードでの導入(カジャー インテンス)になるのだが、パワートレーンももちろん一択である。

1.2リッター直4ターボチャージャーのガソリンエンジンに7速ATの組み合わせだ。

エンジンはルーテシア、キャプチャー、カングー、メガーヌGTラインにすでに使用されていたもので熟成は完璧なうえ、馬力、トルクともに向上されている。

しかしですよ、今回驚いたのはこの7速AT(7EDC:エフィシエント デュアル クラッチ)とのマッチングの素晴らしさだった。

まずこの1.2リッターターボチャージャーエンジンはもう、本当にコレは1.2リッターなのかと3度見してもおかしくないくらいにパワフルなものだ。試乗コースではワインディングや登坂道もチャレンジしたが、ともに息継ぎなく、充分にパワフル。それどころか、このターボがフレンチらしい “どっかん” っぷりで、ともすればGとともにシートに押し付けられてしまうほどなのだ。

そのパワフルなエンジンを賢くサポートしているのがトランスミッションで、今回から7速の湿式多板クラッチになったことが、いい影響を及ぼしている。

とにかくインテリジェントで、速度が上がったら上のギアに、回転数が足りなくなったら即座に下のギアに、とよく働くから、結果、加減速だけでなく車内の静粛性にも貢献していて、室内が快適そのものなのだ。

先述のドッカンターボも、実は他のモデルよりもかなりジェントル。コレもトランスミッションの恩恵だ。本来はさすがレース由来! と唸らせられるほどにピーキーなエンジンなのだけど、それをうまくマネジメントしてくれている。

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これぞ“ルノーマジック”! 19インチの大径タイヤも華麗に履きこなす。でも・・・

さらに足回りの印象も悪くない。19インチの扁平タイヤのせいでアタリこそやや硬めに感じるし、パンパンと弾くような感触が車内にもたらされるのだけど、サスペンションのストローク自体は十分にあり、コーナリングは実にルノーっぽい粘りも楽しめる。

せっかくこれだけのサスを持っているのだから、タイヤさえ変えたらもっとルノーらしい走りが楽しめるのになぁ、というのが正直なところ。私個人的なオススメは本国にも設定のある17インチあたりかな。・・・とかいうアレコレ、きっとルノー好きなら当たり前にしちゃう想像だと思うのですが、カジャーがファースト・ルノーだって人のために、老婆心だがら書いときます(笑)。

また、このクルマのサスのセッティングの花道は、リアシートに複数の人数が乗っているとき、だそう。ディーラー試乗のときは、わざと友達を連れて行って、3~4人乗車で試乗してみてほしい。前席2人のときとはまるで印象が変わっちゃうから、是非両方試してほしい。

ワングレード347万円のシンプルさ、これけっこうお買い得かも!

ルノーはまた、ADAS(Advanced driver-assistance systems:先進運転支援システム)に関しても補充をしつつある。カジャーでは30km/h〜140km/hで作動する衝突被害軽減ブレーキや、ブラインドスポットワーニング、車線逸脱警報、オートハイ/ ロービームなどが搭載されている。

インターフェースはかなり割り切ったつくり。基本的にナビや音楽系はオーナーのスマートフォンに依存していて、それぞれお手持ちのスマートフォンと連携させ、Apple CarPlayやAndroidAutoを使ってくださいね、というスタイル。

これには好みが分かれると思うのだけど、個人的には全然アリのスタイルだ。

いまやナビなんてスマホのほうが正確だったりするし、高価なオプションでシステムを買わなければいけないくらいなら、コレで充分だもの。

カジャーのインターフェースはとてもシンプルだけど、充分、というにはもったいないくらいに画面作りがオシャレで好感が持てる。

実はこのカジャー、本国では2015年に発売されたモデル。日本にはこのタイミングでの導入になったが、いやいや、見計らったみたいないいタイミングじゃないですか!

熟成も充分だし、マーケットも盛り上がっているし。CセグSUV商戦にどこまで食い込めるか。ワングレード347万円!というシンプルさが、意外にウケそうな気がする。

内装の質感も良く、けっこうお買い得なクルマだと思うんだけど!

[Text:今井 優杏/Photo:小林 岳夫]

ルノー カジャーの主要スペック
車種・グレード RENAULT KADJAR INTENS(ルノー カジャー インテンス)

駆動方式

FF(前輪駆動)

JC08モード燃費

ーー

価格(消費税込)

347万円

全長

4,455mm

全幅(車幅)

1,835mm

全高(車高)

1,610mm

車両重量

1,410kg

乗車定員

5人

ホイールベース

2,645mm

エンジン種類

ターボチャージャー付 直列4気筒DOHC 16V ガソリン直噴エンジン

排気量

1,197cc

最高出力

96kW(131PS)/5,500rpm

最大トルク

205N・m(20.9kg・m)/1,800-4,800rpm

トランスミッション

電子制御7速AT(7EDC:エフィシエント デュアル クラッチ)

燃料

無鉛プレミアムガソリン

タイヤサイズ

225/45R19(前後)

【動画】RENAULT KADJAR(欧州仕様車)

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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