ポルシェ カイエン 試乗レポート/金子浩久(3/3)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:ポルシェジャパン
新機能も加えられた新型カイエンのオフロード走行
カイエンターボへと乗り換え、アウトバーン14号線に乗り入れる。ターボでも、車内の静粛性は変わらない。Sと同じように、アイドリングストップも行う。
最高出力500馬力は伊達じゃなく、加速は圧倒的だ。アッという間に、時速200キロを超える。そして、200キロを超えても、まだいくらでも加速できそうなくらいの余力が残されている。
21インチという大きな径のタイヤを履いているにもかかわらず、直進安定性は抜群で、乗り心地も損なわれていないのは流石だ。
翌日は、かつて東ドイツ陸軍が使っていた演習場でオフロード走行性能を試した。
軽量化のために、新型カイエンでは副変速機が取り除かれ、悪路走破性はトラクションマネージメントシステムにオフロードモードを3つ設けることで対処している。
傾斜角が30度以上あるような斜面やぬかるみなどを、オフロードモード「1」だけで走り切ることができた。それ以上厳しい状況では、オフロードモード「2」や「3」を用いることになる。
新しさがあるのは、急な下り坂でタイヤをスリップさせないで下り切る「ヒルディセントコントロール」に速度調整機能が加えられたことだ。時速3キロから30キロまでを任意に設定できる。
ヒルディセントコントロールを装備するライバル車は珍しくないが、速度を設定できるのはカイエンが初めてではないだろうか。急な、長い山道などで重宝することだろう。
V8エンジンを搭載したSとターボのカイエンは、旧型から大いに進化した。
その内容は、旧型オーナーが最も有り難味を感じるモデルチェンジだ。内容は大きく変わったが、ポルシェ社を支える屋台骨であることには変わりはないのだろう。
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