ポルシェ 911カブリオレ 海外試乗レポート(3/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ポルシェ・ジャパン株式会社
誰もが望んだ“911のオープンカー”
従来型(996型)ベースのカブリオレよりもリア・フェンダー部分の膨らみが増した事で、よりグラマラスでダイナミックな印象が増した新型911カブリオレのルックス。そんなボディ自体のデザインは、3.6Lエンジンを積む『カレラ・カブリオレ』も3.8Lエンジン搭載の『カレラSカブリオレ』も基本的に共通だ。ボディ後端部の“腰まわり”のボリューム感の大きさが、今では世界的にも稀なRRレイアウトを採用する事を象徴するデザインの持ち主でもある。誰もが望んだ「911のオープンカー」ならではのプロポーションが、そこには具現化をされている。
従来型の場合のセンターパネル上から、センター・コンソール上へと移設されたルーフ開閉スイッチでオープン状態を選択すると、さすがにその解放感の高さは何ものにも代え難いもの。ウインドウ・フレーム幅よりも広いサンバイザーが目前を見上げた際の解放感をわずかに削いでしまう事になっているが、それでも前後左右の見晴らしは超一級品だ。
振り向くとトップを格納する機能を持たされたカウル位置が高く、それゆえに下方視界はある程度限定される事になっているが、それでもルームミラー越しの視界には影響を及ぼしていない。後席部分にはめ込むタイプのネット式ウインド・ディフレクターはその効果抜群で、これを立て、サイドウインドウを上げておけばオーバー100km/hのスピードでも不快な巻き込み風を見事に防いでくれるものの、見た目がイマイチな点とドライバーが走行中には立ち上げ操作を出来ない点の2つはマイナスのポイント。
ちなみに、従来型では“標準装備”だったハードトップは、今回はオプション扱いへと変更になっている。確かに、未使用時には何とも邪魔な存在になりそうだから、その方が嬉しいというユーザーの声が聞こえてきそうな「改良」ではある。
ところで気になるボディの剛性感だが、「クーペと完全に同一とは感じられないが、フル・オープンボディとしては一級レベル」というのがぼくの受けた印象。荒れた路面では時にルームミラーに映る像が振動したりする場面もあるものの、一般的な舗装路面を行く限り『クーペ』とのボディのしっかり感の差は、そう大きなものではないのだ。
一方で、ルーフを閉じた際の快適性・走りのテイストは「限りなくクーペに近い」と表現をして良いものだった。静粛性は多くの人が予想をするよりも優れていると言えるレベルにあるし、いかにも911らしいシュアなハンドリング感覚や、やはり多くの人の期待を大きく凌ぐしなやかな乗り心地なども、クーペが味わわせてくれた“あの感覚”を見事に受け継いでくれているのだ。
すなわち、走りの感覚は「どこをとってもクーペが実現してきた美点を、ほぼそのままに受け継いでいる」というのが新しい911カブリオレの実力。そう、これこそがポルシェが新型カブリオレで実現しようとした「クーペにヒケをとらないポテンシャル」と言える事になるわけだ。
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