ポルシェ 911カブリオレ 海外試乗レポート(2/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ポルシェ・ジャパン株式会社
911にはソフトトップ形式がより相応しい
新しい911=997型モデルにオープン・モデルが追加となる事は、もはや誰もが予想をし、期待をしていた事柄と言って良いはず。が、一方で現実に登場した新しい911カブリオレのルーフシステムがオーソドックス、かつコンサーバティブな『ソフトトップ』であったという点には、多少の意外感を抱いた人も居るのではないだろうか。
そう、今やオープン形式はと言えば、それは折り畳み式のハードトップ――いわゆる“クーペ・カブリオレ”が花盛りという御時世。何しろそれは、常のクーペ・ボディと変わらない快適性や耐候性を備えつつ、スイッチひとつでフル・オープンボディの解放感を得る事が出来るのだ。オープン・エアモータリングの快感を手にする代わりに、快適性や耐候性はあるレベルまでで我慢する――オープンカーとはそういうものだと考えていた人にとって、“クーペ・カブリオレ”はまさに「夢のボディ・デザイン」と受け取られても然りであるはず。世の中のオープンカーの多くがこうしたルーフの採用に興味を示すのも当然と言えるだろう。
しかし、そんな素晴らしい流行のシステムに、ポルシェでは敢えて背を向けた。このメーカーは、ソフトトップ方式のオープン・モデルをボクスターでも実現させている。911に“クーペ・カプリオレ”方式を採用すれば、より明確なボクスターとの棲み分けも可能になったはずだ。なのに、どうしてポルシェはそうしたやり方にトライをしなかったのであろうか?
実は「“クーペ・カブリオレ”という形式を全く検討しなかったわけではない」と、今回担当のエンジニア氏はそう明かしてくれた。が、そうして検討を行った結果として「我々は911にはソフトトップ形式がより相応しいと判断した」と言う。
例えば、911カブリオレのルーフシステムは「総重量が42kgで、これは“クーペ・カブリオレ”を採用した場合の半分にしか過ぎない」との事。これにより、「車両重心はより低く保たれ、それはコーナリング時の運動性能を体感出来るほどに高めてくれる」とポルシェでは語る。
また、「クーペとほぼ同時の開発を行ってきたために、効率の良い補強策を採る事が出来た」というのも911カブリオレのボディの大きな自慢だ。B/Cピラーとサイドシルの結合部分やドアのベルトライン部に重点的な補強が加えられたというが、前述のようにクーペと同時開発を行ってきた事で“贅肉”が付くのを避ける事が可能になったため、「ボディシェル自体の重量増は、クーペに対してわずかに7kg」に抑えられているという。
そうしたソフトトップ方式ならではの利点を生かした上で、“クーペ・カブリオレ”に負けない機能性をアピールするのも、このクルマの特徴だ。
例えば、耐候性に優れたソフトトップは「冬季でも問題なく作動させる事が可能」と言うし、開閉動作に要する時間もそれぞれおよそ20秒と、大方の“クーペ・カブリオレ”のそれよりも短い時間を実現させている。さらに機能面でのハイライトは「走行中でも開閉動作が可能」というポイント。このクルマのソフトトップは新型ボクスターと同様、50km/hまでのスピードであれば通常通りの開閉動作を続ける事が出来るのである。
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