ポルシェ 911カレラ4試乗レポート/今井優杏(2/2)
- 筆者:
- カメラマン:和田清志
さらに感激なのは、先代から比べてもかなり質感を上げた豪華なインテリアだ。乗り込んだ瞬間に女心が無条件でトキメクほどに、リッチでラグジュアリーなんである。特に試乗車はまるでシャネルを思わせる上品なキャメルカラー。手に触れるどこまでもがレザーでカバーされ、そのノーブルさは芸術品のよう。
世代を経るごとに驚くほど大きく、内装を含めどんどんゴージャスになっていくカレラは、今や間違いなくセレブリティカーでもあるわけで、もはや一部の“ポルシェ乗り”に代表されるような腕に覚えがあるカーガイたち“だけ”のクルマではなく、ステイタスを象徴するツールにもなっているのは、疑いようのない事実だ。
いやしかしそれも仕方がないなと納得してしまうのは、この世界でポルシェだけにしか作れない、独特の流線形ボディに触れたとき。美しいものを手に入れたいと思う気持ちが生まれるのは仕方ないんじゃないかなとつい頷いてしまう。
とくれば、“腕にそれほど自信がないカーガイ(!)でも乗りこなせるカレラ”が求められるわけで(リアエンジン・リアドライブのカレラはリア側の荷重が大きく、そこで生まれたパワーをそのままガツンと路面に伝えることは得意だけれども、同時にリアに比べて軽くなっている前輪のコントロール性が薄くなってしまうという、真にマニアックなドライバーズカーなのだ)、もともとそのRRレイアウトでは得られない、あらゆるシーンでの走行安定性を求めて進化したカレラの四駆だけど、最新テクノロジーにスポイルされたい顧客にも大いに歓迎された。
実際私も、突然の豪雨なんかでオタオタドキドキしながら乗るくらいだったら、信頼感の高い四駆を選びたいと思ってしまうクチだ。
というのも、このカレラ4に搭載されている四輪駆動はPTM(ポルシェ・トラクション・マネージメント・システム)と名付けられ、走行状況に合わせて自動的に駆動配分をする。最大で50:50になるのだけど、加速や高速巡航時にはリアにトルクがかかり(実に稀だけど、場合によっては0:100になるときもある)、走行状況を常に最適化しているのだ。その様子は名物5連メーターの右から2番目、イラスト調トルク配分メーターで目視することが出来るが、コレがかなり面白い。かなりセンサリングが繊細で、細かく仕事をしてくれているのがわかる。
おかげでハンドルを切るのに気合が要るような重厚感もなく、かといってコチラはすっかりお馴染みのPSM(ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム)との連動により、コーナリングは吸いつくようにスムーズ(とはいえ普通の速度域じゃPSMなんて作動しない。PTMだけで充分すぎるほど制御下に置かれている)。つまり2駆と4駆の美味しいトコ取りのようなことになっているのであった。
ドライビングモードは『ノーマル』と『スポーツ』があり、明確に性格を分けている。
『ノーマル』では350psの加速感は抑えられ、かなりエコ方向に振った感じ。それでも日常的に使うならコレで十二分なのだけど、ペダルの踏力に対してのレスポンスが遅くなり、踏み心地自体も重い感じだ。カレラらしさを求めるなら、このモードではもちろん不満が出るだろう。ポルシェでさえも燃費を気にしなければならない時代になってるってことかもしれない。
しかしご安心あれ、『スポーツ』なら本領発揮、俄然本気の弩級加速がガチンコで楽しめる!大体5000rpmを超えたところからの伸びといったら、思わずお口があんぐりしちゃうくらい圧巻だ。ドンとお尻の下から掬われるような、勇ましすぎるトルクを堪能して欲しい。
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