プジョー 2008 海外試乗レポート/藤島知子(2/3)

プジョー 2008 海外試乗レポート/藤島知子
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日常からレジャーまでしっかり使えるラゲッジルーム

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インテリアを見ると、ダッシュボード周りの構成は208と変わらない印象を受ける。オフロード的な要素といえば、センターコンソールに配置されたグリップコントロールのセレクタースイッチのみ(MT車のみに設定されている)。

立体的なダッシュボードにあしらわれた素材はシンプルながら洗練されたパターンのシボやダッシュボードに同色のステッチを施しているものもあった。

また、タッチスクリーンのトリムの温かみのある光沢を放つサテンクロームやフランスならではのセンスの良さが見受けられる。

ホールベースは208と同じ2540ミリだが、前席の背もたれが薄型であることで、そのぶん後席乗員のヒザ周りにゆとりが得られている。中でも、パノラミックガラスルーフを備えた仕様は開放感が抜群で、このクルマがコンパクトカーであることをすっかり忘れさせてしまう。

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そして、ファミリー層や趣味層に注目していただきたいのが、日常からレジャーまでしっかり使えるラゲッジルーム。外観はスタイリッシュな形状でありながら、リアハッチを開けるとスッキリとした長方形の開口部が現れる。

オフロードを意識した4WDの場合、荷室の床が高い位置にあったり、垣根があることで重くて大きい荷物を積むのにひと苦労することがあるが、2008のラゲッジは開口部が地上高60センチの低位置にフラットな床面がある構造で、開口部は高級車のワゴンやSUVさながらのステンレス製のプロテクターで覆われている。荷物を軽く持ち上げて荷室内に滑り込ませることができるので、負担が少なくて済みそうだ。

また、後部座席は長距離ドライブに耐えうるしっかりとした座り心地が確保されていながら、6:4の分割可倒式でアレンジできる。荷室の床面はフラットになるため、大きな荷物を安定した状態で積載できるのも嬉しい。

ディーゼルモデルの熟成は確実に進みつつある

プジョー 2008

2008は全高が低い208と比べて重心が高いだけでなく、オフロードを意識させるモデルだけに、走りのキャラクターがどうなっているのか気になるところだ。

ストラスブールの空港を降りたって、最初に試乗したのは4気筒 1.6リッターガソリンエンジン×5MTで205/50R17のオールシーズンタイヤを装着したモデル。このエンジンは日本でもコンパクトカーからスポーツモデルまで、幅広い車種に展開されているエンジンだけあって、特別にまったりとさせていることもなく、滑らかさと伸びのいい回転フィールで洗練された走りを満喫させてくれる。

また、背が高いモデルでありながら、加速やブレーキ時は沈み込みが少なく、フラットで安定感のある姿勢を確保。全高の低いモデルと変わらない感覚で走らせることができる。

プジョー 2008

カーブが多く、道幅が狭いカントリーロードでは、路面のうねりを乗り越えても4つのタイヤがしっとりと路面をなめていく感覚で、イメージどおりのラインを辿っていける。足元を引き締めたスポーティ路線とは異なり、ソフトタッチでしなやかに駆け抜けられるイメージだ。運転姿勢の収まりがよく、小径のステアリングを落ち着いて操作できる。また、アップライトなポジションで運転席からの見晴らしも上々。小柄なボディサイズも手伝って、会話を楽しみながらリラックスしてドライブを楽しむことができた。

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日本に導入予定はないが、1.4リッターのディーゼルエンジン×5MTにも試乗した。低速域では少々粗いプルプルとした振動や高めの音色の和音が響いて、ディーゼル車に乗っていることを意識させるものだった。

その一方で、上級仕様の1.6リッターのディーゼルエンジン×6MTの仕様に乗り換えてみると、その走りの質感はしっかりと磨き上げられていた。

アクセルペダルを踏み込んでも、安っぽい振動や嫌なノイズを感じさせず、低い音色の響きが心地良く伝わってくる。ガソリンエンジンと同じように、ディーゼルにおいてもグレードごとの手の加え方によって、走りの質はいかようにも作り込める段階にあるのだと実感した。

フランスを含め、欧州各国では力強い走りと実用燃費、税制面でガソリンエンジンよりもディーゼルのメリットが受け容れられている事情もあるが、ディーゼルモデルの熟成は確実に進みつつあるのだ。

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藤島 知子
筆者藤島 知子

通称「藤トモ」。スーパー耐久のレースクイーンを経験後、軽自動車レースに参戦したことがきっかけで様々なレースに参戦。レースで培った技術と女性ならではの視点が魅力の女性モータージャーナリスト。記事一覧を見る

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