オペル アストラワゴン 試乗レポート
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:原田淳
ハッチバックが好評のアストラにワゴンボディが追加
昨年秋にハッチバックがデビューして好評を博しているアストラに使い勝手に優れたワゴンボディが追加された。1953年にレコルト・オリンピアで最初にステーションワゴンを作ったオペルだけに、新型アストラのステーションワゴンもかなりデキの良いクルマだ。
ワゴンではハッチバックに比べてホイールベースが90㎜長くなり、ボディも265mm延長されている。これによって最大では1590Lに達するというクラスでも最大級の大きなラゲッジスペースを作ったのが特徴だ。
搭載エンジンは1.8Lの自然吸気DOHCと2LのDOHCターボ。1.8Lエンジンは4速ATと組み合わされてCDとスポーツの2グレードが設定され、2Lターボには6速MTが組み合わされてスポーツだけが設定されている。
IDSと呼ぶ先進のシャシーシステムを採用するのはハッチバックと共通で、スポーツには切り換えが可能なスポーツモードスイッチが設けられている点も共通だ。
後席を倒すと、大容量のラゲッジスペースが出現する
外観デザインはアストラシリーズの一部であることを示している。フロント回りのライトやグリルなどはハッチバックと共通で、フロントからリヤにかけて緩やかに傾斜するルーフラインもハッチバックと共通のイメージを作っている。後部のデザインはワゴンならではのものになるが、メッキを施した太い横バーを採用することなどはハッチバックとの共通性を意識したものだ。ルーフレールは1.8がブラック塗装、2.0がシルバー塗装となる。
インテリアの印象も基本的にはハッチバックと共通。ドイツ車らしい機能性を追求したインパネデザインが採用されている。運転席のシートはかなり硬めの印象で、長時間ドライブを想定したもの。ターボには本格的なバケットシートが設定される。
4:2:4(1.8CDは6:4)に分割が可能な後席の背もたれを倒すと、ホイールハウスの出っ張りのないフラットでスクエアな広々としたラゲッジスペースが生まれる。
十分な中低速トルク、スムーズな吹き上がりなどによって軽快感のある走りを実現
1.8Lエンジンの動力性能は92kW(125ps)と数値的には平凡なものだが、十分な中低速トルクを発生することや、スムーズな吹き上がりなどによって軽快感のある走りを実現している。2Lターボは200psのパワーで豪快な走りのフィールが味わえる。
アストラワゴンではハッチバックと同様に先進のシャシーを備えている。ESP+をはじめ、ABSやTCなど先進の電子制御技術を採用したIDSと呼ぶシャシーシステムは、コンパクトカーの水準を超えた高い操縦安定性を発揮する。さらにスポーツには連続してダンパーをコントロールするCDCも装備される。
スポーツのインパネにはスポーツモードスイッチが設けられており、これを押すだけでショックアブソーバーの減衰力がハードになるほか、ATの変速スケジュールが高回転型になり、ステアリングやアクセルなどのレスポンスも変わる。スイッチひとつでメリハリの効いた走りのフィールが楽しめる。
ヨーロッパ車ならではの使い勝手を求めるユーザーにとって、最適の1台となるだろう
新型アストラのデキの良さはハッチバックがすでに定評を得ていることで証明されている。競合車となるゴルフと比べても、勝るとも劣らないくらいのデキの良さだ。さらに今回追加されたワゴンでは、優れた使い勝手が実現されている。ヨーロッパ車ならではの使い勝手を求めるユーザーにとって、アストラワゴンは最適の1台になるだろう。特にライバル車のゴルフが新型車でステーションワゴンを作っていないので、ドイツ製のコンパクトワゴンを求めるユーザーには、アストラがほとんど唯一の存在となる。
アストラハッチバックの価格設定がそもそも割安なものだったが、アストラワゴンの価格はハッチバックに対して15万円高の設定。ハッチバックとの価格差としては十分に納得モノといえる。
2Lターボを搭載した2.0スポーツはそれなりに魅力的だが、6速MTだけでATの設定がないのでちょっと選びにくい。一般のユーザーは1.8L車を選ぶことになる。1.8LにはCDとスポーツがあるが、モードの切り換え機構も付いたスポーツのほうに買い得感がある。お勧めは1.8スポーツだ。
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