オペル アストラカブリオレ 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:原田淳
オペルのスポーツプレミアムイメージを強化するイメージリーダーカーとして上陸した。
暖かい日差しが心地いいこの季節にピッタリの4シーターオープンが上陸した。3代目にあたる、オペルのアストラカブリオだ。昨年夏に導入したアストラクーペとともに、オペルブランドのイメージリーダーを担う。
デザインは、初代、2代目と同じように、イタリアの名門カロッツェリア・ベルトーネ社との共同開発。純血のドイツ製やフランス製のライバル車に対して、ドイツとイタリアのコラボレーションモデルである。言い換えると、ドイツ車のスポーティなポテンシャルとカブリオレとしてのエレガントさをイタリアンテイストで包み込んだというわけだ。ボディカラーは黒、青、黄色、赤、シルバーの5色。これにブラック/レッドの本革シート、ブラック/ブルーのソフトトップが組み合わせられる。
全自動ソフトトップの開閉時間はわずか30秒。風の巻き込みも最小限に抑えられている。
最大の自慢はセンターコンソールのスイッチだけでなく、車外からリモコンでも開閉できる、メルセデスやBMWと同じ全自動のソフトトップだ。ちなみにプジョー206CCのソフトトップは開閉時間こそ20秒だけど、ルーフとフロントガラスの固定が手動のレバー式になる。風の巻き込みは、ウインドディフレクターをフロントシートの後に立てれば80km/hでも髪が頬にまとわりつくことはない。気持ちのいいオープン・エア・モータリングが満喫できる。リアシートを使うときには、ウインドディフレクターをはずす必要があるが、トランクルームにきっちり収納できるのがうれしい。
室内は本革シートが高級感を演出。アルミリング付のホワイトメーターもスポーティムードを盛り上げている。だが日本人の体型にシートが馴染まず、最適なドライビングポジションをとりづらい。本革巻ステアリンングの縫い目もチクチク刺さるのは気になるところだ。後席はヘッドレストがロールバーの役目を担い、十分大きい背もたれと足入れ性がいいおかげで、大人が座れる空間を確保している。
スポーツバージョンのセッティングは、光と風を楽しむカブリオに似合わない。
4速ATとのコンビではオペル最強となる2.2L 4気筒DOHCエコテックエンジンは、108kw/203N・mのスペックから予想する通りの俊敏な加速感を見せる。揺れ剛性を40%高めたボディ補強に伴う100kgの重量増などまるで気にならないパワフルぶりだ。低速域のトルクも1900rpmで最大トルクの90%を発生するだけあって、扱いやすさが十分に感じられる。
足回りはクーペよりもセダンに近い味付けだが、想像以上にサスが引き締められているのか、コツコツとした振動がステアリングを握る手に伝わってくる。フットワークもリアが早く動きすぎるせいで、安定感が薄く感じてしまう。重めのパワステを含め、もう少し気軽に乗れるセッティングが望まれる。
ドイツでのカブリオはファーストカーの位置付けだが、国内ではあくまでもセカンドカーであり、スポーティな走りとも結びつかない。もっとカジュアルな光と風を存分に楽しむ爽快感を前面に出した方が受け入れられた気がする。
目指したのはコンパクトプレミアム路線だが、ウリはリーズナブルな価格と充実装備。
輸入車のカブリオ&コンバーチブルは意外に車種が多い。最も人気があるのはゴルフのカブリオで年間500台を販売している。当然、アストラカブリオもこの激戦区への参入となる。
だが、国内におけるカブリオは優雅にクルージングするクルマのイメージ。ゴルフにしてもプジョーにしてもこの路線を踏襲しているが、アストラカブリオは完全なスポーツバージョンの仕上がり。明確な差別化は図られているが、違和感を伴うのも事実だろう。
魅力はリーズナブルな価格設定だ。アストラカブリオは、全自動のソフトトップに本革シート、シートヒーターなどが標準装備で339万円。ゴルフやプジョーに比べてかなりお買い得であることは間違いない。果たして、桜が舞う日本列島を何台のアストラカブリオが走るだろうか。
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