[西部警察]DR30型 日産 スカイラインRSターボ ”RS-1”を徹底解析|特別機動車両 Vol.2(2/2)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:オートックワン編集部・株式会社石原プロモーション/製作著作:株式会社石原プロモーション 取材協力:小樽 石原裕次郎記念館
時代の先端を行くエアロパーツやチューニングによるカスタマイズが盛り込まれた
製作は日産プリンス販売のサービス部特殊車課、作業はトラック架装メーカーの倉田自動車(当時)で実施。当時はエアロパーツやチューニング、ハイテクデバイスが出始めたタイミングで、マシンの製作にはそのエッセンスが数多く盛り込まれたそうだ。
エクステリアは、フロントとリアのスポイラーはFET極東(エアロクラフト)製で、フロントスポイラーにはマーシャルのフォグランプと赤色灯が付く。一方、リアバンパー下の「スリットスポイラー」、ボンネットの「エアアウレット」やフロントフェンダーの「エアスプリット」はこのマシンのために製作されたオリジナル品だ。
また、「フェンダープロテクター」や「マッドカード」、リアの「エクストリームスプリット」、「リアウィンドウバイザー」などは当時の日産プリンス純正オプションであった「AD three」を装着。
ルーフのパトライトはオリジナルで製作、真ん中の青いライトは「キセノン散光灯」である。ホイールは「エンケイメッシュ4」、タイヤは205/55R16サイズの「ポテンザRE91」が装着している。ちなみにホイールは現在「エンケイ92」として復刻され販売されているが、RSに合う16インチはラインナップにないため、今ではかなりのレアアイテムだ。
定員は1名! 大型コンピュータと戦闘機並みの極秘ハイテク装備も実装(!?)
もちろん、インテリアにもシッカリ手が入っている。助手席に無線機「YAESU製FT-77S」を含む大型コンピュータ(!?)を搭載するため、助手席と後部座席は取り外され、乗車定員は1名に変更。
ステアリングは「ナルディ」、シートは「コルビュー」のリクライニングタイプ、シートベルトは「ブリタックス」の4点式を搭載。インパネには無線機と共に、「VDO」の追加メーター(バキューム、電流、電圧、外気温)が並んでいる。細かい部分では、各部にはマシンを扱う上でのコーションプレート(何と英語)も張られている。
特殊装備のIFFやRHAWSは、もはや捜査車両を超え“戦闘機”のイメージである(笑)。ただ、残念なことにこれらが使用された回は存在しない・・・。
アフターバーナーの使用は西部警察パートIII 16話「大門軍団フォーメーション」と33話「仙台爆破計画・宮城後編」の2回のみ。ちなみに16話の劇中では、何とアフターバーナーの加速テストを、皇居から赤レンガでお馴染みの東京駅丸の内口へ向かう一般道路、”行幸通り”で行なっている。
ちなみに2連装機銃も第16話と17話「吠えろ!! 桜島・鹿児島編」2回のみの使用だ。
これらのハイテク機器は、当時軍事産業では存在したのかもしれないが、気軽に手に入る物ではないため、その再現は非常に大変だったようだ。そもそも資料は少ない上に、テレビを観る視聴者にも一目で機能が解る必要もある・・・。そのため、まったくの虚偽の部分でさえ細かいこだわりが盛り込まれたそうだ。
世間を驚かせたハイパフォーマンスと最先端テクノロジーも、現代では実現可能なものも多い
RS-1のパフォーマンスは、最高速265km/h(アフターバーナー作動時)、0→400mは13.5秒、0→100km/h加速が6.1秒という設定だ。ノーマルのスカイラインRSターボに搭載される「FJ20ET」(インタークーラーなし)の最高出力は190ps/6400rpm、23.0kgm/4800rpm(もちろんグロス値)。新車発売時のモーターマガジン誌テストでは、最高速212km/h、0→400mは15.2秒、0→100km/h加速が7.5秒だった。80年代当時のチューニングでは、400ps近くの出力で240km/hを超える・・・と言う実力だったと言うが、仮に現在のパーツを用いて現在の技術でチューニングを施すとどうなのだろうか?
恐らく、放送当時は装着されるアイテムや機能はもちろん、車両のパフォーマンスは“夢物語”の一つとして生まれた物だったと思うが、現在はそれらの多くは可能になっている物ばかりである。
そういう意味では、西部警察の車両は、今思えば “夢と現実”のかけ橋だったとは言えないだろうか? だからこそ、放送開始から35年が過ぎても、未だにファンの熱が冷めないのかもしれないのだろう。
[レポート:山本シンヤ/Photo:オートックワン編集部・株式会社石原プロモーション/製作著作:株式会社石原プロモーション]
[動画]西部警察 マシンコレクション スーパーBOX 予告編(PONY CANYON)
製作著作 石原プロモーション
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