日産 スカイライン 3.7Lエンジン-7速AT 試乗レポート(2/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:原田 淳
新開発の3.7Lエンジン+7速AT搭載
従来のVQ35HRに対し35%の部品を新規開発したというVQ37VHRユニットは、左右完全対称吸排気システムはもとより、アクセル開度に応じて吸気バルブの作動角とリフト量を連続的に変化させるVVELを採用。ハイレスポンス、高出力、低燃費、クリーンな排出ガスを謳う。
すでにクーペでも賞味済みだが、その実力はなかなかのものだ。3,000回転以下の頻繁に使う領域が非常にトルクフルで、ピックアップも鋭い。従来のように出足がオーバーゲイン気味でギクシャクしないところもよい。中~高回転域では、分厚いトルクに伸びやかなパワー感が上乗せされる。回すほどにパンチを増しながら、レッドゾーンの7,500rpmまで一気に吹け上がっていく。まさに全域パワーバンドで、もっと排気量の大きなエンジンのような印象すらあるのだ。
7速化されたATは、ギア比の細分化による適正化とともに、新たにロックアップの手前にマイルドにつなぐ制御を加え、ロック領域の拡大とドライバビリティの向上を図ったとのこと。これが燃費向上にも少なからず貢献しているはずだし、走りのダイレクト感にもつながっている。
マニュアルシフトでは、シンクロレブコントロールが的確なブリッピング(=空ぶかし)を行なうことで、シフトダウン時も不快なショックを起こさず次のギアへと移っていく。変速レスポンスをあえて少し落とし、あくまでセダンに相応しくジェントルに味付けしたことがうかがえる仕上がり。スポーティかつイージーに走りたいときには、「DSモード」を選べばよい。
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