日産 新型スカイライン(ハイブリッド) 新型車解説 [2013年フルモデルチェンジ]/渡辺陽一郎(1/3)

日産 新型スカイライン(ハイブリッド) 新型車解説 [2013年フルモデルチェンジ]/渡辺陽一郎
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新型スカイラインは、これまでの販売低迷を払しょくするためにハイブリッド化!

日産、新型「スカイライン 350GT HYBRID Type P(2WD)」

「日産 スカイラインが、フルモデルチェンジ!」、クルマ好きなら誰でも気になる話題だろう。

日産 GT-Rも先々代のR34型まではスカイラインの1グレードとして販売されていた。高性能で格好良く、クルマ好きには憧れの存在だった。表現があえて過去形となるのは、最近のスカイラインはちょっと元気がないからだ。

1972年に登場した4代目スカイライン(C110型)は「ケンメリ」の愛称で親しまれ、1973年には1ヶ月平均で1万3,000台も登録された。これは、今でいう「日産 ノート」に匹敵する台数だ。それが、現在のスカイラインの登録台数は、1ヶ月に200~400台程。売れ行きは、最盛期の僅か2~3%となってしまった。

不振の要因としてはさまざまだが、1993年登場の9代目(R33型)から3ナンバー車に発展し、人気に陰りが見られ始めた。そして、2001年の11代目(V35型)以降は北米を中心にインフィニティブランドで扱われ、ますますスカイラインらしさが薄れている。

近年では日本国内でエコカー減税が実施されているが、同制度はエンジン排気量に対してボディが軽いセダンには厳しい。減税対象外の高価格車となったスカイラインにはアイドリングストップなども付かず、燃費も良好な数値ではない。結果、販売台数はさらに落ち込んだ。

そして、そんな低迷を一挙に打開することも視野に入れ、2013年11月11日、13代目となる新型スカイラインが発表された。

日産、新型「スカイライン 350GT HYBRID」

新型スカイラインで最も注目される点は、“ハイブリッド専用モデル”になったことだ。それによってエコカー減税は免税となり、前述の不利な状況を払拭させている。エンジンは3.5リッターV型6気筒を積む。

ただし、先代型のハイブリッドではないV型6気筒2.5リッターエンジン搭載モデルも、継続して生産される。新型と旧型が同時に販売されるのは中途半端な印象だが、これには「ノーマルエンジンの開発が間に合っていないため」という理由がある。

また、日産としては「新型スカイラインは装備を充実させて価格が高い為、2.5リッターの先代スカイラインも必要」という判断もあるらしい。「高性能が魅力のスカイラインで、ユーザーはわざわざ先代型を選ぶのか?」という疑問もあるが、とりあえず2.5リッターモデルを買うことも可能。ちなみに、先代型の3.7リッターは廃止された。

スカイラインなのに、エンブレムは“インフィニティ”という謎

ちょっと分かりにくいラインナップとなった新型スカイラインだが、実は外観を見るとますます謎が深まる。なぜなら、フロントマスクに“インフィニティのエンブレムが付く”からだ。

日産、新型「スカイライン 350GT HYBRID」

確かに現在のスカイラインは、海外ではインフィニティブランドに属してはいるが、どうして日本仕様にもこのエンブレムを付けるのか。

「トヨタのレクサスに続き、日産もインフィニティを国内展開するのか?」と日産に尋ねると、それはキッパリと否定された。「インフィニティを日本で開業する予定はなく、今後もスカラインとして売る」と言う。

ならば、どうしてエンブレムがインフィニティなのか。この件は、「新型スカイラインのブランド力を、欧州車に負けないレベルまで高めるため」という趣旨の説明であった。

この話を聞いた時、筆者は1人のクルマ好きとして悲しい気持ちになった。たとえ車名を継承したとしても、日産のエンブレムをインフィニティに変えてしまったのでは、「日産 スカイラインに半分ダメ出しをした」事と同じではなかろうか。

ここは日本であって、北米ではない。日本人が想う日産車とは“国産車”であって、輸入車ではないのだ。ここは、「日産 スカイライン」で復権させるべきだろう。今の日本の市場構造がスカイラインにとって逆風が吹いている事は明らかだが、そこでインフィニティの名を借りたと見られてしまうと、姑息に感じられて反感も買ってしまうのでは。

日本における「日産 スカイライン」は、たとえ販売が低迷したとてしてもメルセデス・ベンツやBMWに負けない歴史あるブランド。それを、日産自身が忘れてしまっては困るのだ。読者諸兄はどのようにお考えだろうか。これは、些細な話なのであろうか。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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