楽しみながら気軽にドライビングを学ぶ| ”Summer Driving Park 2017”レポート
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:和田清志
富士スピードウェイでプロから学べるドライビングレッスン!
オートックワン編集部より、自動車評論家の日下部保雄氏が代表を務めるプロスペック主催(後援:横浜ゴム)のドライビングスクール”YOKOHAMA&PROSPEC Summer Driving Park2017”の取材要員として声がかかった。
実は筆者、過去にプロスペックに出入りしてお世話になっていた時期があり、今でもスタッフとは親しい間柄。そこで、あらかじめ立場的や年齢的に筆者が行ってもいいものかと相談したところ、ぜひおいでと日下部代表も仰ったとのこと。さらには「ウチのスクールは年齢層が高めで、リピーターの方がとても多いのが特徴ですよ」との返答にも背中を押され、これも縁と思い参加するはこびとなった次第である。
2017年7月初旬の休日。会場は富士スピードウェイの構内にある「P2」という広い駐車場だ。参加者は全員で28人。初めての参加という人も何人もいたし、遠く関西から訪れた参加者もいた。すべてのプログラムは持ち込んだ愛車で走るのだが、車種を見ると、マツダ ロードスターやホンダ S660、スバル インプレッサWRXや三菱 ランサーエボリューション(ランエボ)といった国産スポーツから、ポルシェ、BMW、アウディとバラエティに富んでいて、中にはシボレーの大型アメリカンSUVの姿も。
この日のために編集部が筆者に用意してくれたクルマは、なんと日産のエコカー、ノート e-POWER。ちょっとドライビングスクールには不向きな気もするところだが・・・まあ精一杯がんばってみよう。
楽しみながら基本を徹底的にカラダに叩きこもう
開会式ではまず、インストラクターの面々が挨拶。日下部代表は、「自分が運転を始めた頃、広場で仲間とクルマを取り替えながら練習して、どこが悪いかを指摘しあったりして、楽しみながら運転技術を学ぶことができた。皆さんにもぜひそういう雰囲気を味わっていただければ」とコメント。
以下、全日本ジムカーナチャンピオンの斉藤邦夫氏、JGTCやF4などの参戦経験を持つ岸剛之氏、ドイツでのレース参戦やテストドライバーの経験のある森岡史雄氏、フランスF3選手権チャンピオンのをはじめ、フォーミュラ・ニッポンやル・マン24時間の参戦経験もあり、F1テストドライバーを務めたこともある福田良氏、スーパーGTやFJに参戦経験のある石澤浩紀氏ら、5人のインストラクターの面々が自己紹介し、この日の参加者に向けてアドバイスを述べた。
同スクールのコンセプトは、「楽しみながら基本を徹底的にカラダに叩きこもう!」。本格的なスポーツ走行よりも、まずは、走る、曲がる、止まる、という運転の基礎をしっかり学ぶことで、ふだんの運転に余裕が生まれ、まわりのドライバーに気配りのできるスマートで安全な運転の習得を目標としているのだ。
3つの特設コースは参加者のドライビングスキルに合わせて設定
参加者は3つのグループに分かれて、それぞれのプログラムを実施する。午前はベーシックなトレーニングが主体。特設コース(1)はコーナリングとライン取りを、特設コース(2)では加減速とスラロームを、というように、それぞれのコースでインストラクターのアドバイスを仰ぎながら運転の基礎を学ぶ。どちらか自分の好きなほうを走ってOKだ。
筆者がまず選んだのは特設コース(2)パイロンスラローム。ひとまず自己流で試してみたところ・・・インストラクターよりオーバーアクションとの指摘が!
曰く、アクセルのオンオフが激しく、ステアリングを切るのが早すぎるとのこと。パイロンの間隔が狭かったし、筆者はてっきりそうしたほうがいいと思っていたし、その練習だと思っていたのだが、斉藤インストラクターの運転するクルマに同乗して、目からウロコ。もっとゆっくりとした操作でも、クルマが断然スムーズに走っていく。そうか、これでいいんだ!
目標ブレーキでは、車速と距離感を掴んで、途中で踏力を変えることなく、目標地点にできるだけ近くで完全停止することが求められる。これはノート e-POWERの場合は回生ブレーキも効くので、途中で減速度が変化して難しかったのだが、何回かやっているうちにコツがつかめてきたぞ。
特設コース(1)のコーナリングとライン取りは、もともと自信があったのだが、概ねOKだったようで、森本インストラクターよりお褒めの言葉をいただいた。うれしい!
そして途中、参加者のドライビングスキルのレベルアップに合わせて、パイロンの角度を深くしたり、ブレーキングポイントを変更するなど難易度も高められる。
ウェット状態での周回走行を体験
午後は、水をまいた旋回路で、円旋回および8の字旋回を行なう。マイカーが濡れた路面で緊急時にどんな動き方をするのかを体験しておくと、いざというときにも適切な対応ができるようになる。ここではスムーズに安定して、なおかつタイムにこだわって走るのが課題だ。
「他のコースと違って、同じコースを何度も走るのですが、毎周、アタマをフルに使ってしっかり走ることを心がけましょう。タイミングとリズムが大事です」と岸インストラクター。
実は筆者、せっかくこういう場所を前輪駆動のノート e-POWERで走ってもあまり面白くないのではと思ったりしたのだが、ぜんぜんそんなことはなかった。低ミュー路での限界コーナリングで、フロントはアンダーステアが出ないギリギリのところを探り、リアも微妙に滑り出しそうなあたりを探りながら、できるだけ速く円を描いて走るというのは、なかなかエキサイティング。限界域でのクルマの挙動と、それをどうコントロールそればよいかを知っておくことは、もちろんすごくタメになることはいうまでもない。
ところで筆者は、できるだけブレーキを踏まないほうが速く走れると思っていたのだが、岸インストラクターによると、「速い人ほどターンインでブレーキを残すので、長くブレーキランプが点灯している傾向です」とのこと。これまた目からウロコ。実際、ブレーキを上手く使ったほうがだいぶタイムは速かった。
参加者全員によるタイムアタックを実施、充実のプログラムが満載
最後に、総括として参加者全員が、タイムアタックを実施。といっても、ただコースを走るわけではなく、”Gカップ”という水を入れたお椀を吸盤でフロントガラスに貼り付けて、いかに水をこぼさないで速く走れるかを競うというルールだ。ペナルティとしては、水をこぼした量が10ccにつき2秒プラス、パイロンタッチで3秒プラスとなる。なんか、どこかのマンガにあったような話だけど・・・(笑)、なるほどこれならクルマの性能差があまり問われなくなるってイイよね。
練習走行を1回行ない、どれぐらい攻めても大丈夫かという感触を少しばかり掴んだうえで、本番アタック。これならノート e-POWERでもポルシェに勝てるんじゃないかと思ったりしたんだけど・・・ペナルティこそなかったものの、さすがにそう甘くはありませんでした。これは面白い! 考えた人はアタマいいな~。
閉会式では、先ほどのタイムアタック結果の表彰と、景品がもれなく参加者全員にいきわたるだけ用意されているじゃんけん大会などが実施された。参加者の方々にとって、本当に実り多き1日となったことでしょう。
なお、プロスペックでは翌年以降の同イベントや、冬季には女神湖での氷上ドライビングスクールなどの開催も予定している。興味のある方は、プロスペックのWebサイト(http://www.prospec.gr.jp/)をチェックされたし。
[レポート:岡本幸一郎/Photo:和田清志]
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