日産 リーフ NISMO RC 試乗レポート/飯田 裕子(2/3)
- 筆者:
- カメラマン:オートックワン編集部
日産 リーフが持つ秘めた能力の高さに、改めて感心する
試乗した感想は「もう少しグリップ力の高いタイヤを履いたリーフを走らせてみたい」、だった。
EVの魅力は、アクセルを踏み込んだ瞬間から最大トルクを発揮できることにあり、リーフの場合はそれでいて実にトルクのコントロールがし易い。そこでコーナーの立ち上がりでは徐々にアクセルを踏み込めば、レスポンスのいいガソリン車のようなリニアかつダイレクトなトルクをタイヤに伝えることができる。
足回りやボディ剛性にまったく不満や不安はなく、だからこそコーナリング中はもちろんのこと、コーナーの立ち上がりでは、もう少しグリップのいいタイヤを履いていたら、もっとアクセルをたくさん踏んで楽しくコーナーを脱出できるのではないか…という欲望がふつふつと湧いてしまったのだ。
「タイヤに頼り過ぎるな!」と言われてしまうかもしれないけれど、転がり抵抗を抑え、燃費性能へ強く振ったブリヂストン製エコピアのリーフ専用タイヤなのだから、もう少しグリップ力のリッチなタイヤを履いてみたくなる。
またコーナリング性能に不満も不安も抱かなかった点については、駆動トルク制御が人知れぬサポートをしてくれているのだろう。これは高い応答性を発揮するモーターによるもので、4輪の車輪のスピードとアクセルの踏み込み量から車輌の状態を判断し、コーナリング中の駆動トルクを細かく制御してくれるのだ。欲を言えば、ステアリングの操作感にもう少しシットリ感があれば、より気持ちの良いワインディングドライブが可能になるかもしれない。
そこそこのスピードでコーナリングをする際の電動パワーステアリングの制御は、切るのも戻すのも重さと速度のバランスに申し分ないのだが、スイスイとできてしまうところに味わい深さが足りない、という印象を持った。もちろん装着タイヤのサイズや性能面の影響もあるのかもしれない。リーフの基本的な運動性能には感心できたが、さらにドライビングプレジャーを盛り込んだ“走りの日産”らしいEVの進化を、より期待したくなる。
”走りの日産”らしいEVの具現化、それが「NISMO RC」
「いやいや、それはNISMOに任せなさい」と言わんばかりのモデルが『リーフ NISMO RC(ニスモ・アールシー)』。昨年のニューヨーク・ショーで発表されたレーシングカーだ。NISIMOとは日産のモータースポーツ部門で、レースカーなどを専門に造っている。今年6月には日本で報道関係者向けにお披露目&デモランが行われ、EVマシンらしい静かな速さを見せつけ話題となっていたが、私は初対面だ。
試乗会場に置かれたマシンはとにかくカッコイイ! そしてすでに試乗中のマシンが走行するスタイルは、音も無く、まるで空を切るようなフォームで直線を走り抜けていく。
リーフ NISMO RCは、モーターやバッテリー、インバーターなどのEVパワートレインに市販車のリーフと同じものを採用しているが、それ以外は専用開発。特長は、パワートレインを市販のリーフと同じとしながら、ボディは大きく低く、軽量で、駆動方式も異なるレーシングカーであることだ。
例えばモーターの配置はフロントから後輪車軸の上あたりに移り、駆動方式も後輪駆動へと変更されてミッドシップ化されていた。ボディはF1マシンなどにも使われるカーボンモノコック(東レ製)を採用し、その内側にスチールのロールケージを装着。さらに外板ボディにもカーボンが使われている。そのためドアの開閉が驚くほど軽く、扱いに慣れていない者にとってはどのくらいの強さで閉めたらいいのかわからないほど。
リーフ NISMO RCのボディサイズは、標準のリーフに対し全長で+20mm、全幅が+172㎜サイズアップし、全高は-333㎜低められ、車重は約600㎏も軽い。おかげでパワーやトルクは標準リーフと同数値としながら、最高速度は145km/hから150km/hとわずかながら上がり、0-100m加速は6.85秒とのことだった。
サスペンションはダブルウイッシュボーンを採用し、ドライブシャフトもワイドトレッド用に変更されている。またブレーキはキャリパーにAP RACINGの既製品、ディスクローターは日産の量産モデルのものを使用し、タイヤはブリヂストン・ポテンザのSタイヤを装着する。
「ガンガン走ったらモーターの温度が上昇したりしないか」と質問をしたら、水冷式のフーガ ハイブリッド用のラジエーターをリヤに搭載しているとのことだった。さすがにヌカリはなさそうだ。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。