日産 R35 GT-R 2011年モデル 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
中古車専用の「アドバンスキット」は装着しない手は無い!
また今回、新設定の「Club Track edition」にも乗ることができた。
Club Track editionは、GT-Rが本来持っている性能を引き出したサーキット走行専用のGT-Rで、受注販売のみとなっており、価格は1,047万9,000円。
特約サービス工場協会(Authorised Servicefactory Association)がロールケージやスリックタイヤ、6点式シートベルトなどのサーキット専用部品を装着して販売される。
さらに、同車両を購入したユーザーは、プロドライバーのマンツーマン指導によるレーシングスクールを受講したり、専用のレースを楽しんだりといったプログラムが用意されるという。
Club Track editionをドライブしてみると、市販車とはまた違ったスパルタンな雰囲気が、しばらくレースに出ていない筆者にとって新鮮に感じられたのだが、やはり強化された足まわりとスリックタイヤによる、レスポンスの遅れが全くなく向きを変える感覚というのは、市販車とはまったく異質のものだ。
また今回、中古車専用に設定された「アドバンスキット」を装着した車両と、装着していない、ほぼ同じ条件下の2007年モデルを乗り比べることができたのだが、これがまた好印象だった。
装着車はまず、ドアを閉めたときの「ボムッ」という音からして違う。
仙台ハイランド内のスキーゲレンデに特別に設定されたコースをドライブしてみると、2011年モデルで改善されていたのと同様に、従来モデルでは気になっていた中立付近のアソビが薄れていることが確認できた。
さらに、ステアリングをきった時にスッと曲がる抜群の回頭性の良さを感じられた。
とてもクルマが軽くなった感じである。それでいて乗り心地がいくぶん衝撃の伝わり方がマイルドになっていた。パワートレイン計の騒音や振動もだいぶ抑えられていた。まさにいいことづくめ。
これは今回の2011年モデルとはまた違った方向性で、訊けば、R33やR34などのスカイラインGT-Rを愛車としていた人に、近い感覚を味わってもらえるようにとの意図もあるのだという。
従来モデルを愛用している人、これから中古車を買おうという人は、同キットを装着しない手はないと断言したいと思う。
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