なるか?シーマ現象再び!日産 新型シーマハイブリッド 試乗レポート/小沢コージ(1/3)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:茂呂幸正
「シーマ」を待っている人のために
「やっぱりフーガじゃダメ。“シーマ”じゃなきゃ!ってお客様が結構いらっしゃるんですよ、有り難いことに」
担当の広報レディのカリーナちゃんは嬉々として言う。なるほど・・・そのキモチも何となくわかるような、わからんような(苦笑)。
そう、2010年に生産終了となった、日産のフラッグシップモデル「シーマ」。今回、およそ2年を経てハイブリッドとして復活した新型シーマは5代目モデルであり、ほぼ10年ぶりのフルモデルチェンジとなる。
1988年に登場するなりバカ売れした初代シーマは、独特のド迫力ロングボディとどっかんターボで“シーマ現象”とまで言われたが、やはり残した印象はキョーレツだったようだ。今でも他の高級車には浮気せず“シーマ”にこだわり、乗り続けている人が相当数いるというのだから。
いかに“シーマらしさ”を表現させるか
よって、今回はいかにそこを演出するかがキモだった模様。
端的に言ってしまえば、新型シーマハイブリッドは“ちょっとデカくなったフーガ”である。
ハードウェアは、日産のフラッグシップ「フーガハイブリッド」のホイールベースを150mm伸ばして肉付けしただけ。パワートレインはフーガと同じ「3.5リッターV6」+「モーター」という、日産流ハイブリッドユニット一本のハイブリッド専用車種だ。
燃費は10・15モードで「18.8km/L」とレクサス LS600hの12.2km/Lを大幅に凌ぐが、出力的にはレクサス GS450hに近く、微妙に負けている。そのほか、気筒休止のV8ユニットなどは選べないし、前後フェンダーやフード類、ライト形状もフーガとまるで変わらない。
なぜなら、この新型シーマハイブリッドは日本マーケット専用車なのだ。イチから専用ボディを起こす程ではなく、だからフルモデルチェンジに10年ほどかかったと思われるが、一方、その価格はフーガハイブリッド+150万円(弱)の735万円と結構なお値段。
名前やエンブレム以上に、それなりに“シーマらしさ”を感じさせなければ、客も納得いかないはずなのだ。
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