日産 新型キャラバンはハイエースの牙城を崩せるのか!? これまで両モデルの売れ行きに大差がついていた4つの理由とは?

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2021年にガソリンエンジン車を、2022年にはディーゼル車を大幅なマイナーチェンジした日産 新型キャラバン。ライバル「トヨタ ハイエース」との競争は今後どうなるのか。ここでは両モデルを比較解説していく。
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  1. ライバル「ハイエース」との競争力強化のためにマイチェンした新型キャラバン
  2. 動力性能は排気量の大きいハイエースがやや優勢ながら、燃費性能はキャラバンに分がある
  3. ハイエースよりも乗用車に近い走行安定性と安全装備を備える新型キャラバン
  4. 両モデルの売れ行きに大きな格差が生じた4つの理由

ライバル「ハイエース」との競争力強化のためにマイチェンした新型キャラバン

日産 キャラバンが2021年にガソリンエンジンモデルを、2022年にはディーゼルモデルのマイナーチェンジを実施した目的には、販売面で絶対的な強さを誇るトヨタ ハイエースとの競争力を強化することも含まれている。キャラバンは2012年に現行型に切り替わり、2011年までは年間に1万台前後だった登録台数が2〜3万台に増えた。

それでもハイエースとの開きは大きく、このサイズの商用車シェアは、ハイエースとその姉妹車が70%以上を占めて、キャラバンは30%以下だ。そこで新型キャラバンとハイエースを比べたい。

動力性能は排気量の大きいハイエースがやや優勢ながら、燃費性能はキャラバンに分がある

まずディーゼルの動力性能は、ハイエースが優れている。発進直後の低回転域は新型キャラバンが少し速いが、その後に追い抜かれる。新型キャラバンの最高出力は132馬力(3250回転)、最大トルクは37.7kg-m(2000回転)とされ、ハイエースは151馬力(3600回転)・30.6kg-m(1000〜3400回転)だ。新型キャラバンは7速ATなのに対し、ハイエースは6速ATで比較的高い回転域の加速力ながら優位に立った。ハイエースのエンジン排気量は2.8Lだから、2.4Lの新型キャラバンに比べて本質的に余裕がある。

一方、クリーンディーゼルターボのWLTCモード燃費は、新型キャラバン2WDプレミアムGXなどが11.3km/Lに対し、ハイエースロングスーパーGLの標準ルーフは9.2km/Lだ。燃費性能は設計が新しいこともあり、新型キャラバンが優れている。

ハイエースよりも乗用車に近い走行安定性と安全装備を備える新型キャラバン

走行安定性では、操舵感に違いがある。新型キャラバンは、ステアリングホイールを回し始めた段階から、車両の向きが比較的正確に変わる。ハイエースは少し鈍めの印象で、新型キャラバンは乗用車に近い。

安全装備は、以前はキャラバンが遅れていたが、新型になり少し追い抜いた形だ。新型キャラバンには、ハイエースが設定しない標識検知機能も備わる。メーター内部のディスプレイに、進入禁止、最高速度、一時停止の標識を表示する。

なお車間距離を自動制御できるクルーズコントロールなどの運転支援機能は、両車ともに設定していない。キャラバンのようなワンボックスバンは、高速道路を使って長距離を移動する機会も多く、開発者は「なるべく早い時期にプロパイロットのような運転支援機能を採用したい」と述べている。

両モデルの売れ行きに大きな格差が生じた4つの理由

価格はクリーンディーゼルターボを搭載する新型キャラバン プレミアムGXが371万1400円、同程度の装備を採用したハイエース スーパーGLは368万5100円だから、ほぼ同じ価格設定になる。

荷室の広さなどでは差が付かないから、キャラバンとハイエースの商品力に大きな隔たりはない。それでも売れ行きに大幅な格差が生じた背景には、4つの理由がある。

3代目キャラバンまではハイエースの方が商品力が高かった

1つ目は過去の商品力の違いだ。2001年に販売を終えた3代目キャラバンまでは、ハイエースの優れている点が多かった。特にユーザーの評価を分けたのがボディ剛性と耐久性だ。当時のキャラバンは、1輪だけ歩道に乗り上げて荷物の積み降ろしをすると、ボディが捩れてスライドドアが閉まらなくなることがあった。ハイエースなら、当時からこのような不都合は生じにくい。

その結果、「キャラバンはボディが弱い」という評価が生まれた。現行型のキャラバンであれば、既に対策が施されてこの問題は生じないが、仕事で使うクルマだからユーザーは慎重に選ぶ。先輩から後輩に語り継がれるような事情もあり、今でもハイエースが選ばれやすい。

資産価値の高いハイエース

ハイエースが好調な2つ目の理由は数年後に売却する時の価値だ。ハイエースはトヨタ車でもあり、海外でも耐久性の高さによって人気がある。中古車輸出も活発で、中古車販売店では「ハイエースなら30万kmを走った15年落ちの車両でも値段が付く」という。

要は資産価値が高く、事業を営んでいる方が所有するハイエースを売却して運転資金にすることだって可能ということだ。これは仕事で使うクルマでは大切な魅力だ。キャラバンの商品企画担当者も「今はキャラバンのリセールバリューを高めるために、中古車輸出にも力を入れている」と述べていた。

トヨペット店の販売力の高さ

3つ目の理由は、長年にわたりハイエースを扱ってきたトヨペット店の販売力だ。今のトヨタでは、全店が全車を売る体制に変わったが、以前専門に売っていたトヨペット店は法人営業が概して強かった。トヨタ店がクラウンを大切に育てたように、トヨペット店もハイエースをしっかりと売り続けた。その成果が今も続いている。

ハイエースはアフターパーツが充実

4つ目の理由は、ハイエースではドレスアップなどの各種パーツが充実していることだ。ハイエースは以前からレジャーなどに使う個人ユーザーの比率が高く、ドレスアップパーツも充実している。そのためにさらに売れ行きが伸びる好循環が成り立っている。その点でキャラバンは、ビジネス需要が70%、ビジネスとレジャーの兼用が25%、レジャーのみの個人ユーザーは5%と少ない。

以上、ハイエースとの4つの違いを、キャラバンはいかに埋められるか。そこに今後の成否が掛かっている。

[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:和田 清志]

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筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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