運転への自信が高まる!?マツダが誇る「SKYACTIV技術」が更に進化

GVC概念図
実際にSKYACTIVーVEHICLE DYNAMICSを体験する河口まなぶさん

マツダは人間中心の開発思想に基づき、「SKYACTIV技術」をはじめとしたさまざまな技術開発に取り組んできた。

そして今回、世界初となるSKYACTIVの新制御技術が新たに発表された。ドライバーは運転が上手くなった感覚に、同乗者は乗り心地が向上したり、酔いやすい人も酔いにくくなることが期待できるという。この制御技術は日常走行から緊急回避まで、幅広い走行シーンで一貫した効果を発揮する新技術だ。

公開された技術の名称は「SKYACTIVーVEHICLE DYNAMICS」。今回はその第一弾の制御技術のみが公開されたが、専用チューニングを施した第二弾も近々登場する予定。この技術展開は、マツダの藤原常務が「なるべく早い段階で市販化として投入する予定」と語っていた。どの車種から投入されるのか楽しみだ。

【SKYACTIVーVEHICLE DYNAMICS】「人馬一体」の走りを更に進化させ、「走る歓び」を全ての人に

マツダの人馬一体への飽くなき挑戦が生み出した新しいブレークスルー、それが「SKYACTIVーVEHICLE DYNAMICS(スカイアクティブ ビークル ダイナミクス)」。SKYACTIVとは、「限界に捉われることなく、のびのびと自由な発想で究極の効率を追求し、 “未来に続く青空”と “走る歓び”をすべての人に」を方針とする取り組み姿勢や技術開発アプローチの総称である。

SKYACTIVーVEHICLE DYNAMICSは、新世代技術「SKYACTIV技術」のひとつ。エンジン、トランスミッション、ボディ、シャシーなどのSKYACTIV技術の個々のユニットを総合的に制御することで、マツダの提供価格の根幹である「人馬一体」の走行性能を高める新世代車両運動制御技術の総称である。

SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICSの概念

【G-Vectoring Control】エンジンでシャシー性能を高める新発想の制御技術

SKYACTIVーVEHICLE DYNAMICSの第一弾、それが「G-ベクタリングコントロール(G-Vectoring Control:以下GVC)」。マツダはこれまでも、「人馬一体」の走りに欠かせない減速・旋回・加速といった車両の運動連係性、すなわち「なめらかG(加速度)のつながり」を追及してきた。これを「ダイナミクス性能の統一感」と呼び、ブレーキ・ハンドル・アクセルなどの操作感や応答性に一貫性を持たせることで、人が運転しやすい車両特性を実現してきた。

GVCは、マツダがこれまで取り組んできた「統一感」をさらに進化させるため、「エンジンでシャシー性能を高める」という新発想と、人間中心の開発思想に基づいて開発された。機械の効率のみを考えて制御するのではなく、「人間を中心に、人間の特性に基づいてクルマがどうあるべきかを考える」という開発哲学に基づいて、より多くの人に「なめらかなGのつながり」を提供する。

GVCはドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させることで、これまで別々に制御されていた横方向と前後方向の加速度(G)を統合的にコントロール。4輪への設置荷重を最適化して、スムーズで効率的な車両挙動を実現する世界初の制御技術である。

タイヤの接地状態の最適化により車両がよりドライバーの意図通りに動くようになり、無意識のものも含めたハンドルの修正操作が減少。抜群の接地感によって運転の安心感が高まるとともに、乗員にかかるGの変化がよりスムーズになり、体の揺れが減って乗り心地も改善する。さらに、雨の日や雪道などの滑りやすい路面での車両の操縦性と安定性も高まる。

また、日常走行から高速走行、ワインティング、緊急回避時など、幅広い走行シーンで一貫して効果を発揮する。

GVCの作動イメージ

GVCの作動メカニズム

GVCでは、タイヤのパフォーマンスを最大化するために、タイヤにかかる設置荷重に着目。ドライバーがハンドルを切り始めた瞬間、GVCはエンジンの駆動トルクを制御して減速Gを発生し、前輪への荷重移動を行う。これによって前輪のタイやグリップを増加させ、車両の応答性を向上させる。その後、ドライバーがハンドルを一定舵角で保持した時には、瞬時にエンジンの駆動トルクを復元して後輪への荷重移動を行い、車両の安定性を向上させる。

この一連の荷重移動によって、前後輪タイヤのグリップをより引き出し、ドライバーの意図に応じて車両の応答性や安定性を高める。

荷重のかかるイメージ

◇人間中心の発想で自然な制御効果を実現するGVC

GVCの制御はとても自然で、ドライバーや同乗者に違和感を一切与えない。これは、人間中心の開発思想に基づき、人間の感覚に合わせた制御の反応速度と量を実現しているためである。ドライバーがハンドルを操作してから減速度が発生するまでの応答時間は人間の知覚時間よりも速く、GVCが付加する減速度は通常わずか0.01G以下と、微小なコントロールがなされている。

ドライバーの操作では不可能なほど緻密で速い制御を行うことで、自然な運転フィーリングの向上が得られる点は、この技術の特徴の一つである。

◇GVCの高い展開性

GVCは、緻密に駆動トルクをコントロールできるSKYACTIVエンジンと、理想的な車両挙動を提供するSKYACTIVシャシーの存在によって実現した技術。一方で、SKYACTIV技術の搭載モデルであれば、駆動方式やセグメントによらず様々なモデルに展開することが可能な汎用性の高い技術。またソフトウェアの制御ロジックによってシステムを成立させているため、新たな専用部品の追加による重量増などもない。

コーナリング時における舵角とGの関係

GVCのベネフィット

GVCはドライバーの運転技量によらず、低速からの日常走行、高速直進走行、ワインディング走行や緊急回避時など、幅広い走行シーンで一貫した効果を発揮。

(1)思った通りに走れて、運転への自信が高まる

ドライバーは直線でもカーブでも、車線に沿って走るためにハンドルを操作している。しかし、路面の凸凹やうねりなど外乱の影響によって、想定した走行ラインに対してズレが生じるため、ドライバーは常にハンドルの修正操作を行っている。GVCは微小なハンドル操作の応答性も向上させるため、この修正操作の量や頻度を格段に減らしてくれる。そのため、ドライバーは思った通りのラインに沿って走ることができ、クルマとの一体感が増して運転への自信が高まる。

(2)疲労の蓄積を抑制し、快適なドライブを楽しめる

ハンドルの修正操作はドライバーに少しずつ負担をかけ、疲労として蓄積されていく。GVCはこの修正操作を減らすため、長距離運転での疲労の蓄積を抑制する。また、GVCによって乗員にかかるGの変化がなめらかになることで、ドライバーや同乗者の頭部や体の揺れが抑制され、より快適なドライブを楽しむことができる。

(3)安定したクルマの動きによって、安心感が高まる

GVCは、シーンい応じた接地荷重の最適化によってクルマの操縦性と安定性を同時に高めるため、雨の日や雪道、悪路など厳しい道路状況になるほど、より高い効果を発揮する。タイヤが路面をしっかりとつかむ「設置感」をあらゆるシーンで提供し、乗る人すべての安心感が高まる。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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