トヨタの新たなエコカー新型「MIRAI(ミライ)」が発売に ~燃料電池搭載で価格は723万6千円~

3分程度の水素の充填で航続距離約650km(JC08モード走行)を達成

トヨタ 新型「MIRAI(ミライ)」/エクステリア・フロント

トヨタは、次世代のエコカーで、水素と酸素を化学反応させて電気を作る「燃料電池」を搭載し、モーターで走行する「MIRAI(ミライ)」を12月15日より発売開始すると発表した。価格は723万6千円(消費税込)としている。

「MIRAI(元の名称:FCV)」は、2013年の第43回東京モーターショーに出品された「トヨタ FCVコンセプト」がベースとなっている。

◎関連記事:【東京モーターショー2013 現地速報】なんと2015年に燃料電池車が市販化!航続距離500km超えの「FCV-R」に「FV2」「JPNタクシー」3台のコンセプトカーが登場!

全長が4,890mm、全幅が1,815mmのLサイズセダンで、リアシートとトランクスペースの下側に高圧水素タンクを搭載する。タンクの貯蔵性能は従来型に比べて約20%向上して、世界でトップレベルの効率を達成した。

水素と酸素を反応させて電気を生み出すFCスタックは、フロントシートの下側付近に配置。ボディの前側に搭載されたモーターを駆動して走行する。

1回の水素充填によって走れる距離は実用的にも500km以上とされ、EVに比べると大幅に長い。 水素の充填所要時間は約3分なので、急速充電器を使ったEVの充電時間に比べても大幅に短縮され、使い勝手はガソリンやディーゼルエンジン車に近いものとなった。

トヨタ 新型「MIRAI(ミライ)」

▼MIRAIの概要

優れた環境性能と利便性を実現したトヨタフューエルセルシステム(TFCS)

■燃料電池技術とハイブリッド技術が融合したトヨタフューエルセルシステム(TFCS)を採用

■内燃機関に比べてエネルギー効率が高く、走行中にクルマからのCO2や環境負担物質を排出しない優れた環境性能に加え、3分程度の水素の充填で航続距離約650km(JC08モード走行)を達成するなど、ガソリンエンジン車と同等の利便性を実現

■トヨタFCスタック、FC昇圧コンバーター、高圧水素タンクなどの主要部品を自社開発

トヨタ 新型「MIRAI(ミライ)」

<トヨタFCスタック>

・新型トヨタFCスタックは、最高出力114kWを達成。高性能・小型化により、従来モデル「トヨタFCHV-adv」に比べて2.2倍の出力密度となる3.1kW/L(世界トップレベル)を実現

・発電に必要なセルの電解質膜の水分コントロールは、発電によって生じる水をセルの内部で循環させる内部循環方式とし、加湿器を不要とする加湿器レスを実現(世界初)

<FC昇圧コンバーター>

・トヨタFCスタックで発電した電気を650Vへ昇圧する小型・高効率の大容量コンバーターを新開発。高電圧化により、モーターの小型化とトヨタFCスタックのセル数削減を可能とし、TFCSの小型・高性能化とシステムコストの低減に寄与

<高圧水素タンク>

・燃料となる水素を貯蔵する70MPa(約700気圧)の高圧水素タンク。「トヨタ FCHV-adv」に搭載の高圧水素タンクに比べてタンク貯蔵性能を約20%向上させ、タンクの重量に対する水素貯蔵量(重量)の割合が5.7wt%(世界トップレベル)を達成するとともに、軽量・小型化を実現。日本で初めて国際圧縮水素自動車燃料装置用容器の規格を取得

安心・安全を追求した車両設計と充実した装備

<FCVとしての安全対策>

■「水素を漏らさない」「万一漏れても直ちに水素の漏れを検知して水素を止める」「漏れた水素は溜めない」という基本的な考えに基づき水素に対する安全設計を実施

■衝突時の衝撃を多くの部材へ効率良く分散させる構造を採用し、衝突エネルギーを分散吸収させることで、キャビンの変形を最小限に抑制。前面、側面、後面それぞれの衝突に対し、優れた乗員保護性能を確保するとともに、トヨタFCスタックや高圧水素タンクを保護する高い衝突安全性能を実現

■トヨタFCスタックのフレームには、加工しやすく軽くて強い熱可塑性カーボンファイバー強化樹脂を採用。路面干渉時の衝撃をスチール製の環状構造フレームと3層のカーボンファイバー強化樹脂で吸収し、トヨタFCスタックを保護

<次世代車にふさわしい充実した先進安全装備>

■先進安全技術を標準装備

・衝突する可能性が高いと判断した場合、警報やプリクラッシュブレーキアシスト、プリクラッシュブレーキなどにより衝突回避または被害軽減を支援するプリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)

・隣の車線を走る車両をレーダーで検知し、車線変更時の後方確認をアシストするブラインドスポットモニター(BSM)

・道路上の白線(黄線)をカメラで認識し、車線逸脱を警告するレーンディパーチャーアラート(LDA)

・シフト操作時における急発進・急加速を抑制するドライブスタートコントロール

・夜間走行時に、室内カメラのセンサーが前方車両や対向車両を検知し、ハイビームからロービームへ自動で切り替え、できるだけハイビームで走ることで、ドライバーの前方視界確保をアシストするオートマチックハイビーム

トヨタ 新型「MIRAI(ミライ)」/エクステリア・

■事故の被害を軽減する衝突安全性を追求

・コンパティビリティの概念を取り入れた衝撃吸収ボディと高強度キャビンからなる衝突安全ボディGOAを採用

・歩行者の頭部などへの衝撃を緩和するため、フードインナー、カウル部などに衝撃吸収緩和構造を採用

・SRSエアバッグ(運転席・助手席)、SRSニーエアバッグ(運転席)、SRSシートクッションエアバッグ(助手席)、SRSサイドエアバッグ(前席)、SRSカーテンシールドエアバッグ(前後席)の8個のSRSエアバッグを標準装備

<安心した走りを支えるMIRAIのつながるサービス>

■従来のサービスに加え、MIRAIをより安心・安全・快適に乗る為の専用サポート機能を備えた「T-Connect DCM パッケージ」サービスを提供

・専用Apps(アップス)「水素ステーションリスト」

自車位置から近くの3つの水素ステーションの店舗情報・現在の稼働状況をナビ画面に表示

・専用スマホアプリ「Pocket MIRAI」

全国の水素ステーションの店舗情報・現在の稼働状況、水素残量、走行可能範囲、外部電源供給可能時間を表示。また、水素充填記録機能や、運転を楽しむコンテンツ「フォレスト機能」を設定

・「FCシステム遠隔見守りサービス」

FCシステムの異常を検知した場合に、メッセージをナビに表示する「ウォーニング通知」や、販売店端末から車両状況を確認し、ユーザーにアドバイスを実施する「遠隔診断サポート」を提供

一目でMIRAIとわかるデザイン

<エクステリア>

■フロントは、酸素の確保とFCシステム冷却のために空気を取り込む左右のグリルを強調する新たな様式を採用。FCVであるMIRAIの独自性を象徴する斬新なフロントフェイスを追求

■サイドは、乗員を包み込むボディとキャビンを流麗なウォータードロップ(水滴)をイメージした形状とし、FCユニットを内包したアンダー部が支える立体構造で、空気を取り込んで水を生成するFCVの特長を表現。ボディから浮かび上がったように見えるルーフサイドとフードが全高を低く見せながら未来感をアピール

■リアはライセンスガーニッシュからバンパーコーナー下端まで、タイヤに向かうように台形形状を構成する大胆な造形と、ワイド感を強調するバンパー上面により、力強く安定感のあるスタンスを表現。また、バンパーの下を空気が通り抜けていく軽快感とクリーンなイメージを創出

■ヘッドランプは4灯のLEDを一列に配した超薄型とし、放熱板など光学機器の一部をあえて見せる斬新なデザインで、ハイテクかつ精緻な高級感を演出。フロントターンランプとクリアランスランプは、ヘッドランプから独立させることで、超薄型ヘッドランプの実現に寄与すると同時に、サイドグリルに融合。整流効果を高めるく売り機性能にも配慮した先進的かつクリーンなデザインを創出

■ホイールは、軽量化を追求しエングレ加工を施した17インチアルミホイールを採用

■ボディカラーは、新色ツートーンピュアブルーメタリックを含む全6色を設定した

トヨタ 新型「MIRAI(ミライ)」/エクステリア・

<インテリア>

■フロントからリアへ連続する造形がシームレスで心地よい空間を表現。ドアトリムなどには柔らかい質感のソフトパッドを採用すると共に、随所に高輝度シルバー加飾を配し、洗練された空間を創出

■フロントシートは、表皮一体発泡工法で実現した凹断面が身体全体を包み込む、ホールド性に優れたシートを採用。最適なシートポジションが得られる8ウェイトパワーシート&電動ランバーサポートを運転席・助手席に標準装備

トヨタ 新型「MIRAI(ミライ)」/インテリア・フロントシートトヨタ 新型「MIRAI(ミライ)」/インテリア・リアシートトヨタ 新型「MIRAI(ミライ)」/インテリアトヨタ 新型「MIRAI(ミライ)」/インテリアトヨタ 新型「MIRAI(ミライ)」/インテリア・インパネ

■インストルメントパネルの中央上段に配置し、浮かび上がるようなデザインのセンターメーターには、高精細な4.2インチTFT液晶を採用したスピードメーターとマルチインフォメーションディスプレイを設定。ドライバーは、ステアリングスイッチの操作でディスプレイの表示切り替えが可能

■シートヒーターなどの操作スイッチは、フラットパネルを軽くタッチすることで操作が可能な静電式ヒーターコントロールパネルを採用

■即暖性に優れながら消費電力を大幅に抑えるステアリングヒーター&シートヒーター(全席、2段階温度調整式)、エコ空調モードスイッチが付いた左右独立温度コントロールフルオートエアコン、車内を爽やかな空気で包む「ナノイー」など、快適な室内空間を支える機能を標準装備

■インテリアカラーには、ウォームホワイトをはじめ全3色を設定

トヨタ 新型「MIRAI(ミライ)」/インテリア

走りの楽しさを追求した優れた操縦安定性と圧倒的な静粛性

■トヨタFCスタックの高出力とバッテリーのパワーアシストがモーターを駆動し、パワフルな応答性を全車速域で達成。アクセルを踏み込んだ瞬間から一気に最大トルクが立ち上がり、その後もパワフルでスムーズな加速が得られる走りを実現

■トヨタFCスタックや高圧水素タンクなどをクルマの中心部の床下に配置し、低重心化と優れた前後重量バランスを実現するとともに、リアサスペンションまわりの剛性強化を始めとした高剛性ボディの採用などにより、操縦安定性と快適な乗り心地を高い次元で両立

■床下全体のフルカバー化や、クリアランスランプのデザインに空力的処理を施すことにより、空気抵抗を低減し、燃費と操縦安定性向上に寄与。また、リアコンビネーションランプの側に設定したエアロスタビライジングフィンは、直進安定性を向上

■全車速域でのモーター走行による静かさに加え、ボディ各部の徹底したシール構造、ウィンドシールドガラスや全ドアガラスへの高遮音性ガラス採用など室内を取り囲む吸・遮音材の最適配置、風切り音の低減などにより、圧倒的な静粛性を実現

■Bs(ブレーキサポート)モードは、長い下り坂などで車速を抑えたい時に回生ブレーキを有効に使い、制動力を向上

大容量外部電源供給システム

■災害などの停電時に、約60kWhの大容量、かつ最大9kWの電力供給能力を持ち、給電器(別売)に接続することにより、トランク内に設定されたコンセント(CHAdeMO端子)からのDC(直流)電力を給電器でAC(交流)に変換し、住宅(V2L)や家電(V2L)の電源としての利用が可能。また、車室内に設置したアクセサリーコンセント(AC100V・1500W)には、家電を直接つないで使用可能。

MIRAI主要諸元

全長×全幅×全高(mm):4,890×1,815×1,535/ホイールベース(mm):2,780/トレッド フロント/リア(mm):1,535/1,545/最低地上高(mm):130/室内長×室内幅×室内高(mm):2,040×1,465×1,185/車両重量(kg):1,850/乗車定員:4名

トヨタフューエルセルシステム(TFCS)主要諸元

【FCスタック】種類:固体高分子形/出力密度:3.1kW/L/最高出力:114kW(155PS)/加湿方法:内部循環方式(加湿器レス)

【高圧水素タンク】本数:2本/圧力:70MPa(約700気圧)/貯蔵性能:5.7wt%/容量:122.4L(前方60.0L/後方62.4L)

【モーター】種類:交流同期型/最高出力:113kW(154PS)/最大トルク:335N・m(34.2kgf・m)

【駆動用バッテリー】ニッケル水素

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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