アウディ、パリモーターショー2014で「アウディ TT スポーツバック コンセプト」を発表
アウディは10月2日(木)から(一般公開4日(土)から)19日(日)まで、フランス・パリ市のパリエキスポで開催される「パリモーターショー2014」において「Audi TT Sportback concept」を発表する。エクステリアは伝統的なTTのデザインを継承しながら、新しい伸びやかな造形へと進化させている。エンジンは294kW(400hp)を生み出すハイパワーの2.0TFSIを搭載。
「この20年間で、TTによってアウディは自動車のデザインアイコンの一つとなるデザインを作り出しました。それ以降、私たちはスポーティでエレガントな5ドアモデルとして、Audi A5 SportbackやAudi A7 Sportbackを生み出してきました。そして今回、Audi TT Sportback conceptにて、Audi TTファミリーの1台となりうる新しいモデルを作り上げるべく私たちは両方のコンセプトを融合させたのです。」と、アウディの技術開発担当取締役のProf Dr. ウルリッヒ ハッケンベルク氏は語った。
同車は、7速Sトロニックを介してquattro(フルタイム4WD)に伝えられる294kW(400hp)のパワーを誇り、0-100km/h加速はわずか3.9秒。洗練されたサスペンションと低い重心がダイナミックなハンドリングを実現し、ボディには軽量なアルミコンポーネントがふんだんに使われている。各ヘッドライトにはLEDハイビームにレーザースポット技術が組み込まれ、暗闇での走行時の安全性を著しく向上させた。
インテリアは、従来のインスツルメントパネルやMMIモニターに替わる12.3インチスクリーンを備え、最高品質のグラフィックを映し出し、ドライバーは複数のディスプレイレベルを自由に選ぶことができる。MMIターミナルのロータリープッシュボタンには、スマートフォンと同様に文字やジェスチャーを入力することができるタッチパッドが備わり、空調の操作はエアベントの位置へと移動した。
エクステリアデザイン
5ドアのAudi TT Sportback conceptの寸法は全長4.47m、全幅1.89m、全高1.38m、ホイールベースは2.63m。最新の量産モデルのAudi TTと比べ、29cm長く、6cm幅広く、ホイールベースは12cm広く、そして高さは3cm低くなっている。
マーズレッドのペイントが施されたボディはパワフルさとエレガンスの象徴である。
同車のフロントエンドでは特徴的な水平のラインがワイドでスポーティなルックスを強調。シングルフレームグリルは、下端にquattroバッジが備わり、2ドアクーペのものよりも平たく幅の広い、輝くダークアルミルックのハニカムグリルインサートがはめ込まれている。
大きく目立つエアインレットは、Audi TT Sportback conceptのフロントのもう一つの特徴だ。はっきりとしたエッジで縁どられたエアインレットは左右が独立しており、内部にはそれぞれハニカムインサートがはめ込まれている。シングルフレームの構造を作っているブレードが、ショーカーの外見をよりシャープに見せると同時に、エアロダイナミクスも向上させている。
もう一つのTTの典型的なデザインとして、セパレーターがついたユニークなデイタイムランニングライトとなる新デザインのヘッドライトがある。Audi TT Sportback conceptには、レーザー技術を使ったハイビームスポットが備わっており、各ヘッドライトは4つのパワフルなダイオードからなるモジュールとなっていて、数百メートル先まで照らす光のビームを作り出す。このレーザースポットは速度60km/h以上で作動し、LEDハイビームをサポート。ドライバーにとってこれは視認性と安全性を著しく向上させるものとなる。対向車はカメラで検知し、自動的に照射を避けて眩惑を防ぐ。
ライティングコンセプトはリアにもおよび、LEDリアライトはR8およびA8にも採用されている、ダイナミックターンシグナルが採用された。並んだ個別のダイオードからなり、インジケーターが内側から外側に向かって順に光り、ドライバーが曲がろうとする方向を直観的に示すもの。
インテリア
インテリアは、Audi TTの妥協のないスポーティさと5ドアセダンの機能性が同時に実現。ダッシュボードやドア上の薄型の操作類や、室内全体を貫く長いセンターコンソールなどに顕著に見て取れる特徴である。センターコンソールや、フロントからラゲッジルームまで繋がるトップショルダーには手作業による縫い目がきれいに施され、インテリアにさらにスポーティさとエレガンスさを添えている。ヘッドレストが一体化されたスーパースポーツシートはシャープに形作られており、調整可能な仕様となっている。
リアには2名分のスペースがあり、シートは前席同様ヘッドレスト一体型のセパレートシートで、ストレージボックスとアームレストによって仕切られている。バックレストは可倒式で大きな荷物がテールゲート下のラゲッジルームに積めるようになっている。
スポーティエレガンスというキャラクターに沿い、Audi TT Sportback conceptのインテリアにも高品質な素材が使用されている。インスツルメントパネルとドアトリム上部はダークグラニットグレー。ドアのアームレスト、センターコンソール及びシートにはパーチメントベージュ色の新しいソフトレザーが使われており、これは極めて自然な風合いのシルキーな艶を持つ素材である。
ドア上部のショルダー部分はパーチメントベージュのアルカンタラ仕上げで、シートはダイアモンドパターン仕上げになっている。シートのサイドボルスターは、特別なステッチ技術によって赤い糸で縫われたダークグレーレザーのスペシャルアクセントストリップのトリムが施され、インスツルメントパネルとドアトリムにはダークアルミニウムルックのデコラティブパネルが施されている。
ドライブトレイン
Audi TT Sportback conceptの2.0TFSIエンジンは6,400rpmで294kW(400hp)を発生し、1リッターあたりの出力は147kW(200hp)。この4気筒エンジンがそのクランクシャフト上に生み出すトルクは2,400~6,000rpmで450Nm、わずか1,900rpmですでに300Nm以上が生み出される。このハイパフォーマンスエンジンの燃料消費量は平均で100kmあたり7.0リッターに抑えられており、CO2排出量は1kmあたり162gとなっている。
アウディのEA 888エンジンファミリーの一員として、ターボチャージ直噴ユニットのための一連の最新技術が搭載されている。インテーク及びエキゾースト側のカムシャフト調整と、エキゾーストバルブのストロークを2段階で変更するアウディバルブリフトシステムが、燃焼室での最適な混合を促進する。部分負荷時には、間接インジェクションがFSI直噴をサポートする。シリンダーヘッドに一体化されたエキゾーストマニホールドは、サーマルマネジメントの重要なコンポーネントの一つである。
ハイパワーの出力を生み出すために、2.0TFSIは一体化クーリングチャネルのついたアルミ製の特性ピストンや、超高強度鍛造スチール製のクランクシャフトなど、広範囲に改良された。クランクケースは新開発の高強度鋳造合金製で、シリンダーヘッドは増加したガスフロー率に合わせて再設計された。ターボチャージャーもまた再設計され、最大ブースト圧は1.8バールとなっている。これには混合フロータービンホイールが備わり、特に素早い立ち上がりが特徴である。
シャーシ
Audi TT Sportback conceptのサスペンションもまた、アウディの専門技術の恩恵を受けている。フロントサスペンションはマクファーソンシステムがベースである。アルミニウムのコンポーネントによりバネ下重量が軽減され、リアの4リンクサスペンションは縦方向と横方向の力を別々に処理することができる。
大径のホイールは21インチ、タイヤサイズは255/30。4つのブレーキディスクは18インチで、軽量化のためのウェーブデザインとなっている。
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