レクサス 新型NXはPHEVやターボだけじゃない! ベーシックな2.5リッターエンジンでも新型の強さや爽快さは濃厚だ
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:小林 岳夫・森山 良雄・LEXUS
フルモデルチェンジしたレクサスのSUV『NX』報道向け試乗会が、2021年11月末に長野で開催された。2代目となる新型NXは、レクサス初のPHEV(プラグインハイブリッド)をはじめとするパワートレインラインナップの豊富さが特徴だ。中でも今回は、ベーシックな2.5リッターに注目したい。電動化やダウンサイジングターボ搭載といった派手なニュースはないが、すっきりした乗り味が特徴の一台だった。
世界で105万台を売ったレクサスの主力モデル「NX」がフルモデルチェンジ
2014年に初代が登場したレクサス NX。4世代目となった兄貴分のSUV、レクサス RX(初代や2代目までは日本で『トヨタ ハリアー』として売られた)が、主力の北米市場での需要に合わせ、ラージクラスへとサイズ拡大を続けていたことから、元々のミディアムクラス市場を補完すべく企画されたモデルだ。
扱いやすいサイズや動力性能の高さなどが支持され、デビューからおよそ6年で世界105万台を販売。初代モデルにして、RXと並ぶレクサスの稼ぎ頭へと成長を遂げている。
どれも新開発! 4つのパワートレインを用意する新型NX
初代にしてレクサスの主力モデルとなったNX。新型はそんな重責を担いながらさらに拡販を狙うべく、プラットフォームを含め全てを一新させる渾身のフルモデルチェンジとなった。
中でもパワートレインの充実ぶりが凄い。日本仕様ではエンジンタイプだけで4つのラインナップを設定する。
頂点に位置するのが、レクサス初のPHEV(プラグインハイブリッド)を搭載する「NX450h+」。レクサスが得意とするハイブリッド技術を発展。EV(電気自動車)モードでおよそ90キロ走行可能な大容量リチウムイオンバッテリーを搭載した、最新の電動化モデルである。E-Four(4WD)のみの設定で、価格は714万円~738万円(価格は消費税込、以下同)。
新開発の直列4気筒2.4リッターターボ「NX350」は、従来のV型6気筒3.5リッターエンジンに代わるダウンサイジングターボエンジン、かつ先代の2リッターターボの発展形でもある。
最高出力279ps、最大トルク430Nmとパワフルで、シリーズ随一のスポーティさが売りだ。“Fスポーツ”+AWD(フルタイム四駆)のみの組み合わせで、価格は599万円。
2.5リッターと2.5リッターハイブリッドは4WDに加えFFモデルも設定
さらに定番のハイブリット「NX350h」(520万円~635万円)とベーシックな2.5リッターガソリン車「NX250」(455万円~570万円)は、共にエンジンを高効率な新型に変えている。こちらは4WDに加え、FF(前輪駆動)モデルも選択出来る。
各モデルの仕上がりが気になるところだが、今回はベーシックな2.5リッターガソリンモデル「レクサス NX250」に注目したい。
ベーシックなNX250でも、新型NXの魅力は十分に味わえる
シリーズのベースモデルと聞くと、あまり力が入ってないような印象を持つかもしれないが、新型NX250の場合は別だ。新開発の直列4気筒 2.5リッター「A25A-FKS」型ダイナミックフォースエンジンは、最高出力201ps(148kW)/6600rpm、最大トルク241Nm/4400rpmと、十分な性能を発揮する。
弟分のレクサス UXや、新型NXと共通のGA-Kプラットフォームを用いるトヨタ ハリアーやRAV4などに搭載される2リッター「M20A-FKS」ダイナミックフォースエンジン(174ps/209Nm:レクサス UX200)の拡大版といえる。
ただし新型NX200に組み合わされるのは、Direct Shift-8AT(8速オートマチックトランスミッション)。2リッター版のDirect Shift-CVT (ギヤ機構付自動無段変速機)とは異なる。
Fスポーツがないのが不思議! 爽快な走行感覚を得られるNX250
多段AT化の効果は大きく、アクセルを踏み込んだ時の爽快感は、CVTとは別物。新型NXでは基本骨格をかなり強化したこともあって、乗り味もなかなかスポーティ。特にFFモデルはかなり軽快な乗り味だった。日本仕様のNX200にスポーティ仕様“Fスポーツ”の設定がないのが実に不思議なくらい。ぜひ追加設定を希望したいところだ。
ただし上級仕様“バージョンL”に標準搭載される20インチランフラットタイヤは、大径で見栄えこそ良いが、試乗コースとなった長野の山間部での荒れた路面を走る限り、ちょっと過剰過ぎると感じた。
路面の凹凸を拾いやすいのと、タイヤの側面が強くてかたいランフラットタイヤの特性もあって、上級仕様としては足回りが硬めという印象。スポーティなFスポーツ仕様(こちらも20インチが標準)のほうが路面をしっかり捉えていて、むしろしなやかにすら感じられる。
こちらは都心や高速道路の整備された道で乗るとまた印象が違うかもしれない。
もしディーラー試乗する際には、段差を乗り越えた際などの感覚をチェックしておきたい。これは街乗りでも十分に体感出来る。車体のしっかり感は新型NXのウリだが、そこも感じられるはずだ。家族に後席などに乗ってもらい、普段のクルマとの違いを体感してもらうのも良いだろう。
なおバージョンLでも、標準仕様の18インチタイヤ(非ランフラット)に変更することも可能。乗り心地も改善されるだろう。パンク修理キットとセットで、価格も11万円安くなるのだから、見栄えをそこまで気にしないならオススメだ。
NX250の価格は455万円から! ハリアーと迷っているなら試乗してみることをオススメする
レクサス 新型NXは、国内では2021年11月より納車を開始。導入初期のため販売比率などはまだ明らかになっていないが、初期受注ではPHEVとハイブリッドの人気が高いという。
しかし他のレクサス車や輸入プレミアムブランドなどの事例をみる限り、初期受注が落ち着く頃にはベーシックグレードの販売比率がグンとあがる傾向にある。レクサスの担当者も、国内ではハイブリッドと2.5ガソリンが主流になると見込んでいる。
レクサス 新型NXの良さをしっかり有するベーシック版、NX250の価格は455万円から。ハリアーやRAV4の上級版と変わらない価格で、プレミアムブランドのレクサスを手に入れることが出来る。そう聞くとがぜん気になる方も多いはず。
高級なレクサス店に踏み入れるのはちょっと躊躇してしまうかもしれない。しかしもし同クラスのSUVを検討しているのなら、ぜひ一度NX250にも試乗してみることをオススメしたい。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:森山 良雄・MOTA編集部・LEXUS]
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