レクサス 新型NXの完成度に圧倒! レーシングドライバーが鍛えあげた走りの味は、ハリアーとは別格の仕上がりだった

  • 筆者: 今井 優杏
  • カメラマン:小林 岳夫・LEXUS
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2021年6月に世界初公開されたレクサスの主力SUV、新型「NX」がいよいよ11月より正式に国内発売を開始した。2020年登場の新型ハリアーなどで新採用されたTNGA GA-Kプラットフォームがベースだ。しかしその乗り味は随分と違う、と語るのはモータージャーナリストの今井 優杏さん。2021年11月末に長野県で行われた報道向け試乗会で、4種類のパワートレインを乗り比べた! 新開発の2.4ターボや、レクサス初のPHEVなど、各パワートレインの違いからオススメのタイプに至るまで、じっくりとご紹介しよう。
目次[開く][閉じる]
  1. 既に多くのオーダーを抱える次世代レクサス車の第一弾に初公道試乗
  2. 日本仕様向けのパワートレインは実に4種類! 注目はレクサス車で初設定のPHEV(プラグインハイブリッド)だ
  3. 2.5、2.4ターボ、HEV、PHEV… 全部乗って確かめた!
  4. レーシングドライバーの手によりサーキットで鍛え上げられたTNGA-Kプラットフォームは、強化型の骨格に進化していた

既に多くのオーダーを抱える次世代レクサス車の第一弾に初公道試乗

レクサス 新型NX。これまでもすでに一部メディアや動画で公開されてはいたが、それらはあくまでもプロトタイプモデルだったのだという。この日我々に公開されたモノこそが、正真正銘、新型NXの市販版であった。なので、今から読んでいただく当記事は間違いなく皆様のお手元に届くクルマのことを書いたもの、ということになる。是非参考にしていただきたい。

…といってもプロトタイプだろうが市販版だろうが、情報解禁をされる前からオーダーがばかすか入っている、というのも新型NXの強烈な求心力のなせるワザである。

なにせこのNXは『次世代レクサスの第一弾』とブランド自らが鼓舞、声高らかに商品力を訴求するモデルなのだ。デザインやコンセプト、そして走りを含めて、ほんとうに次世代を期待させる仕上がりになっているのか。なぜそんなに顧客期待度が高いのか。紐解いていこうと思う。

初代のイメージを継承しつつも雑味を取り除いたすっきり系外観デザイン

まずデザインからみてみよう。

次世代レクサス、の声を聞いてから新型を目の当たりにすると、意外なほどにNXらしさをきっちりと踏襲し、キープコンセプトにも思えるデザインになっていて驚いた。しかし、横に新旧並べると圧倒的にオシャレで、シェイプが効いていて新しく、そしてキュッと凝縮されたように見える。先代のイメージを崩さず、スッキリと雑味だけを取り除いて洗練させることは、レクサスの得意技かもしれない。特に今回はXの文字のように、くびれとふくらみを随所に注ぎ込み、デザインのみならず空力にも配慮したというのだから面白い。

外観よりもむしろインテリアの進化幅が著しかった

リアルユーザーとしてはインテリアの進化こそ歓迎すべきものではないか。インターフェイスが大幅に刷新されたのだ。

シフトノブあたりのスイッチがなるべく排除され、見た目にシンプルで美しいコンソールになった立役者として、大型メインディスプレイがタッチスクリーンになり、操作がすべて集約されたことが大きい。走行モードを変えるダイヤル式スイッチもこのメインディスプレイの下に。また、非接触充電エリアも用意され、ドリンクホルダー含めて整然と配置されたことで、ミニマルな美しさを手に入れた。

ドライビングポジションも整えられ、ドライバーとステアリング&ペダル類が真っ直ぐに配置されるように作られたコックピットは「Tazuna(手綱) Position」と名付けられ、こちらも新世代レクサスのドライビングコンセプトのひとつとなっている。

日本仕様向けのパワートレインは実に4種類! 注目はレクサス車で初設定のPHEV(プラグインハイブリッド)だ

しかし、やはり驚いたのは、今の時代、通常であればなるべくバリエーションを絞り、販売のばらつきをなくそうとしがちなパワートレインが、4種類も用意されたことだ。新開発の2.4リッター ターボ、2.5リッター NA、そしてハイブリッドと、レクサス初となるPHEV(プラグインハイブリッド)。ご、豪華過ぎる。

その理由を聞くと、チーフエンジニアの加藤 武明氏は「一言で言うなら、お客様の多用なライフスタイルに合わせたニーズに応えるためです」と語る。しかしさらにその奥には、それこそ圧倒的に“売れる”パッケージのNXだからこそ叶った理由があった。

レクサス 新型NXは、月販15,000台以上を見込むクルマだ。各国の規定や要望に合わせてパワートレインを増やしても、どれも凹むことなく必ず売れると確信してのことなのだそう。ちなみにさらに言えば台湾用には2.0リッター版も用意されている。

売れるから作る、作ったら選ばれる。ただモデルを絞るだけではない、顧客とのいいスパイラルが出来上がっているように見えて、感心してしまった。

RAV4 PHV発売時に発生したリチウムイオンバッテリー不足の課題は既に解消済み

そして、今回のキモはやはり、レクサス初のプラグインハイブリッドモデルが追加されたこと。むろん『次世代レクサス』のロードマップにはプレミアムメーカーらしく電動化が含まれているが、その進化を強く印象付けるものとしてイメージリーダー的な役割をも果たす。

しかし、プラグインハイブリッドといえば、2020年6月発売のRAV4 PHVが販売直後に即売り切れとなり、永らくのあいだ受注停止をしていたのも記憶に新しい。正直、受注停止になるのが納得できるほどにRAV4のプラグインハイブリッドは凄く良かったから仕方がないけれど、仕方がないで納得しないのがトヨタ自動車なのも知っている。

なのでこの生産面での不安をぶつけてみたら、同じ轍を踏むことのないよう、完全に部品(特にバッテリー)をしっかり確保して、発表に臨んだというから安心だ。

こちらもちなみに言えば、当初販売予定のなかった北米からも、すでに世界的な電動化の流行から、導入の声が高まっているそうな。特に環境意識の高い西海岸エリアからの要望が多いのだという。そのうえで、もし北米に出すことが決まっても、原材料の問題はないというからさすが改善のトヨタ。ぬかりない。

2.5、2.4ターボ、HEV、PHEV… 全部乗って確かめた!

というわけで、国内仕様のレクサス 新型NXに用意される4種類のパワートレイン全てに乗ってみたが、どれだけ種類を増やしても、単に増やしたというわけではなく、それぞれすべてに個性が用意され、さらに高い異次元でのダイナミクスが実現されていることに舌を巻いた。

モータージャーナリスト 今井 優杏が1位に推すのは「NX 450h+」(PHEV)!

無粋と知りつつ順位を付けさせていただくと、ダントツ1位はプラグインハイブリッドのNX450h+(E-Four:4WDのみの設定)。試乗したのは“F SPORT(以下「Fスポーツ」と表記)”だ。

制振性に秀で、可変ダンパーを備えているとは言いつつ、実はコンベンショナルなサスペンションであるのに、まるでエアサスのようなフラットさをボディと四輪駆動制御で作り上げている。

ほぼEVと言っても過言ではないパワフルなモーター由来の鮮烈な加速にはシステムの重量を微塵も感じさせないし、とにかく上質なのだ。車重をしっかり質感に生かしてあるあたり、完全にラグジュアリーだと感じ入った。正直これが欧州勢なら大げさじゃなく1200万円クラスの走行フィールだと思う。

そう、高すぎない絶妙な価格設定もナイス(新型NX 450h+“Fスポーツ”は738万円・消費税込)。この走行感をこの価格で買えるなら、正直お買い得だと思う。

走るのが大好きなアナタには2.4ターボ「NX350 “F SPORT”」がイチオシだ

次いで推したいのが、2.4リッターターボ搭載のNX350 “Fスポーツ”(AWDのみの設定)だ。

サーキットや峠が好きな人なら、おそらくこれがナンバーワンになると思う。ひとこと、最高にバランスがいい。ハンドリングの素直さ、レーントレース性、車体の落ち着き、そして加速のトルク。今回は全体的にF SPORTと新型NXの相性の良さを感じたが、この350との相思相愛っぷりはバツグンであった。走り出しすぐから恋に落ちる感じ。適度な手応え、鼻先の反応も素晴らしい。

NX250、350hもそれぞれの美点があるが、グレードは“Version L(バージョンL)”よりも“Fスポーツ”を推奨

3番手が2.5リッターのNX250。こちらは“Version L(バージョンL)”のAWDで乗らせていただいた。NX250は、接地感よりも鼻先の軽さをシンプルに感じられて、試乗シーンであった北八ヶ岳のワインディングを超えるのがほんとうに楽しかった。しかし、路面的にバージョンLのサスペンションはもうすこし柔らかさを感じるような優しさがあってもよかったか。F SPORTは硬く締めて、バージョンLはリッチ、と役割分担がもう少し明確だったらなお良かったと感じたので、こちらは今後のバージョンLの進化に期待したい。

最後がハイブリッドのNX350hになってしまったが、決して悪いというわけではない(試乗車はバージョンL・E-Four)。正直相手(他のパワトレ)が強敵すぎただけだ。市街地で乗ればレクサスならではのエコノミー性や落ち着きが新しいプラットフォームに乗って、絶対的な進化を明確に感じるはずだ。しかし、八ヶ岳のワインディングでは車重に対してのパワー不足など、ほかのモデルがキラッと光るだけに弱いところが目立ってしまって、若干気の毒ではあった。ちなみにこちらも買うなら是非Fスポーツをオススメしたい。

レーシングドライバーの手によりサーキットで鍛え上げられたTNGA-Kプラットフォームは、強化型の骨格に進化していた

さて、この劇的な走りの素晴らしさを支えるメカニカルな内緒話を最後に一つだけ。

ご存知のとおりNXはレクサスのミドルサイズSUVだ。初代登場は2014年で、以来実に95カ国で販売され、累計100万台を売り上げる人気モデルとなっている。新型は2代目にあたり、初代を超える期待が寄せられていたことは、容易に考えられるだろう。その期待に応えるべく、新型NXはいくつかの大きな武器を手に入れている。その一つがTNGAプラットフォームだ。

TNGAはトヨタの新世代プラットフォーム戦略であることは周知の事実だと思う。すでに先に発売された大型SUVのランドクルーザーや、またヤリスやアクアなど小型モデルにまで展開され、それぞれのあまりにも大幅な動的性能の進化に『TNGA採用車はテッパン』と販売店スタッフに言わしめるほどに実力のある車体となっている。

「ハリアーやRAV4と同じプラットフォーム」は大筋では正解だが、実際には別物の仕上がりだった

新型NXにはこのTNGAプラットフォームの中でも『GA-K』と呼ばれる中型プラットフォームが採用されている。ほかにはセダンでトヨタ カムリやレクサスES、そしてSUVではRAV4やハリアー、そしてこのあとに発売を控えている次期RX、次期アルファードなどにも展開される予定のものだ。

というわけですでに新型ハリアーやRAV4に試乗した人なら、あの走りの凄さをご存知かと思う。しかし、試乗会場に置いてあった車体のカットモデルには、さらに恐ろしいほどの補強がさらに加えられていた。その理由が「サーキットスピードでテストしたから」というから凄まじい。

新型NXの開発には、現役レーシングドライバーで、豊田 章男氏が自らドライバーを務めるレーシングチーム「ルーキーレーシング」のレギュラードライバー、佐々木 雅弘選手が深く関わっている。彼のテストにより、新しく出来上がったばかりのトヨタの下山テストコース(愛知ニュルの異名を持つハードなコース)にて、大げさではなくまさにサーキットスピードでの走行テストが重ねられてきたというのだ。

さらに、そもそもGA-Kプラットフォームの中でも細やかに種類が分けられていて、NXのそれはRAV4/ハリアーとは仕様の違う、より重量のあるプラットフォームだというのだ(RAV4 PHVもこちらを使用)。さらにそれぞれリアフロアの仕様を分け、NX450h+に関してはセンターフロアの遠い仕様を使うなどしているらしい。

レクサス 新型NXが気になるのなら…まずは一度体感して欲しい!

『次世代レクサス第一弾』の文言に偽りなし。

プラットフォームひとつとってもこれだけのこだわりようなのだから、エンジン、モーター、それ以外も枚挙にいとまがない。だからもう、これしか言えない。

『是非試乗してこの進化を体感して欲しい。』

[筆者:今井優杏/撮影:小林 岳夫・森山 良雄・LEXUS]

レクサス/NX
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新車価格:
455万円738万円
中古価格:
231.9万円690万円

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集主幹)

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