売れ行き好調な「カローラクロス」が狙いを定めたのは、ミニバン代替後の“ポストミニバン”層だった

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1966年のデビューから常にトヨタを代表する存在であり続ける大衆車ブランド「カローラ」。その最新モデルが2021年9月14日に誕生したコンパクトSUV「カローラクロス」だ。200万円台の求めやすい価格帯に位置しボディサイズも手ごろと、大ヒットの素養も十分。デビュー直後の2021年10月には早くもカローラクロス単体で3000台以上を販売した。今後生産体制もさらに強化されるとのことで、ますます売れ行きを伸ばしそうだ。

そんなカローラクロスは「ポストミニバン」の役割も担っているという。開発者に訊いたカローラクロスの狙いについて紹介しよう。

目次[開く][閉じる]
  1. いちどミニバンの実用性を経験したユーザーにとって、従来のカローラでは代替の対象になりづらい!?
  2. 新型カローラクロスは“ポストミニバン”派にも響いていた
  3. ミニバンで育ってきた若いユーザーにとってもSUVの実用性の高さは“当たり前にあるべき性能”だった

いちどミニバンの実用性を経験したユーザーにとって、従来のカローラでは代替の対象になりづらい!?

2000年初頭から2010年代にかけ、多人数乗車可能なミニバンがファミリーカーとして爆発的に売れ行きを伸ばした。車高が高く広い室内を持ち、実用性第一のミニバンを一度でも経験してしまったユーザーは、いずれ子離れした際にどのようなクルマを求めるのだろうか。

ミニバンの広さや使い勝手の良さ、そして運転席からの視界の良さを知ったユーザーだから、例え子どもたちが巣立ち夫婦2人の使用がメインになったとしても、背の低い旧来のセダンやコンパクトカーに戻るとは、ちょっと想像しづらい。

そのため各自動車メーカーは今、いわば“ポストミニバン”としての新型車開発を模索しているという。

大衆車ブランドのカローラも同様だった。従来のスタイルを継承するカローラ(セダン)やカローラツーリング(ステーションワゴン)だけでは、なかなか“ポストミニバン”ユーザーに対しアピールしづらい面があったようだ。

新型カローラクロスは“ポストミニバン”派にも響いていた

そんな中デビューした新型カローラクロスだが、初期の受注においてミニバンからの代替ユーザーが少なくないのだという。

カローラの開発担当者にうかがったところ、発売直近のため正確なデータはまだ揃っていないというが、他のカローラに比べその割合が高い傾向にあると話す。

通常のカローラシリーズに比べ室内や荷室空間にも余裕があるカローラクロス。開発時にはやはりそうした代替ユーザーも含め、従来のカローラとは違うユーザー層の開拓を強く意識していたというから、所期の狙いはひとまず当たっているようだ。

ミニバンで育ってきた若いユーザーにとってもSUVの実用性の高さは“当たり前にあるべき性能”だった

また興味深いのは、代替ユーザーだけでなく、幼いころからミニバンを乗用車のポピュラーなスタイルとして見てきた若いユーザーたちもまた、カローラクロスなどのコンパクトSUVに強く反応しているという点。

彼ら彼女らにとっても、クルマは遊び道具などをごっそり積み込める事が当たり前。SUVの実用性の高さは、クルマ購入に際し必要不可欠な条件を満たしているという訳だ。

これからの新型車は、ミニバン代替ユーザーに振り向いてもらえるかどうかが重要な指標となる

トヨタに限らず、コンパクトSUVのニューモデルが各社から登場している。特に、2021年相次いで登場した新型車「ホンダ ヴェゼル」「カローラクロス」は共に立ち上がりから売れ行き好調なようである。

今後登場する新型車も、この“ポストミニバン”が商品開発のキーになってくるのは間違いない。これからデビューするニューモデルがヒットするかどうか、その視点で占ってみるのも面白いかもしれない。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:茂呂 幸正・TOYOTA]

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筆者トクダ トオル(MOTA)

昭和44年生まれ。週末は愛車に乗って(時に鉄道に乗って)家族とともにドライブやキャンプを楽しむ1児のパパ。自動車メディアに携わるようになってから15年余りが経過。乗り換えに悩むユーザーの目線に立った平易なコンテンツ作りを常に意識し続けている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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