スバル 新型レヴォーグ登場から1周年! 小規模な販売拠点数ながら、安定した売れ行きを誇るレヴォーグの魅力とは

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SUBARU(スバル)の主力スポーツワゴン、2代目「レヴォーグ」がフルモデルチェンジしてからちょうど1年が経過した。デビュー早々、日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021を受賞するなど、内外から高い評価を獲得。以来、爆発的ヒットとはいえないまでも、安定した売れ行きを誇る新型レヴォーグ、その人気の秘密はいったいどこにあるのだろう。モータージャーナリストの鈴木 ケンイチ氏が徹底検証する。

目次[開く][閉じる]
  1. 2020年10月の登場以来月販目標2000台ペースを維持する新型レヴォーグ
  2. 最盛期のレガシィはもっと売れていたが…現在は「レヴォーグ」「インプレッサ」「フォレスター」の3本柱が完成し、より強固な販売体制に
  3. 新型レヴォーグの人気の秘密は「スバル随一の最先端技術」を投入した「唯一無二の存在」であること

2020年10月の登場以来月販目標2000台ペースを維持する新型レヴォーグ

スバルの新型「レヴォーグ」が発売されたのは、2020年10月15日。ちょうど1年前となる。初代のレヴォーグが誕生したのは2014年のこと。北米向けのために大きくなりすぎた「レガシィ」に代わって日本市場に投入されたブランニューモデルであった。

レガシィと同じく、パワフルなターボ・エンジンを搭載する高性能な4WDステーションワゴンであり、主に日本市場をターゲットに開発されている。そして、昨年2020年に発売となったのは、その第2世代となる。

では、その第2世代の新型レヴォーグの売れ行きはどうであったのかを振り返ってみよう。

1年間でおよそ2万9000台、月平均2400台以上を販売

まず、新車販売ランキング(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会発表・乗用車ブランド通称名別順位)を見ると、発売翌月となる2020年11月にレヴォーグは、23位・2279台でランキングに初登場する。

翌12月には17位に順位をアップ。ここでインプレッサを抜いて、スバル車としてはランキング最上位となった。その後も月間3~4000台を販売して、スバル車トップを3月までキープ。しかし、その後は、月間1000台規模にペースダウン。スバルトップの座は、インプレッサに明け渡した。

しかし、それでも販売数をそれ以下に落とすことなく、堅調に販売を持続。2020年10月から2021年9月までで約2万9000台を販売している。もともとのレヴォーグの月間販売目標2000台を軽々とクリアする成績を収めた。

販売拠点およそ450店舗の少数精鋭ながら安定した売れ行きを維持するスバルの優秀さ

この年間約2万9000台という数字を、2020年1~12月の販売ランキングのあてはめると、25位前後に該当する。同じくらいの成績なのは、マツダ2(旧・デミオ)やスズキ スイフト、マツダ CX-30 といったところだ。

ちなみに、スバルの国内販売店舗は、わずか約450しかない。マツダとスズキは約1000、ホンダで約2200、トヨタになると約6000もの店舗を擁する。ライバルよりも、圧倒的に少ない店舗数でスバルは戦っているのだ。それを考えれば、レヴォーグの成績は立派なものと言えるだろう。

最盛期のレガシィはもっと売れていたが…現在は「レヴォーグ」「インプレッサ」「フォレスター」の3本柱が完成し、より強固な販売体制に

では、レヴォーグのルーツとなったレガシィと比べるとどうなのか?

実のところ、2000年代前半にレガシィは、コンスタントに年間5~6万台が売れていた。それと比べると、レヴォーグは初代から年間の販売台数は2~3万台といったところ。しかし、2000年代のスバルは、国内販売の半数が軽自動車であり、登録車で売れていたのは、ほぼレガシィだけ。レガシィという1つのモデルしか売れていなかったのだ。

それに対して、現在のスバルは軽自動車から撤退(現在はOEM販売のみ)したことで登録車の割合が各段に大きくなっている。さらにインプレッサとフォレスターの売り上げが増加。レヴォーグとあわせて、インプレッサ、フォレスターの3本の柱で登録車販売を支える。レガシィという、たった1モデルだけの商売であった過去よりも、今の方が時流の変化に強い体質と言えるだろう。

新型レヴォーグの人気の秘密は「スバル随一の最先端技術」を投入した「唯一無二の存在」であること

続いて、新型レヴォーグの人気の秘密はどこにあるのかを考察してみたい。

まず言えるのは、新型レヴォーグに対するスバルの力の入れようの大きさだ。

スバルの開発者は、新型レヴォーグのことを「スバルの技術的フラッグシップ」と説明する。なるほど、新型レヴォーグには、スバル初の技術や新開発されたアイテムが数多く採用されていたのだ。

なかでも話題となったのが、“ハンズオフ”を可能とする最先端の先進運転支援システム「アイサイトX」だ。

これは高速道路などの一定の条件下であれば、運転手がハンドルから手を離す=“ハンズオフ”を許すという、最先端の機能を備える。もちろんスバル初であるし、世界的にも採用されるのは数少ない。

そして、1.8リッター直噴ターボの水平対向エンジンは新開発されたもの。ボディも“フルインナーフレーム方式”というスバル初の技術を採用している。デザインもスバルの初の「BOLDER」コンセプトを採用。

つまり、見た目もボディもエンジンもアイサイトも、すべてスバル最新のモノが採用されている。スバルが、今持っている、最高の技術を結集したのが新型レヴォーグというわけだ。これだけ力の入ったものであれば、もともとのスバルのファン、いわゆる“スバリスト”も満足しただろう。

先行予約のうち、35万円も高い「アイサイトX」搭載グレードが9割超えていたという。価格ではなく、レヴォーグの持つ性能を指名買いする人が多いということだ。

レヴォーグは唯一無二の存在! 国内で直接競合するライバル車はほぼなし

また、レヴォーグの人気は、ライバルが不在という点も大きい。

今、国産車のステーションワゴンは、非常に少なくなっている。具体的に名前を挙げると、トヨタのカローラと、マツダ6くらいしかないのだ。パワフルなターボ・エンジンで4WDとなれば、マツダ6のワゴンだけとなる。それ以外となると輸入車しかないのだ。

クルマの出来の良さとライバルの不在。これが新型レヴォーグの好調さの秘密だろう。

[筆者:鈴木 ケンイチ/撮影:小林 岳夫・茂呂 幸正・SUBARU]

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鈴木 ケンイチ
筆者鈴木 ケンイチ

1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。最近は新技術や環境関係に注目。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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