フェラーリ488GTBを徹底検証!~フィオラノで1分23秒の驚異的タイムを叩き出す実力~(1/3)
- 筆者: 川端 由美
- カメラマン:フェラーリ・ジャパン
突如発表予告された「謎の新型車」それが488GTB
今年の3月、ジュネーブ・サロン2015の会場で真っ赤なボディカラーに塗られたこのクルマを見たとき、ようやく謎が解けた思いだった。
今年1月、フェラーリの公式フェイスブックに突如、「謎の新型車」の発表が予告されて以来、同業者の間でも噂の的だったからだ。
フェラーリは“バズ”を起こすのがウマい。正直なところ、ジャーナリストなんて職業は、普段から驚かされることに慣れている。
だから、ちょっとやそっとの仕掛けでは騒いだりしないのだけれど、フェラーリの今回の発表はあまりにも突然だったし、「謎の新型車」なんて言い方にしてもあまりにも古典的過ぎて、かえってイマジネーションを豊かにさせられてしまった。
結局のところ、我々の想像は大きくハズレた。
時期的に「458イタリア/スペチアーレ」のフェイスリフトだろうとの予測が主流だったが、ジュネーブでアンベールした「488GTB(GTBはGranTurismo Berlinetta(グランツーリスモ・ベルリネッタ)の略)」は単なる改良版と片付けてしまえるものではなかった。
670馬力を発揮する3.9リッターツインスクロール・ターボ搭載
最大の特徴は、ミッドに搭載されるV8ユニットを従来の4.5リッター自然吸気からツインスクロール・ターボを備える3.9リッターユニットへと刷新したことだ。
その結果、最高出力が+70psの670ps/8000rpmへと高められたことは今の時代騒ぐほどのことではないかもしれないが、トルクが従来の540Nmから760Nm/3000rpmへと大幅に向上に向上したことは特筆すべきだ。
ツインスクロールとは、各シリンダーから独立した排気ガスの流路を2つに振り分けることにより、排気パルスの効率を高めて、出力を最大限に引き出す仕組みだ。
さらに、このターボチャージャーをボールベアリング付きのシャフトにマウントし、フリクションロスを下げ、軽量・高耐熱のチタン・アルミ合金製のコンプレッサー・ホイールを採用して慣性マスを低めてスプールアップ速度を高めるなど、細部まで作りこまれている。
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