トヨタ アルファードの実燃費は15.7km/Lから9.4km/L! ただしハイブリッドと直4 2.5Lの価格差85万円は燃費差では埋められない
- 筆者: MOTA編集部
トヨタの高級ミニバン「アルファード」の人気ぶりが加速している。2020年度(2020年4月~2021年3月)の年間販売ランキングで、堂々4位にランクイン。10万6579台を販売した。400~500万円級の高級車が、カローラやフィット並みに売れているのだから凄い。
そんなアルファードにはハイブリッドのほか、ベーシックな直4 2.5リッターと、V6 3.5リッターのエンジンラインナップがある。ハイブリッドの低燃費は想像がつくが、他のタイプではどうなのだろう。実際に走行し燃費を計測したデータを比較して検証してみよう。
東京近郊を170km走行し市街地・郊外・高速の3モードで実燃費を計測
MOTA(モータ)ではこれまで、数回に渡り「トヨタ アルファード」と兄弟車「ヴェルファイア」を用いて、実際に公道を走行し実燃費を計測してきた。
MOTAの実燃費レポートは、都内から千葉県郊外を周回する高速道路約80km、郊外路約30km、市街地約60kmの合計約170kmを実際に走行して計測。法定速度を基本に、周囲の流れを乱さない走行で実施するのは言うまでもない。
クルマのエアコンは基本的にオート・25度で設定。アイドリングストップ機能が作動しない等の特別な事情を除いては、燃費に有利なECOモード等は用いずノーマルモードで走行する。
こうした条件のもと、車載燃費計の表示と距離計(トリップメーター)を基に燃費数値を算出している。
今回は、アルファードのハイブリッドに加え、ベーシックな直4 2.5リッター、V6 3.5リッターの実燃費について検証してみよう。
アルファードの実燃費はハイブリッド15.7km/L、2.5Lが10.5km/L、V6 3.5Lが9.4km/Lという結果に
トヨタ アルファード ハイブリッド、アルファード 2.5リッター、ヴェルファイア V6 3.5リッター(※ヴェルファイアのV6 3.5リッターモデルは2021年4月28日の一部改良で廃止)の各実燃費計測データは以下の表の通りとなった。
結果、アルファード ハイブリッドの実燃費は15.7km/Lを記録しダントツの1位。対する直4モデルの実燃費は10.5km/L。V6 3.5Lモデルの実燃費は9.4km/Lという結果である。
それぞれ計測した日時も違い、交通状況や気象条件なども異なる中での計測だったが、このように大きく差が付いた。
以下、「市街地」「郊外路」「高速道路」の各実燃費についてもエンジンタイプごとに紹介していこう。
アルファード ハイブリッドの実燃費は15.7km/Lを記録!
アルファード ハイブリッドは、最上級グレード「エグゼグティブラウンジ」(2017年マイナーチェンジモデル)を用いて実施した。
モーターやバッテリーを搭載し最上級グレードということもあり、車体は非常に重たい(2240kg)。ハイブリッドとはいえ、どこまで数値が伸びるか危惧されたが、総合燃費記録は15.7km/Lを記録した。
各モードでの実燃費は、市街地13.3km/L、郊外19.1km/L、高速16.9km/Lとなっている。
市街地よりも郊外路での伸びが意外な印象だが、ハイブリッドのモーターアシストが郊外路での定速走行に効いたようだ。
▼関連記事▼
■トヨタ アルファード ハイブリッド 燃費レポート|真夏の炎天下でアルヴェルの燃費はどれほど低下する?[2019/08/26]
トヨタ アルファードの最量販エンジン「2.5L」の実燃費は10.5km/L
アルファード 2.5リッターモデルは、2015年フルモデルチェンジ時に「2.5G」グレード(同グレードは2021年4月28日一部改良時に廃止)を用いて実施した。
総合燃費記録は10.5km/L。各モードでの実燃費は、市街地7.8km/L、郊外10.9km/L、高速14.3km/Lとなった。
注意したいのは、当時2.5L FFモデルにはアイドリングストップ機構付きモデルがオプションで設定されていた点。その設定は2021年4月28日一部改良時に廃止され、現在は選択することが出来ない。特に発進・停止を繰り返す市街地での実燃費には影響が出そうだ。
この点、2.5Lの最新モデルをテストする機会があれば改めてレポートしたい。
▼関連記事▼
■激売れの最上級ミニバン「トヨタ 新型アルファード」の“本当の燃費”を測ってみた(2.5Lモデル)[2015/10/15]
意外!? V6 3.5Lモデルの実燃費は9.4km/Lとまずまずの健闘ぶり
V型6気筒 3.5リッターモデルは、アルファードの兄弟車であるヴェルファイアで計測した。2017年マイナーチェンジ時に「3.5ZG」グレード(同グレードは2021年4月28日一部改良時に廃止)を用いて実施している。
総合燃費記録は9.4km/L。各モードでの実燃費は、市街地7.8km/L、郊外8.8km/L、高速12.6km/Lとなった。
直4 2.5リッターモデルとの差がどうなるかが注目ポイントだったが、意外と!? 僅差の結果となった。
▼関連記事▼
■トヨタ ヴェルファイア燃費レポート|3.5Lガソリンの実燃費を徹底比較!(2017年マイナーチェンジモデル)[2018/03/19]
ハイブリッドと2.5Lの年間1万キロでの燃料差は6万5000円だが、価格差は85万円にも及ぶ!
ここで実燃費データを用いて、年間1万キロ走行した場合の燃料代の差について考えてみよう。
経済産業省 資源エネルギー庁が2021年6月9日(水)に発表した石油製品小売市況調査によると、6月7日(月)時点でのレギュラーガソリンは152.9円。今回は端数を揃え、153円で計算してみる。
年間1万キロ走行した場合、アルファード ハイブリッドはおよそ637リッターのガソリンを消費。およそ9万7452円のガソリン代となる。
これに対し2.5リッターは952リッターを消費し、およそ14万5714円のガソリン代が必要となる。ハイブリッドとは1万キロで4万8000円以上の差が発生する。
V6 3.5リッターは1063リッター、およそ16万2697円。ハイブリッドとは6万5000円余りの差額が生じる結果となった。
いくら燃費差による燃料代の違いがあっても、それを上回る価格差という壁があった!
そこで、同じグレード同士で価格差を調べてみよう。2021年4月28日の一部改良で登場した特別仕様車「S“TYPE GOLD II”」には2.5リッター版とハイブリッド版が存在するので、こちらで比較してみる。
2.5リッター(FF)の価格は424万円(消費税込み、以下同)。ハイブリッド(4WD)の価格は508万8400円で、差額は実に84万8400円にも及ぶ。1万キロ当たりのガソリン代の差額4万8000円を回収するのは無理な話だ。ましてや年間走行距離が1万キロにも及ばないなら、もっと差は縮まる。
もちろんハイブリッド特有の静かさや加速感は、価格差を超えた大きな魅力となりうる。購入の際には必ず試乗して比べてみることをおすすめしたい。
[まとめ:MOTA(モータ)編集部]
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。