トヨタ プリウス 実燃費レビュー【vol.3 200-300km】(2/2)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:オートックワン編集部
よく吟味されたメーターパネルと、疑問の残るセンターコンソール
これは、オーリスに初めて乗った時と感想は変わらない。インテリアの造形をどこか少し変えようとした気持ちは理解できるが、使い易さや有効な空間の確保などに結び付いているかと言うと、大いに疑問だ。
オーソドックスな“壁面”タイプのダッシュボードと、床に密着したセンターコンソールでは目先を変えることが難しかったのかもしれないが、この「フライングバットレス調センターコンソール」は運転席回りを狭くしているし、ドライバーの左ドアから出入りをほぼ不可能にしている。
どうせやるなら、ボルボ各車の「センタースタッキングコンソール」のように、もっとスリムなものにすれば、有効な空間を無駄にしなくて済んだだろう。
しかし、一番奥にあるメーターパネルは、よくできている。
何がハイブリッドカーに必要な情報表示なのか、よく吟味され、レイアウトとデザインが行われている。ガソリンをあまり喰わないのだから必要最小限のコマ表示で構わないわけだし、エンジンだけが単独で回転を上げ下げする状況がほとんどないわけだから回転計だって必要ない。
そうした、オーソドックスなガソリン車からの見直しを丁寧に行い、必要要素に優先順位を付け、見やすくデザインされている。
日本車にしては、珍しくクールで、モダンで、好感が持てる。旧型プリウスよりも進化しているし、10年、2世代作り続けられて来た実績がものを言っている。
駐車場でテールゲートを開けてみるが、荷物スペースだって心配していたほどに狭くなってはいなかった。インサイトに比べ、プリウスは大きなバッテリーと制御ユニットを使っているので、その分のスペースが喰われてしまっているのではないかと危惧していたが、杞憂だった。
カタログデータ同士の比較では、奥行き3センチ、幅5~10センチ、インサイトよりも広いが、実際にはもっと広く感じる。
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