[試乗] 外観も安全装備も大きく進化!三菱 新型「ミラージュ」はライバルに勝つことが出来るのか(4/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
ミラージュには、選択の「決め手」が欲しいところ
今後のミラージュの課題は、選択の決め手を用意することだろう。
フィットであれば使い勝手の良い広い荷室、ノートなら快適な後席と歩行者も検知できる緊急自動ブレーキなどがある。これらの車種と勝負するなら、少なくともeKワゴン/eKカスタムのマルチアラウンドモニターやオートマチックハイビームはミラージュにも割安に装着すべきだ。
そしてこのような改善は、今の三菱にとって急務になっている。三菱の2015年における国内販売は、登録車(小型/普通車)が4万539台、軽自動車が6万1471台、合計すれば10万2010台だった。1ヶ月平均では登録車が3,378台、軽自動車が5,123台だ。
今の三菱の店舗数は約700拠点だから、1店舗当たりの1ヶ月平均は登録車が約5台、軽自動車が約7台。想定される粗利に基づく具体的な計算は避けるが、自動車を売って得た利益だけで販売会社が生計を立てるのは厳しいかもしれない。
今は他メーカーの販売会社も状況は苦しいが、三菱も同様だ。
ちなみに2015年における三菱の世界生産台数は121万8853台。この数字を単純に受け取れば、国内の販売比率は三菱車全体の僅か8%にとどまる。海外では稼げているのだが、日本の販売会社が苦戦してしまう図式だ。
三菱が得意とする「SUV」など魅力ある商品作りを
三菱だけでなく、これは他のすべての日本車メーカーに当てはまる話なのだが、日本車を育てたのは日本のユーザーでありその購買力だ。そしてメーカーにとってユーザーに直結しているのが日本の販売会社なのだから、軽んじてはならないだろう。
まず必要なのは、何よりも商品力の強化。2016年に予定されていたコンパクトSUVの発売が残念ながら先送りになった状況を踏まえると、現在のラインナップを有効活用するのが効果的。
三菱といえばまぎれもなく「SUV」のイメージが強く、今はこのジャンルの人気も高いので、例えば売れ筋の「eKワゴン」「eKスペース」「ミラージュ」「デリカD:2」にSUV仕様があっても良いだろう。
ホイールアーチの樹脂パーツを軽自動車規格の範囲内で効果的に装着するなど売れ筋のセオリーを押さえれば、今なら販売台数を増やせる。またアウトランダーにデリカD:5のクリーンディーゼルターボの搭載、アウトランダーローデストの復活など、日本のユーザーに魅力ある商品をさらに提供して欲しいと願う。
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