三菱コルト 試乗レポート(2/2)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:オートックワン編集部
地味マジメに10年10万km保証スタート!
今回乗ったのは売れ線の1.3リッター『COOL Very』グレード。だが、ぶっちゃけ乗った感じは今までと変わらない。スペック的にも発電制御は変わったが92psの最高出力や12.6kgmの最大トルクは変わらず、唯一10・15モード燃費がリッター21kmから21.5kmに向上しただけ。その差が体感できるわけがない。
それより感動したのは、こんなにシートがふかふかで乗り心地が良かったっけ?というもの。というのもコルトが出たのは2002年でそれ以来ほぼ試乗してなかったし、8年間もの長きに渡って作られ続けているのだから、ほかの最新モデルとテイストが違っていて当たり前なのだ。
今やかなり足回りが固められ、国際化が進んできた国産コンパクトカーの中で見るとコルトはしなやかで快適。パワステのフィーリングが若干、わざとらしくクイックな味付けなのが気にならなくもないが、他の国産車がドイツ車だとしたら、コルトはフランス車と言ってもいいほど違う。シートも柔らか目で好感が持てる。
それよりコルトシリーズとデリカD:5シリーズで忘れてはならないのが、このタイミングで三菱が10年10万キロ保証を始めたことだ。今秋までには全車種に適用させる予定であり、これは当然特殊な使用環境下での故障や消耗品は保証の対象ではないが、大きな改革だ。
今までの国産車はトヨタや日産らをみても、ほとんどが5年10万kmであり、今回三菱のみが保証期間を延長するのだ。これはいわゆる日本人の自動車使用環境の変化、つまり“昔より一台長く乗る”ことを配慮した結果であり、クルマの信頼性が伸び、十分耐えられると算定したせいでもあるが、なによりもメーカー間の競争が激化し、他にハイブリッドやら低燃費技術を持ってない三菱自動車が出した苦肉の策である。
とにかく地味だがマジメかつ大胆な戦略である。この英断に拍手を送りたいと思う。
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