メルセデス・ベンツ 新型Sクラス 海外試乗レポート/西村直人(1/2)
- 筆者:
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本/DAIMLER AG ライター:西村直人
8年ぶりにフルモデルチェンジが行われ、安全技術や乗り味が向上
今年5月、メルセデス・ベンツの最上級モデル「Sクラス」が8年ぶりにドイツ本国でフルモデルチェンジを行った。Sクラスを名乗った最初のモデルである116モデルシリーズ(1972年)から6代目となる新型は、安全/快適/走り/環境、いずれの性能においても最善を追求した名実ともにフラッグシップである。
今回、新型SクラスのS500(ドイツ本国仕様/ロングボディ)にカナダ・トロントで500kmほど試乗したのだが、日本でもおなじみとなった「衝突被害軽減ブレーキ」に代表される先進運転支援システムADAS(アドバンスド・ドライバー・アシスタンス・システム)が、これまで以上にドライバーをサポートする装備に生まれ変わっていたことに感銘を受けた。
先ごろ、日本でも販売がスタートした新型Eクラスにも、ステレオマルチパーパスカメラ(SMPC)を装備した進化型「レーダーセーフティパッケージ」が搭載されているが、新型Sクラスでは、こうしたADAS専用に使われていたセンサー類を、安全技術だけでなく快適な乗り味を実現するデバイスとして応用している点が新しい。
その代表例が、SMPCを使った「マジックボディコントロール」と呼ばれる「ロードサーフェススキャン」だ。これは、SMPCが捉えた映像から路面の凹凸を判断し、その路面状況に応じてエアサスペンションの減衰力を瞬時に調整するもので、従来からの連続可変サスペンションであるADSプラス(アダプティブ・ダンピング・システム・プラス)と、ABC(アダプティブ・ボディ・コントロール)と連動する新開発の自律予測型可変サスペンション機構だ。
スポーツ/コンフォートの2タイプから選べるABCのサスペンション設定をコンフォートにすることで機能する「マジックボディコントロール」は、自車から50m先までの路面状況を、「衝突被害軽減ブレーキ」や、追従型クルーズコントロールである「ディストロニック・プラス」に活用しているSMPCで監視するところからはじまる。
サスペンションの減衰力特性は15m先の路面をスキャンした時点で演算され、さらに直近の5mで解析した3Dの路面状況と照らし合わせながら、可能な限りボディの上下動を抑制、安定した走りを実現する。比較的小さな上下動を伴う高速道路の継ぎ目などにも的確に反応するが、特筆すべきは、大きな路面のうねりや窪みを通過した際のいなし方だ。
大げさではなく、こちらが身構えているボディの動きから1/3程度に上下動が抑えられ、さらに少ない揺れそのものがフワッとしたもので角がなく、しかも瞬時に収束する。本当にあんな大きな窪みを通過したのかと肩透かしを食らったかのようだ。ちなみに「マジックボディコントロール」は、SMPCでの演算処理が必要であるため、機能する上限は130km/hに設定されている。
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