メルセデス・ベンツ 新型 Eクラス セダン&ワゴン(2013年モデル) 試乗レポート/河口まなぶ(3/4)
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:茂呂幸正
これぞ世界最速セダン!「E63 AMG S 4MATIC」
メルセデス・ベンツの中にあって最も過激なAMGモデル。今回新型Eクラス「E63 AMG」には、新たにSというグレードが追加されたことと、4MATICと呼ばれるAWD(4輪駆動)モデルが加わったことがトピックだ。
今回試乗したのはE63 Sの4MATIC。世界最速セダンと自らを呼ぶだけあって、そのパワフルさは圧倒的だ。0-100km/h加速3.6秒を誇る俊足モデルだが、先に記したようにウェット路面でも安心感は絶大だ。AMGモデルは当然足回りもハードに設定され、ハンドリングのキャラクターもモアスポーティとなるわけだが、それでも雨中を安心して踏んでいけるフィーリングがあらゆる部分から感じられる。
また今回からAWDを得たことによって、そうした頼もしさや信頼感がさらに増したことも報告しておきたい。考えてみれば今まで500psオーバーを後輪だけで受け止めていたわけで、それはそれで賞賛に値するが、やはり4MATICとなって安定性にゆとりを感じられるようになったのは嬉しい部分だろう。
しかも4WDでありながら、駆動力配分は珍しい固定式の33:67とされ、後輪駆動的なフィーリングを生み出している点もユニークなところだろう。4WD化によって大パワーを受け止めて高い安定性を築きながらも、乗り味走り味に関わる部分ではこだわりを見せている。
燃費性能は従来型比50%向上!「E350 BlueTEC アバンギャルド」
また今回は、クリーンディーゼルモデル「E350 ブルーテック」もさりげなく新しくなっている。既にMLクラスなどに搭載されて展開されていたものが新型Eクラスにも搭載された。これは3.0リッターのV6であることは同じだが、より厳しい排出ガス規制であるユーロ6対応となった上に最高出力は以前のものに比べて41ps、最大トルクも80N・mと大幅に向上している。それにも関わらず燃費性能はさらに低減されており、以前のものより50%以上良くなっているという。以前のモデルは13.2km/Lだったから、新型は19.0km/L程度に達するはず(※6月初旬時点では未公表)。Eクラスのサイズでこの燃費値…と考えると、時代は変わったと痛感する。
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