メルセデス・ベンツ Eクラス CDI 試乗レポート
- 筆者: 竹岡 圭
- カメラマン:原田淳
最新鋭V6ディーゼルエンジンの実力とは
メルセデス・ベンツのミドルサルーンEクラスのマイナーチェンジとともに、新モデルが加わった。新世代5.5Lエンジンを搭載したE550アバンギャルドS、そして最新鋭V6ディーゼルエンジンを搭載したE320 CDI アバンギャルド、E63 AMGである。
というわけで、今回の注目はなんといってもディーゼルエンジンを搭載したE320 CDIなのだ。メルセデスが乗用車にディーゼルエンジンを搭載したのは1936年。今から70年も前のことだ。その後も技術革新と高度化を進め、当時から比べると出力は4倍以上に。燃費は1/10近くになるなど性能は格段にUPしている。
E320 CDIに搭載されているエンジンが出来上がったのは2005年春のこと。約40ヶ月にわたる開発期間を経て量産化されたこのエンジンは、ピエゾ・インジェクターを搭載した第3世代コモンレール式で、電子制御式7速ATとの組み合わせにより、走行性と燃費経済性をさらに高めたものとなっている。
あくまでもEクラスの中のひとつのグレード
Eクラス全体でヘッドライトやリアコンビネーションランプ、フロントグリル、フロントスポイラー、ドアミラー、アルミホイールなどの形状が変更されているが、その中でディーゼルエンジンを搭載するE320 CDIだけが何か違うのかというとそうではない。あくまでもEクラスの中のひとつのグレードとして存在しているので、違うのはエンブレムくらいのものなのだ。本国ではAクラスからSクラスに至るまで、またCLKやCLS、MLといったモデルにもディーゼルモデルは存在しているので、当たり前と言えば当たり前のことかもしれない。
気が使われているのは、燃料投入口だろうか。E320 CDIの燃料投入口は緑色の色づけが施されており、無用な間違いを防止する対策が施されている。最近増えてきたセルフガソリンスタンドにおいて自分で給油する際に、燃料ノズルの色と合わせておくことで事前に違いに気が付くよう工夫がされているというわけなのだ。こういった細かい点も、安全啓蒙に力を注いでいるメルセデスらしいところと言える。
ディーゼルと知らされなければ、気づかない人もいるだろう
ディーゼルエンジンというとひと昔前の、ガラガラという音と高回転域での非力さを思い浮かべてしまう方も多いとは思うが、最近のディーゼルエンジンはまったくそういったことはない。事前にディーゼルモデルだと知らされていなければ、クルマを降りてエンブレムを確認するまで気が付かない人も多いくらいなのだ。
外で聞いていると、ガソリンモデルとはアイドリングの音色が違うために気が付くが、それもディーゼルだと事前に知っているからこそのこと。あからさまな違いはないと言い切っていい。
パワー的には、圧倒的な低速トルクはさすがといった感じだ。かといってこれまたひと昔前とは違い、高回転で唸りを上げることもなく、スーッと滑らかに力強いままに加速していく。日本の交通環境に照らし合わせると、この絶大な低速トルクのおかげで運動性能ポテンシャル的には、むしろガソリンより向いていると言ってもいいかもしれない。慣れてくると、アイドリング時に、シフトノブやステアリングなどに、若干伝わるブルブル振動に気が付くが、不快というほどのものではなく「あっ!ディーゼルモデルだったんだ」と、改めて気づかせてくれるほどのものでしかないほどだ。ポテンシャル的にはガソリンモデルに対して遜色ナシと声高に言えるだろう。
ディーゼルエンジンは環境エンジンとしても支持される
日本では黒いススとモクモク排ガスのイメージが未だに強く、人気のないディーゼルエンジンだが、欧州では非常にポピュラーなパワートレインである。特にフランス、スペインではディーゼル比率が非常に高く、約7割に届きそうな勢いである。
日本では環境エンジンというとハイブリッドが念頭に浮かぶが、欧州ではフラットな地形が幸いし、黒いススが溜まらないために、二酸化炭素の排出量のほうが注目度が高く、ディーゼルエンジンが環境エンジンとして支持されているのである。また、比較的渋滞が少ないという交通事情もあり、燃費の面でもハイブリッドと遜色がないことも、ディーゼル支持に拍車を掛けていると言える。そればかりか、ガソリンモデルに比べて、スポーティパフォーマンスモデルと位置づけられているほどで、その人気の高さは絶大なのだ。
日本のディーゼル燃料は、自主規制により基準を前倒しでクリアしており、世界一硫黄含有量が少ないと言われている。ハイブリッドもいいが、ディーゼルモデルも新しいパワーユニットとしてもっと積極的に選択のひとつに入れてもいいはずだ。なんといっても燃費は2Lエンジン並み。約 15km/lというのだから見逃す手はない。
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