メルセデス・ベンツ E300 4MATIC ステーションワゴン 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/2)

メルセデス・ベンツ E300 4MATIC ステーションワゴン 試乗レポート/渡辺陽一郎
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昨年11月にビッグマイナーチェンジを受けたEクラス

メルセデス・ベンツ E300 4MATIC STATIONWAGON
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新興国を除けば、この20年ほどの間に、メルセデス・ベンツほど車種の選択肢を急増させたブランドは珍しい。

かつてメルセデス・ベンツのSUVといえば、ゲレンデヴァーゲンと呼ばれた「Gクラス」と「ウニモグ」だけだったが、今ではM/GL/GLKクラスも選べる。さらに、SUVとミニバンの中間的なRクラスや、A/Bクラスの投入で低価格の5ドアハッチバックも選択できるようになった。

ユーザーニーズが多様化すれば品ぞろえも増えて当然だが、旧来のメルセデス・ベンツファンとしては、一抹の寂しさも感じてしまう。頑固オヤジが妙に物分かりが良くなったような、あるいは老舗の料理店が万人受けする安いメニューを加えたような、自分の思い描くイメージから離れて行く寂しさだ。

とはいえ、保守的なクルマ造りを繰り返していたら、時代の流れについて行けず埋没する。企業の方針としては正しく、納得するしかない。

このモヤモヤした気分を吹き飛ばしてくれるのが、Eクラスの進化だ。Eクラスはメルセデスベンツの本流。現行モデルは昔に比べるとカッコ良くなったが、正統派モデルとしての位置付けは今も変わらない。

重厚な外観、リヤシートを含めた快適な居住性はEクラスが持つ普遍的な特徴だ。長年にわたって積み重ねた価値を継承しながら進化を続けるEクラスは、2011年11月に大幅なマイナーチェンジを受けた。

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最も注目される変更点は、新しいV型6気筒3.5リッターエンジンの採用。

チューニングを変えて、E300とE350に搭載される。ピエゾ素子を用いた燃料噴射装置を備え、シリンダーの内部に直接ガソリンを噴射する方式。1回の吸気行程で最大5回の燃料噴射を行うことも可能だ。

成層燃焼に基づく希薄燃焼と、理論空燃比による均質燃焼を使い分け、さらにこれを組み合わせることで、幅広く燃焼効率の向上を図っている。エンジンの摩擦損失や騒音も低減。クランクケースやシリンダーヘッドのアルミ化、樹脂部品の採用などと相まって、軽量&コンパクト化も実現させた。

トランスミッションは7速AT。エコ・スタート・ストップ機能と呼ばれるアイドリングストップも採用され、2WDモデルのE300ではJC08モード燃費が「12km/L」、10・15モード燃費は「13km/L」に達する。1.8リッターターボのE250と同等の燃費性能だ。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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