メルセデス・ベンツ 新型CLSクラス 試乗レポート/岡本幸一郎(3/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
そつない仕上がりのCLS350、絶対的な速さと太いトルクが魅力のCLS63AMG
試乗会で用意されたCLS350には、すべて「AMGスポーツパッケージ」が装着されていた。
スタイリングバンパーをはじめ様々な専用アイテムが与えられる内外装ももちろん魅力だが、乗り味の面でもAIRマティックサスペンションや、標準の1インチ増しとなる19インチタイヤ&ホイールが与えられるなど、大きく異なる。
価格が60万円とされたのも、従来のAMGスポーツパッケージでは100万円を大きく超えていたことを考えると、かなりのバーゲンプライスといえる。
足まわりの仕上がりについては、これ以上を望むべくもなく、ほぼ言うことナシ。
また、電動パワステの採用も2代目CLSの特徴として挙げられるが、こちらもそつない仕上がりで、電動パワステ云々よりも、ステアリング自体の制御がこなれて、より自然になったという印象だ。
一方のCL63AMGは、専用デザインの大型バンパーやボンネット、左右9mmずつワイド化されたフェンダーなど、迫力あるエクステリアが与えられている。
インテリアも専用で、ドライビングダイナミックシート、アルカンターラルーフライナー、パフォーマンスステアリングなどが与えられる。
また、CLS350ではコラムシフトとなり、センターコンソールにドリンクホルダーが設定されているが、CLS63AMGではそこにセレクターが置かれ、そのわきにシフトプログラム、ESPコントロール、サスペンションセッティングを変更できるスイッチが設置されている。
パワートレインについては5.5リッターV8ツインターボが、CL63AMG、S63AMGに次いで搭載された。
トルコンに換えて、多板クラッチを用いることで、伝達効率に優れ、素早いシフトチェンジを可能とした「AMGスピードシフトMCT」が搭載されている。
CL63AMGやS63AMGとスペックが差別化され、わずかにデチューンされているのだが、ボディが軽いせいか、体感する速さにほぼ遜色はない。
絶対的な速さに加えて、低回転域からフラットに太いトルクを発生するので、とても乗りやすい。加えてAMGらしい豪快なエキゾーストサウンドも、このクルマの大きな魅力に違いない。
さらに、「パフォーマンスパッケージ」を選択すると、エンジンスペックが525ps→575ps、700Nm→800Nmへとそれぞれ向上するとともに、リミッターの作動する速度が250km/hから300km/h(!)に上がる。
細身のスポークのホイールからは、レッドにペイントされた大容量キャリパーが覗く。さらに、これでも十分に高性能なところ、軽量なカーボンセラミックブレーキを選ぶこともできる。
とにかくデザインさえ気に入れば迷わず買えるクルマである点は、これまでのCLSも同じだったが、新型CLSは見た者に「欲しい!」と思わせる魔力がこれまでよりもずっと上がったように感じたのは、筆者だけではないだろう。
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