メルセデス・ベンツ C450 AMG 4MATIC 海外試乗レポート／河口まなぶ(2/2)

走りは5つの走行モードから選択

エンジンを始動すると、まず明らかにボリュームが増したエンジン音が響く。さすがにAMGのV8ほどの迫力ではないものの、イメージ的にはA45 AMGなどに近い、ちょっとやんちゃなサウンドを響かせるのだ。

センターコンソールのタッチパッド脇に与えられたAMG DYNAMIC SELECTのスイッチによって、5つの走行モードが選べる。ECO／COMFORT／SPORT／SPORTS PLUS／INDIVIDUALというモード分けはノーマルのCクラスと同様となっている。

スポーツプラスを選ぶと当然、エンジンは最もレスポンスが優れる上にシフトの変速等も速くなる。アクセルを戻した時の炸裂するエグゾーストノートやブリッピングを刺激的に届けてくれる。またサスペンションはAMG RIDE CONTによって3段階に電子制御され、スポーツプラスでは当然最もスポーティな味付けとなるわけだ。

普段乗りを維持しながら、いざとなればAMGに近い感覚に

しかし印象的なのは、最もスポーティな状態で乗っても、快適性がしっかりと確保されていること。高速道路でも姿勢は常にフラットに保たれており、路面の変化や段差等はシャキッと受け止めて衝撃を即座に和らげる。その感覚はまさにAMGのC63と、ノーマルCクラスのちょうど中間、といえる理想的な味付けとなっているのだ。

エンジンも、AMGのV8ほどの激しさはないものの、ノーマルの4気筒ターボからは遥かに官能的でパワフルさもある。それをパドルシフトで操れば、とてもスポーティなドライビングを堪能できる、というわけだ。

またエクステリアでは専用のダイヤモンドグリルを備える他、フェンダーはAMGバッチが与えられるなどしている。一方のインテリアでは、専用のシートやスポーティなコスメティックが展開されており、ノーマルとは一味違うスポーティさが魅力。

つまりC450 AMG 4MATICは普段乗りではノーマルのメルセデス・ベンツの快適性を維持しつつ、イザとなればAMGに近い感覚を堪能できるスポーツモデルに変わってくれる、理想の1台的な存在である。

なるほどAMGほど高価で高性能なモデルは要らないけれど、ノーマルよりはプラスαが欲しい…というニーズにピッタリとミートしそうな1台である。

またCクラスを購入しようとしているユーザーにとっては、このモデルが日本市場では初の4ＷＤ搭載車という意味合いもある。待望の4MATIC搭載Cクラスとしても、待っていましたという方がいるだろう。

となるとやはり、気になるのは価格。果たしてノーマルのCクラスとの価格差はいくら位なのか？AMGと比べてどのくらい安いのか？それによって評価も変わってくるといえるだろう。

日本での導入が待ち遠しい1台だ。