マツダ MPV 試乗レポート
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:芳賀元昌
3Lは既存のフォード製、2.3Lはマツダの新開発。新エンジンの搭載で走りに磨きをかける。
初代MPVはFR車をベースにしたモデルだった。当初からアメリカ市場を意識していたので、ボディサイズは大きかった。2代目が現行モデルで、99年にデビュー。FF車をベースに1ボックスカーとステーションワゴンの中間的ボディ形状のクルマになった。そしてこの4月、快適性と走行性を向上させたビッグマイナーチェンジが行なわれたのだ。
変更点は、まずエンジン。V6の2.5Lと直4の2Lが、それぞれV6の3L、直4の2.3Lになった。特に2.3Lエンジンは新開発になる。ミッションはV6に5速ATが新しく設定された。ボディはフロントグリルなどが新デザインになっている。
エンジン、フットワークともにワンランクアップの走行フィールが味わえる。
2.3Lの直4エンジンは163psと159psの2本立て。前者がFF用で、後者が4WD用のチューニングだ。トルク値もFFで21.2kgm、4WD で21.1kgmとわずかに異なっている。ミッションは電子制御式4速ATを用いている。2.3L専用の4WDは、RBC(ロータリーブレードカップリング)方式のスタンバイ型4WDだ。
FFに試乗してみた。コラムシフトのATはL、S、Dが走行ポジションで、コラム頭部に備わるオン/オフスイッチはホールドモード用。マツダ独自のポジション表示だ。新型の直4エンジンは4000回転をオーバーするとやや音は高まるが、耳ざわりな音質ではない。トルク不足の感じもない。以前の2Lよりも音、パワー、トルクともに向上している。
サスペンションも手直しされ、レーンチェンジなどのロールが小さくなり、安定感は増している。高速直進性も安心感がある。ブレーキの効き味も向上している。
新設定の電動両側スライドシートと自慢のカラクリシートが、使い勝手の高さに大貢献している。
居住空間は、もともとMPVはたっぷりとしている。その空間に便利な装備が追加された。最も特徴的なのが両側パワースライドドアの採用だ。キーレスエントリー、運転席スイッチ、Bピラースイッチ、ドア本体のハンドルのいずれでも、ワンタッチで自動的に開閉するこのシステムは、使い勝手がよく、便利で安全性も高い。とくに運転席の後ろがパワースライドドアというのは、後席に子供や荷物を乗せて、すぐに運転席に座れるので便利。
後席への乗り降りはフロントシート背もたれに大きなグリップが付いたので、これも使いやすかった。さらにショッピングフック、セカンドシートの背もたれをテーブルにできるのも便利だ。
居住性だが、フロントシートはサイズも大きめでたっぷりしている。セカンドシートの座面はやや短め。このシートはセパレートシートだが前後だけでなく左右にも動き、これも便利だ。サードシートは着座位置がやや低めでシートも小さい。このシートは折り畳んでフラットにできる。最後部の荷室は床も深く、ゴルフバッグを立てて搭載でき、便利。
力強い走りと上級ミニバンの雰囲気を味わうならV6 3Lを選びたい。
2.3Lの新型エンジンになったMPVは、静粛性、走行性ともにアップしている。ただし、試乗は2名乗車のFFなので、車両重量が80㎏重い4WDや、 FFでも多人数乗ることの多いユーザーは、ちょっと非力さを感じるかもしれない。もちろん、旧型の2Lよりは力強いのだが、ここはちょっと気になるところだ。
もう一車種のV6 3Lは、197ps/27.2kgmというパワー/トルク。車両重量はスポーツで1720㎏あるが、2000回転あたりからのトルクの盛り上がりと重厚な吹け上がりは、上級ミニバンの雰囲気。ボディのロールも小さくはないが、しなやかに傾くのでこれも上級車感覚が味わえる。ブレーキもペダルを踏んだときの剛性感もあり、安心できた。ただし、3LはFFしかないので、どうしても4WDを、というユーザーは2.3Lになる。
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