【試乗】マツダ 新型デミオ [プロトタイプ] 試乗レポート/渡辺陽一郎(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
コンパクトカーとは思えない、座り心地に優れたドライバーズシート
新型デミオは、運転姿勢にもこだわっている。
ホイールベース(前輪と後輪の間隔)を先代デミオに比べて80mm拡大し、その大半を運転席の着座位置と前輪との間隔に費やしている。ドライバーから見て、前輪を80mm前方に押し出した。結果、ペダルが前輪の収まるホイールハウスに干渉しにくくなり、アクセルとブレーキペダルをそれぞれ20mm右側に寄せている。
前輪駆動の軽自動車やコンパクトカーは、ペダルが左側へ寄ってしまうが、新型デミオでは右足を真っ直ぐ伸ばしたところにペダルがある。アクセルペダルの形状は、従来型はブレーキペダルと同様の吊り下げ式だったが、新型はペダルの下側が床に接する大型のオルガン式だ。微妙なアクセル操作が行いやすくなった。
運転席は座り心地に優れ、ペダルの配置も最適化されたからコンパクトカーとは思えない。座った時の感覚は、アクセラなどのミドルサイズハッチバックに近い。
運転席の良さに比べて後席の居住性はライバルと比べてやや劣る
その代わり、ボディサイズの割に、後席の居住性には不満を感じる。
ホイールベースを80mm拡大して2570mmになり、全長は160mm伸びて4060mm。これらの数値はフィットを上まわるが、後席の広さは先代デミオとほぼ同じだ。
身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座った同乗者の膝先空間は握りコブシ1つ分。
2つ半のフィット、3つ弱の「日産 ノート」に比べて窮屈に感じる。全高も1500mmと少し低く、天井を後ろに向けて下降させたから、頭上には握りコブシが収まらない。座面や背もたれの造りは柔軟で、座り心地も良いが、窮屈だから快適とはいい難い。荷室も同様で、実用性に不満はないがフィットのような多機能はない。
新型デミオの室内レイアウトは、既存の車種では「スズキ スイフト」に似ている。
スイフトも現行型ではホイールベースを40mm、全長は95mm伸ばしたが(それでも3850mmに収まる)、後席のスペースはほとんど広げていない。従って新型デミオはファミリーカーには適さないが、すべてのユーザーがコンパクトカーに快適な後席を求めるわけではないだろう。
4名乗車の機会が少ない場合、前席の居住性と走行性能を追求した方が、ユーザーのメリットは大きい。なので後席の居住性や荷室の使い勝手を重視するならフィット、ドライバー本位の設計が好みなら新型デミオと選び分けたい。先代デミオも前席を優先させた設計だったから、「スカイアクティブテクノロジー」を用いて走行性能や乗り心地を向上させながら、基本路線は変えていない。
ちなみにプラットフォームは「スカイアクティブシャシー」だが、CX-5/アテンザ/アクセラが採用するタイプとは、考え方は同じでも設計が違う。CX-5やアテンザのプラットフォームを使うと、全幅を1695mmの5ナンバーサイズに収められないからだ。表現を変えれば、新型デミオは走行性能を高める一方で、5ナンバーサイズにもこだわった。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。