マセラティ 新型レヴァンテに砂漠で試乗|マセラティのSUVは、優雅に上品にスーツ姿で乗るモデルにあらず!?(1/2)
- 筆者: 五味 康隆
- カメラマン:マセラティ ジャパン
なぜ、過酷な環境下の砂漠が試乗会場に!?
様々な環境でクルマを走らせてきたが、砂漠を走る…なんて考えてもみなかった。
毎年イヤーモデルが登場するなかで、2018年モデルのマセラティ レヴァンテの国際試乗会場に選ばれたのが砂漠。
なぜ?と思うのが普通だろう。地中海に吹く東風を意味するLevanteの名のごとく、優雅に上品な場所を颯爽と走るのが似合っているし、スーツ姿で乗るのが最も似合うSUVと個人的には認識してきた。
指定された飛行機に乗り、アラブ首長国連邦のドバイ空港に降り立ち、シャトルカーとして用意された新型クワトロポルテの後席に乗り込む。刺激的な排気音と上品な乗り心地に包まれながら直線基調のハイウェイを50分ほど走り、着いた先は「涼しくなった」と現地の方が言っていた気温42度の砂漠地帯のなか、突如として現れたリゾートホテル。改めて砂漠を走ることを意識されつつ、新型レヴァンテのプレゼンテーションを受ける。そこで狙いが解った。
いまやレヴァンテはマセラティ全体の57%のモデルシェアを占めるまでに成長した。
しかしひとつ懸念するのは、僕のようにレヴァンテを捉える方が多いことだという。車高も6段階に変えられるなど、当初からレヴァンテの大きな魅力の一つとして備わっている過酷な環境での走破力などのタフさが、全く浸透していないということ。
だからこそ2018年モデルのレヴァンテ登場を機に、通常であれば走行サポート体制を組まねば走れないとされる砂漠での試乗にしたという。
2つのトリムオプションモデルの追加により見た目の雰囲気がガラリと変わった
まず走りの前に、2018年モデルで変わったのはなにか?ハッキリと言おう、中身は変わっていない。変更されたのは、グランルッソとグランスポーツという、2つのトリムオプションモデルが追加されたということ。
フロントグリルやフロントエンブレムのカラーに始まり、フロントのスキッドプレートやブレーキキャリパーの色、さらにはサイドスカートやルーフトリム色も変更して、レヴァンテが漂わす雰囲気を変えるというもの。通常のSUVであれば、これらを変えてもそこまで大きく存在感など変化しなそうだが、そのボディラインや抑揚のあるボディパネルの作りなど見た目で魅きつけるモデルのそれら変更効果は大きい。
グランルッソはレヴァンテの印象をさらに落ち着いたものにして、オーナーを上品に感じさせる品格が明確に高まった印象。グランスポーツにおいては内装の専用仕上げも含めてスーツが似合う雰囲気は保ちつつも、よりアクティブに活動したら似合いそうな、ボディカラーによっては若干“やんちゃ”な雰囲気も漂わせる仕上げで、個人的にはこちらが刺さった。
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