レクサス 新型 UX 海外試乗|2018年冬にも国内導入!レクサスの新プレミアムSUVの実力をいち早くレポート!(1/2)

  • 筆者: 山本 シンヤ
  • カメラマン:レクサスインターナショナル

サイズは末っ子でも中身は兄貴超え

現在、世界的に乗用車派生のクロスオーバーSUVブームだが、その中でも“プレミアム”クロスオーバーSUV市場の動きが著しい。今やラインアップなしでは商売に影響が出るとも言われおり、ランボルギーニやロールスロイスと言ったこれまでSUVとは無縁だったメーカーも参入を行なう状況なのである。

そんなプレミアムクロスオーバーSUV市場を開拓したのは1998年に「高級セダン×SUV」のコンセプトを掲げて登場したRX(日本名:ハリアー)である。発売直後から爆発的な人気を誇り、世代を重ねるにつれてESと共にレクサスの販売台数をけん引するモデルへと成長した。その後、2014年には弟分となるNXを発売しラインアップ強化を行なったが、販売現場からはより小さなモデルのリクエストが多かったと言う。

それがレクサスのクロスオーバーSUVシリーズの末っ子となる「UX」だ。2018年3月に開催されたジュネーブショーで世界初公開、日本では今年の冬頃に発売を予定しているが、今回一足先にスウェーデン・ストックホルム近郊の一般道~高速道路を中心に試乗を行なってきた。

>>日本で今年の冬頃に発売を予定するレクサス 新型UXの写真をもっと見る

機能美が凝縮されたエクステリア

レクサス UXはBMW X2、メルセデス・ベンツ GLA、アウディ Q3、ジャガー E-PACE、ボルボ XC40、キャデラック XT4と言った世界の競合が出揃う激戦区に導入されるが、チーフエンジニアの加古慈(かこ・ちか)さんは「サイズは末っ子ですが中身は兄貴分を超えるように開発しました。見た目はクロスオーバー、走りはスポーティハッチです。」と言う独自の個性が盛り込まれた。もちろん、プレミアムクロスオーバーSUVの“元祖”としての意地もある。更に「レクサス=北米」のイメージが強いが、UXは欧州市場をかなり意識しているそうだ。

エクステリアはフェンダーのホイールアーチモールやボディの厚みなどSUVの力強さを演出するが、グラスエリアが小さいボディ上面はスポーツハッチと言ってもいいプロポーション。見る角度やボディカラーによってGLAやスバル XVに似ている部分もあるが、立体的なスピンドルグリルや凝縮感のあるサイド、左右一体型の翼形状のリアコンビランプ(操縦安定性にも寄与している機能部品)と塊間のある豊満な造形が特長のリアビューは個性的で素直にカッコいい。

ちなみにボディサイズは全長4495×全幅1840×全高1520mm、ホイールベース2640mmとライバルより小さめなボディサイズと最小回転半径5.2mと言う取り回しの良さ、そしてクロスオーバーSUVながらも全高をタワーパーキング対応の1550mm以下の全高と日本で使うには嬉しいことばかりだ。

日本の美意識を取り入れたレクサスらしいインテリアだが

一方、レクサス UXのインテリアは、水平基調のインパネやメーター周り、操作系は最新のレクサスモデルと共通だが、今回新採用されたパームレスト内蔵のオーディオスイッチはブランドタッチがしやすいナイスアイデア。ただ、ステアリングから手を離さないと操作できないドライブモードセレクトスイッチや、相変わらずブラインドタッチが難しいリモートタッチは改善してほしかった。また、インパネ一等地になぜか使用頻度が少ないヒーターコントロールやシート空調のスイッチが目立つのも気になった部分だ。

各部の質感の高さは言うまでもないが、木目やアルミなどの高級車の定番アイテムではなく、インパネには「和紙」、本革シートには「刺し子」がモチーフの日本独自の美意識をイメージさせた加飾を採用。また、細かい部分にはなるが、空調の吹き出し口調整ノブの非接触給電式LED照明は世界初の技術だ。

ちなみにドライビングポジションは、クロスオーバーSUVらしく高めのアイポイントながら着座姿勢はクーペのように低め……と言う不思議な感覚。運転席はコクピット感覚、助手席は解放感を重視。室内スペースは前席優先で後席/ラゲッジスペースは必要十分な容量で「広さを求めるならNX/RXをどうぞ」と言うわけだ。この割り切りはLSとよく似ているかもしれない。

”素直さ”と”力強さ”個性の違う2つのパワートレーンを用意

パワートレインは2種類を用意。ガソリンが171ps/205Nmのパフォーマンスを誇る2リッター直噴NA「ダイナミックフォースエンジン」+発進ギア付「ダイレクトシフトCVT」の組み合わせだ。ダウンサイジングターボに負けない実用域の豊かなトルク、NAならではの滑らかでレッドゾーンの6800rpmまでスッキリ回るフィーリングは、以前乗った北米カムリ用2.5Lよりも好感触で久々に「いいNAエンジン」に出会った感じである。

CVTもダイレクト感や応答性の良さ、変速追従性などは「CVTもここまで来たか」と言うレベルで、スバルのリニアトロニックと並んで良くできたCVTの一つだ。実は乗る前は「今時NAエンジンとCVTかよ」と思ったが、乗ってみて大反省……。

ハイブリッドは2リッター直噴NA(146ps/188Nm)+モーター(109ps/202Nm)の組み合わせでシステム出力は178ps。そのパフォーマンスはガソリン車以上の衝撃で、従来のシステム(1.8リッター+モーター)は非力なエンジンをモーターが補うイメージだったが、このユニットはエンジンにモーターの力が上乗せされており、アクセル全開時はまさに「電動ターボ」のような力強さを感じた。

また、THS-II最大のウィークポイントのラバーバンドフィールもかなり抑えられており、車速とリンクした伸びのある加速感も相まって、日常走行のほとんどでハイブリッドを意識させないフィーリングだ。滑らかさとダイレクト感のバランスは、LC/LSのマルチステージハイブリッドよりもいいと感じた。

燃費はストップ&ゴーの少ない一般道と高速道路を何も意識せずに走らせて、ガソリンは15~16km/L、ハイブリッドは21~22km/Lと社内測定値に肉薄する値を記録した。

※表示のスペックは欧州値

>>レクサス 新型UXの乗り味をチェック! オススメグレードはどれだ!?[次ページ]

1 2 次へ

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる