新型レクサスES、これは日本でもけっこう売れそうだ|国際派モータージャーナリストがそう直感した理由とは

  • 筆者: 桃田 健史
  • カメラマン:桃田 健史・レクサスインターナショナル

第一印象は「とにかくデッカイ!!」

2018年4月25日の午前10時半過ぎ、オートチャイナ2018(通称北京モーターショー:一般公開2018年4月25日から5月4日)のレクサスの展示ブース。舞台に登場したその姿を見て、集まったメディア関係者や他の自動車メーカー関係者は一様に「わぁ、デッカイ!!」と感じた。

レクサスにあまり詳しくない人ならば、LSと見間違えしまうほど、大きくて、そして立派に見えるのだ。

それはそうだ。新型ESは全長×全幅×全幅=4975mm×1865mm×1445mm、ホイールベースは2870mmという巨漢なのだから。先代モデルと比較すると、それぞれ65mm増、45mm増、5mm減、そして50mm増である。全長65mm増はホイールベースに50mm以外には、リアのオーバーハングが15mm増とした。

>>「デカすぎるレクサス」レクサス 新型ESを画像で見る[フォトギャラリー]

車内も実に広い。

今回、報道陣向けに新型ESのドアが開かれることはなく、インテリアについてはレクサスが公開したオフィシャルフォトで確認するしかないが、特に後席の空間が広い。リアシートは電動リクライニング機構があるなど、装備としてもLS級に立派に見える。

運転席周りの意匠は、LSやLCとは違い、RXのようにナビゲーションなどのディスプレイがダッシュボードに組み入れされていない。これは、前席での空間の広さを狙った。

改めていうが、新型ESがかなりデカくて、車内も広々。これが日本の道を走っていることを想像すると、「こりゃ、相当目立つな」と思った。

レクサスインターナショナルの関係者は「レクサスにおけるヒエラルキー(車格)はボディサイズとは直結しない」と言い切る。

これはもう、ウインダムでもカムリでもない

日本では2018年秋頃に販売される予定の新型ES。そう、ESは日本初上陸となる。

ESの歴史は長く、1989年にレクサスブランドが誕生した時から導入されているレクサスの主力モデルで、今回は第7世代となる。2018年3月までの世界累計販売台数は218万台に及ぶ。

日本では、ESの流れを汲むウインダムがトヨタブランドで発売されていたが、今回のESにあの頃のウインダムの面影はまったくなく、繰り返すが「まるでLS」のように立派だ。

では、新型ESをもっと深く知るため、担当チーフエンジニアの榊原康裕氏に詳しく話を聞いた。

まず、プラットフォームは新型カムリと同じ、GA-Kを採用しているが、全長ではカムリより95mm、ホイールベースで45mmも大きいため、サスペンションの設計によって、乗り心地や走り味は大きく違う。

狙ったのは、すっきりと奥深い走り。競合となるメルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、ポルシェなどの欧州各モデルと徹底的に走り比べるなかで「ドイツ車を目指すのではなく、レクサスらしい独自の感性」を目指したという。こうした理念は、LSやLCでも同じだが、それらよりも広い顧客層に対応するESでは、単にFF(前輪駆動)とFR(後輪駆動)という差ではなく、LSやLCとは走り味の方向性を変えている。

日本仕様のレクサスESは2.5リッターハイブリッド1本に絞る

榊原氏はGSのチーフエンジニアも兼務しているが、GSはグランドツーリングという色合いが強いため、ESとの走りの違いを明確にしたという。

なお日本仕様では、新開発のスイングバルブショックアブソーバーを採用して、乗り心地に独自性を持たせることに成功した。これは、ショックアブソーバーの中に、固定の弁だけではく、オイルの中に常時浮いているバルブが別個にあり、それが乗り心地に大きな影響を及ぼすという。

レクサス ESのパワートレインだが、世界市場では直列4気筒2.0リッターガソリン、同2.5リッターガソリン、V型6気筒3.5リッター、そして直列4気筒の2.5リッターハイブリッドがある。その中で日本市場向けには2.5リッターハイブリッド1本に絞った。

初導入、Fスポーツの走り味は?

もうひとつ、新型ESに注目されるのが、ESに初導入となったFスポーツだ。

実験では、かなりスポーティ寄りの走りに振り過ぎてしまい、硬い足になってしまったこともあったが、最終的には19インチタイヤ装着車として、ESが目指す「すっきりとした奥深さ」の延長上のスポーティ性な走り味と乗り心地の両立に到達したという。

そうしたコメントを聞くと、日本での試乗体験が待ち遠しくなる。

日本を含めて世界90カ国で発売予定のレクサス 新型ES。

発売価格は今回未発表だったが、日本の高級車市場での伏兵になるかもしれない。

世界発表の現場で、素直にそう思った。

[Text:桃田健史/Photo:桃田健史・レクサスインターナショナル]

レクサス 新型ESを動画で見る(LEXUS)

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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