“1100万円”という価格も決して高くはない、その理由とは「レクサス GS F」 [徹底解説](1/3)

トヨタ／レクサスとして異例ともいえるプロジェクトとなった「F」

2007年に登場した「レクサス IS F」はレクサススポーツの称号“F”を冠するスポーツモデルとして登場。

「スポーツカーは育てる必要がある」と毎年進化・熟成させていくスタイルや、量産チームがバージョンアップのカスタマイズキット（CCS-P）、更にはレーシングマシン（CCS-R）まで手掛けるなど、トヨタ／レクサスの中では、異例のプロジェクトであった。

そんなクルマ作りが理解され、Fは独自のファンを手に入れた。中には「レクサスは嫌いだけどFは好き」と言う人もいるそうだ（笑）。

待望されていた4ドアの“F”

2014年、IS Fの実質的な後継モデルとして登場したのが「RC F」である。IS F開発で生みの苦しみを味わった反省から、ベースモデル（IS）の開発時当初から「F」を想定した設計を織り込んでもらったのと、IS F開発で培った経験やノウハウを全て盛り込むことで、RC Fは欧州車にも劣らない走りを実現。

また、ダウンサイジングターボ主流の中で大排気量NAに拘った点などが高く評価され、世界で人気を博した。特に日本と欧州では計画を超える販売台数を記録している。

IS Fは4ドアセダンだったが、RC Fはレクサスのモータースポーツ活動を支える存在と言うことで2ドアクーペを採用。すると当然、ユーザーからはこのような要望が生まれた。

「4ドアのFはいつ出るの？」

IS Fはスポーツモデルでありながらもフォーマルに使えることも人気の一つだったが、ボディサイズの関係で後席の居住性は十分とは言えなかったのも事実である。そこで新たなセダン版「F」は一クラス上のGSがベースとなった。