オープンカー”イヴォーク コンバーチブル”とジャガー F-PACEで往く、雪の上のラグジュアリー体験(3/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:茂呂幸正・和田清志
ただの都会派にあらず。ジャガー F-PACEの雪上性能も想像以上だった
都会派といえば、ジャガー初のSUVとなったF-PACE(エフ・ペイス)のほうも、見た目以上の雪上路走破性だった。
試乗車は35t R-Sport。スポーツの名の通り、専用スポーツトリムとスポーツシートを備え、3リッターV6ガソリンエンジンにスーパーチャージドを施したハイパフォーマンスモデルだ。
F-PACE、確かに直線は速いし、通常の路面ではハンドリングも抜群。ガソリンエンジンモデルもディーゼルエンジンモデルも、双方確実に最高のドライビング性能を誇るのだけども、なんたって2t近い重量級ボディである。あたかも背高のXFみたいな洗練された外観のイメージと、独特の色気を醸し出すラグジュアリー感溢れる内装も相まって、どうせオンロードに照準合わせた都会仕様SUVだから、まあ、まったくダメってことはなかろうが、雪山ではそれほどでもないだろうな~、と期待は薄かったのだけど(失礼)、正直、想像以上に良い。
それどころか、きちんと悪路走行を網羅し、頼れる走破性を備えていた。こちらも装着されていたのはピレリ スコーピオン・ウインターだが、タイヤのグリップの足りなさをクルマがちゃんとカバーしている感触。
素性の良さに加え、緻密な電子制御のチカラがワタシを守ってくれる
試乗は特設のクローズド・コースだったから存分にアクセルを踏ませてもらったが、コーナリング手前のブレーキングもしっかり効くし、コーナリング中も車重を持て余すことなくしっかりと旋回してくれる。
これは、基本性能的にほぼ50:50の前後重量配分によりバランスに優れていることに加え、細やかな電子制御が張り巡らされていることに由来すると感じた。
コーナリング時にはトルクベクタリングでアンダーステアを上手に抑えてくれるし(トルクベクタリング・バイ・ブレーキング=TVbB)、オーバーステアやアンダースステアを感知すると、パワー伝達を即座にコントロールしてAWD効率を高めるトルク・オンデマンドが働く(インテリジェント・ドライブライン・ダイナミクス=IDD)。
また試乗車にはオプションの「アダプティブダイナミクスパック」が装備されていたが、これはアダプティブダイナミクス(加速、コーナリング、スロットル、ブレーキング、キックダウンを1秒間に実に最大500回!モニタリングし、電子制御ダンパーを調整することで最適なサスペンションセッティングを自動的に行なうもの)と、アダプティブサーフェス・レスポンス(車両状況をモニタリングして、エンジンとブレーキセッティングを調整し、AWDシステムの効率を高める)からなる。
これらに代表される、何回聞いてもイマイチ名称を覚えられない長い名前の(涙)ドライバー支援システムが、こぞってドライバーを快適なドライブに導いてくれるというわけだ。
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