ランボルギーニ 生誕50周年パレードレポート/川端由美(1/2)

  • 筆者: 川端 由美
  • カメラマン:ランボルギーニS.p.a
ランボルギーニ 生誕50周年パレードレポート/川端由美
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幅広い年齢層が参加した“ファイティングブル”の「グラン・ジーロ」

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圧巻である。

イタリア屈指の工業都市、ボローニャ。その中心であるマッジョーレ広場を埋め尽くす”暴れ牛”の群れを見て、その表現にふさわしい言葉がなかなか見つからなかった。ランボルギーニ生誕50周年を祝うために世界29カ国からオーナーが集まり、「グラン・ジーロ」、英語でいうところのグランド・ツアーを敢行した。そして、私たちメディアはその証人として彼の地に足を運んだのだ。

出発地は、ミラノの象徴であるスフォルツェスコ城。愛車を持ち込んだ参加者の中で最年少は1991年生まれのクウェートの青年、最年長は71歳のフランス人と、参加者の年齢も国際色も幅広い。参加車両は、ランボルギーニ初の市販車である350GTから最新のアヴェンタドールまで350台。全長4kmあまりになる隊列を組んでイタリア半島をパレードランしたのだ。

歴史的なモデル達が大集合

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5月8日10時にスタートを切り、風光明媚な海岸線を走り、リゾート地に宿泊。9日はイタリア空軍第四空団グロセット空軍基地を経由し、夜にローマへと到着する。最終日となる10日は、ボローニャに向けてひた走る。この日、夜遅くに到着するランボルギーニ・オーナーのためにボローニャ市内のお店が閉店時間を伸ばしたということからも、街を上げての歓迎ぶりがうかがえる。

11日の朝、マジョーレ広場に向かうと、冒頭の光景が広がっていた。なによりも驚いたのは、カロッツェリア・トゥリングによって2台のみが生産された350GTスパイダーが2台、同じ空間に並んでいたことだ。スカリオーネがデザインし、トゥリングの手によって量産された350GTも1台参加しており、稀有な光景だったことこの上ない。

スーパーカー少年・少女(?)の憧れだったミウラに至っては、P400、S、SVの全車型が総勢17台も揃い踏みである。頭がクラクラするような光景の中、なんとJ(イオタ)を発見。当時の子供なら誰もが持っていたであろう朱色がかった赤とシルバーのツートーンの”アレ”である。といっても、当のイオタは1969年に1台だけが作られて、のちにテスト中の事故で焼失してしまった。つまり、この世にイオタは存在しないのだが、あまりにもイオタの人気が高く、ランボルギーニ自身もミウラをベースに精巧に作られたイオタのレプリカを販売していたというのだ。

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もう一台、ミウラをベースにイオタ風に改造されたと思しきモデルを発見!…と思いきや、ファイナル・ミウラにして、イタリア自動車業界の著名人が息子の誕生日のためにオーダーした特別な一台だとか。確かに、クルマの中をのぞいてみると、インパネにどーんとフェルッチオのサインがされている。

フランク・シナトラが所有していたオレンジ色が鮮やかなミウラS、ガンディーニらしいミステリアスなスタイリングのカウンタック、豪華なGTを作ろうというフェルッチオの一念によって生み出されたエスパーダ、300GTとハラマの間に挟まれて知名度は低いが、社内デザイナーを初めて採用したという同社の歴史を語るに欠かせないイズレロ、”ピッコラ・ランボルギーニ”との愛称で呼ばれたウラッコ…と、数え上げていたら紙幅が尽きそうだ。WEBだけど。

なんと、この広場に集合したランボルギーニのうち、約4割が歴史的なモデルだというから驚きだ。同時に、ガヤルドが123台も参加しているという事実は、長年の経営難を乗り越えて、ドイツの資本が入って以降のランボルギーニがいかに成功を収めているかという証でもある。

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川端 由美
筆者川端 由美

1971年生まれ。大学院 工学専攻 修士課程修了。1995年住友電工にて、カーエレクトロニクスやタイヤの研究にたずさわる。1997年、二玄社『NAVI』編集部に編集記者として転職。2004年からフリーランスの自動車ジャーナリストとなる自動車の新技術と環境問題を中心に取材活動を行なう。エンジニア、女性、自動車ジャーナリストといったハイブリッドな視点でリポートを展開する。国土交通省・独法評価委員会委員、環境省・有識者委員ほか。記事一覧を見る

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