普通のETCと違う!?ETC2.0って何ができる?
- 筆者: MOTA編集部
今回はETC2.0とはいったい何なのか、そしてこれから導入を検討している方に向けておすすめしたいETC2.0車載器をご紹介します。
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ETC2.0とは?
ETC2.0とは料金決済だけでなく、道路情報と連動してさまざまなサービスが受けられるようになる、次世代型ETCのことです。
令和2年12月の段階で普及率は25.0%(※)となっているので、既に導入済の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、新車を購入したらETC2.0だったというだけで、従来のETCからわざわざ買い替えたという方はまだ少ないのではないでしょうか。
今回はそんなETC2.0について詳しく解説していきます。
※国土交通省 ETCの利用状況調査による。
通常のETCとETC2.0の違い
そもそもETCは2003年に導入が開始されました。それ以前は高速道路に出入りする際にいちいち料金所で停止し、通行券を受け取ったり料金を払ったりしないといけなかったので、料金所周辺の渋滞が酷かったのです。当然ながら排気ガスの排出量も多くなってしまうため、この状況を打開するために導入されたのがETCでした。この導入により、料金所で停止する必要がなくなったので、料金所での渋滞は大幅に改善されました。
そんなETCに対して追加機能を持たせたのがETC2.0で、現在は通常のETCとETC2.0の両方が並行して使用されている状況です。通常のETCの使用ができなくなるかと言えば、当面その予定はなく、通常の車載器も利用できます。ETC2.0非対応の機種も、まだまだ普通に販売されています。
ETC2.0導入の経緯
ETC2.0導入の経緯は、ETC利用者が抱える不満の解消、また蓄積した位置情報や渋滞情報を活用した、ETCのさらなる機能強化です。
具体的には、それまでできなかった高速道路からの一時退出ができるようになったり、より広い範囲の渋滞情報や迂回情報、自己情報を取得したりできるようになります。さらに高速道路から一時退出ができるようになることで、高速道路の周辺地域への立ち寄りが容易になるので、周辺地域への経済的なメリットもあります。
ETC2.0の利用に必要なもの
ETC2.0対応の車載機+ETC2.0対応のカーナビやスマートフォンが必要
ETC2.0のサービスを受けるためには、新しいETC2.0に対応した車載器を用意する必要があります。さらに全てのサービスを享受するためには、DSRC通信と連動するカーナビやスマートフォンも必要となります。が、このカーナビやスマートフォンが無くても表示が出来ないだけで、サービスを受けること自体は可能です。
【商品例】パナソニック(Panasonic) ETC2.0 (DSRC) 車載器(ナビ連動型)CY-ET2000D
- ETC2.0 (DSRC) 車載器(ナビ連動型)CY-ET2000D
- パナソニック(Panasonic)
次章から、ETC2.0のサービスについてご紹介します。
現在実施中のETC2.0のサービス
圏央道の料金が通常のETC料金比で約2割引
圏央道とは、横浜、厚木、八王子、川越、つくば、成田、木更津などの東京周辺の中核都市を円周状に結ぶ高速道路です。この通行料金が、従来のETC比2割引の料金で通行できます。圏央道を頻繁に利用する方は大きなメリットですね。
高速道路からの一時退出を可能とする『賢い料金プラン』
SAやPAの混雑緩和や周辺地域の活性化を目的に、道の駅のような休憩施設への立ち寄りの場合に限り、ICで一時退出が可能となります。条件は以下の通りです。
・ETC2.0搭載車で、全行程同一のETCカードを使用
・対象のICやスマートICで、一度退出した後に同方向を再度利用する場合
・対象のICやスマートIC退出後、1時間以内に同一ICから再流入
・対象の道の駅(後述)に必ず立ち寄ること
2021年3月はまだ社会実験の段階ですが、北海道と沖縄を除く全国23か所の道の駅で利用可能となっています。
詳しくはETC2.0 公式サイトをご覧ください。
今後導入予定のETC2.0の新サービス
一時退出・再進入の料金同一化
災害時や事故時、または給油目的などで高速道路を一時退出して再進入した場合、退出せずに連続して走行した料金が計算されます。これにより、高速道路周辺の飲食店などにも寄りやすくなりますね。
渋滞を避けたルートを選択すると料金割引
ETC2.0では走行経路情報が取得されるため、渋滞を避けたルートを走行した際に、料金が割引されるというサービスが検討されています。時間・走行距離と見合った割引率になれば、渋滞緩和が進みそうですね。
運行や配送の管理支援
GPS機能を活用した走行経路や急ブレーキ、急ハンドルの情報を物流会社などに提供することで、運送や配送の管理を支援します。
目的地までの円滑な移動を支援
従来最大200kmの範囲だった道路交通情報が、ETC2.0では最大1,000kmに拡大。事故や渋滞発生時には一般道を含めた迂回路の提案がされるなど、経路選択の幅が飛躍的に増加し、道路ネットワーク全体が有効活用できるようになります。
フェリー乗船の簡素化
駐車場でフェリーの利用料金が決済できるようになり、車両確認などの時間、手間を大幅に省略できます。
今後更なる広がりに期待ができるETC2.0を活用したサービス
民間企業との連携が進めば、高速道路以外でのサービス登場に期待ができます。例えば駐車料金のキャッシュレス決済、ガソリンスタンドやドライブスルーの支払などです。新発売されるETCやカーナビはどんどんETC2.0対応となっているので、サービス側の開始が待ち遠しいですね。
【2021年最新】MOTA編集部おすすめETC2.0車載器
おすすめのETC2.0車載器その1:フルノ GPS付き発話型 ETC2.0車載器 FNK-M100
フルノ GPS付き発話型 FNK-M100は、古野電気が自社開発した高品質のGPS受信機を内蔵し、カーナビと連動せず単体で使用できるETC2.0車載器です。
本体の前面には見えやすいLEDランプがついており、ボタン操作もシンプルで簡単。高速道路でのETC利用可否、料金案内、渋滞状況など様々な情報を音声とブザー、LEDで伝えてくれます。
カード抜き忘れ防止装置や有効期限通知、ETC利用履歴確認など使い勝手の良い機能も多彩。また、市販品として初のメーカー3年保証に対応している点は大きな魅力です。
おすすめのETC2.0車載器その2:パイオニア ETC2.0ユニット(GPS付) ND-ETCS10
- ETC2.0ユニット ND-ETCS10
- パイオニア
パイオニア ETC2.0ユニット ND-ETCS10は、カーナビがなくても利用可能なスタンドアローンタイプのETC2.0車載器です。本体とアンテナ部ともに小型でスッキリしており、車内のインテリアを邪魔しないのも特徴。どちらにもLEDライトが内蔵され、カード挿入の有無やエラーなどを音声とともに光で知らせてくれます。
丁寧な音声案内は渋滞情報だけでなく、落石注意など安全運転の支援機能に加え、地震などリアルタイムの災害発生情報も提供。便利なだけでなく、もしもの時にも心強いアイテムです。
おすすめのETC2.0車載器その3:パイオニア 新セキュリティ対応 ETC2.0ユニット ND-ETCS2
パイオニア ETC2.0ユニット ND-ETCS2はカロッツェリアの「サイバーナビ」や「楽ナビ」などのカーナビと連動し、さまざまな情報をナビ画面に表示するETC2.0車載器です。
渋滞などの道路交通情報の他、前方状況、前方障害物、渋滞末尾、さらに災害情報などをパッと見て分かりやすいイメージ画像とともに音声で知らせてくれます。
また、広範囲のリアルタイム渋滞情報を素早く受信するため、常に最新の最短ルートを選ぶことができます。料金所付近では画面上でETCレーンの確認もでき、よりスムーズにETCを利用することができますよ。
おすすめのETC2.0車載器その4:アルパイン ETC2.0車載器 HCE-B110
- ETC2.0車載器 HCE-B110
- アルパイン
アルパイン HCE-B110は、別売りのキットによってスマートにビルトイン取付けができるETC2.0車載器です。ETC単体でも使用できますが、2016年~2019年製アルパインカーナビに対応しており、連動してさまざまな情報を音声とともに表示してくれます。
高度道路交通システム(ITS)の双方向無線通信技術「DSRC」に対応し、高速道路での渋滞や合流ポイントを事前に知らせるほか、安全運転支援として落下物などの注意喚起も表示。また、ITSスポットでは道の駅やSA・PAのホームページを表示し、旅行や観光でも便利に使えます。
おすすめのETC2.0車載機その5:アルパイン ETC2.0車載器(光ビーコンアンテナ付属) HCE-B120V
アルパイン (光ビーコンアンテナ付属) HCE-B120Vはアルパイン製の最新カーナビ「NXシリーズ」に連動する、2020年発売のETC2.0車載器です。
高速道路だけでなく一般道の交通情報をリアルタイムで取得できる光ビーコンレシーバー付きで、2022年3月に従来の電波ビーコンがサービス終了となっても安心。
なお、2016年~2019年製アルパインカーナビには対応していないため、購入前にはお持ちのナビの年式をよく確認しましょう。
おすすめのETC2.0車載器その6:ケンウッド カーナビ連動型 ETC2.0車載器 ETC-N3000
ケンウッド ETC-N3000は、ケンウッドのカーナビ「彩速ナビ」に連動するETC2.0車載器です。
高速道路のITSスポットでは広い範囲の交通情報を取得し、運転支援や災害情報などのETC2.0サービスに対応。またカードの差し忘れ・抜き忘れ警告や有効期限通知などを音声、ブザー、LEDランプで知らせてくれ、ドライバーを総合的にサポートします。
彩速ナビとスマートに連携することで、安全で燃費もよいドライブを実現。購入の際はホームページでナビの適合表を確認すると安心です。
おすすめのETC2.0車載器その7:ケンウッド カーナビ連動型 高度化光ビーコンに対応 ETC2.0車載器 ETC-N7000
ケンウッド ETC-N7000は、ケンウッドのカーナビ「彩速ナビ」に連動し、高度化光ビーコンに対応したETC2.0車載器です。
高度化光ビーコンにより、通常の光ビーコン情報のほか交差点の信号情報(信号情報活用運転支援システム)を受信して画面の表示と音声で知らせます。これにより、高速道路での交通情報に加えて一般道でのより細かな情報が得られるため、広範囲において渋滞を避けたスムーズなドライブが可能に。最先端の機能を兼ね備えたアイテムで、彩速ナビユーザーは要チェックです!
おすすめのETC2.0車載器その8:デンソー GPS付発話型 ETC2.0車載器 DIU-A010
デンソー GPS付発話型 DIU-A010は業界最小クラスのコンパクトなアンテナにGPSを内蔵し、カーナビがなくても単体で使用できるETC2.0車載器です。
ITSスポットから配信される渋滞情報に加え、合流してくる車両の存在や見通しの悪いカーブ、悪天候や凍結など様々な情報を音声で知らせてくれます。地震やトンネル火災などの緊急事態もリアルタイムで注意喚起してくれますよ。
音声は5段階で音量調節でき、消音もできます。またアンテナ外れやカードの抜き・挿し忘れの警告機能など必要なものが揃ったシンプルなアイテムです。
おすすめのETC2.0車載器その9:パナソニック 声案内 ETC2.0車載器 CY-ET2610GD
パナソニック 声案内 CY-ET2610GDは、カーナビがなくても単体で使うことのできるETC2.0車載器です。
アンテナにGPSとスピーカーが内蔵されているため、音がこもらないのが特徴。その上、音声を担当しているのは「となりのトトロ」サツキ役などでも有名な声優・日高のり子さんで、発音が聞き取りやすく耳なじみもいいのです。
またアンテナ部はフロントガラスに貼り付けるだけでなく、付属部品でダッシュボードに設置も可能。その際もスピーカー部分を塞がないよう工夫されていて、音声にこだわる方にはおすすめのETC車載器です!
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