ジャガー XJ 試乗レポート 日下部保雄(2/2)
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:オートックワン編集部
Lクラスラグジュアリーカーとは思えない軽快なフットワーク
試乗したのはXJポートフォリオ。スタンダードホイールベースで5リッターの自然吸気エンジンを搭載したモデルの中では最上級グレードになる。
標準モデルでも素晴らしい仕上げを見せるが、ポートフォリオになるとさらにインテリアの材質も含めてゴージャスな雰囲気を演出し、パッセンジャーに高い満足感を与える。そしてキャビンは外部から隔絶した空間が作られており、ジャガーに乗る喜びはこれだけでも十分だ。XFからのV8/5Lの自然吸気エンジンはこれまでのXJのエンジンラインアップとは関係なく設定され、さらに後には5ℓスーパーチャジャーが投入されるとのこと。
直噴に連続可変バルブタイミングリフトを搭載したエンジンは、283kW/512Nmのエンジンパフォーマンスを発揮。このエンジンの特性はストレートに出力が上がるタイプで、低速トルクを無理に搾り出すことはなく、素直なエンジン出力カーブを描く。したがってスタート時には高級車らしく、スッと走り出し、飛び出し感がないのが好ましい。
トップエンドでは約6500回転まではスッキリ回るので、ドライバーにとっても気持ちのよいパワーユニットだ。ATはトルコンの6速。100km/hでの6速エンジン回転は約1700回転。高速クルージングの燃費は期待できそうだ。この領域からでもアクセルを踏み込めば俊敏な加速が出来、しかも変速ショックは極めて少ない。
ハンドリングは軽快。Lクラスラグジュアリーカーとは思えないほどフットワークがよい。軽量ボディのおかげでミドルクラスのようなハンドリングだ。ステアリングの応答性はシャープで手の動きで、ノーズがスッと向きを変える。左右のハンドルの切り返しでも追従性が良く、中程度のSコーナーは結構楽しく走れてしまう。
気になるのは操舵力が軽く、もう少し手ごたえ感が欲しいところだ。ハンドルが軽めのためにちょっときり過ぎてしまう傾向もあるためにオーバーシュートに気をつけなければならないが、最後はDSCが姿勢制御を保ってくれる。もう一つ、直進性の点でハンドルの座りがもう少し欲しいところでもある。
販売を1ヶ月伸ばし、さらに熟成に時間をかけるXJ
ジャガーはよく「ネコ足」といわれているが、これは少なくとも現代のジャガーではフワリとした乗り心地を指しているのではない。意外と足は締まっているのだ。
これまでのジャガーの例に倣ってバネ、ダンパーは強めで、低速での凹凸では路面からの突き上げ(ハーシュネス)を強く感じ、コツコツした感触がある。欧州車の例で作り慣れてくると、次第にこなれてくるのが常だが、試乗車ではまだ強かったのは確かだ。
6月のデリバリーが始まる頃には、製品のバランスはさらによくなってくるだろう。さらにXJではナビゲーションがドライバー側とナビゲーター側で、液晶の工夫により違った映像を見ることが出来る。
例えばドライバーはナビを、ナビゲーターはTVといった具合だ。ただし、テスト車はまだプロトタイプと言うこともあってこの機能はもう少し熟成が必要だ。バックモニターからの切り替え時間など、まだ使いにくいところが残る。
しかしあえて販売を1ヶ月伸ばしたのもこれらの熟成に時間をかけるためだとしており、ユーザーの手に渡る時にはゴージャスなスポーティセダンが手に入ることになるだろう。
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