イギリス生まれの超ド級マシンをサーキットで解き放つ|ジャガー&ランドローバー SVOモデル試乗(3/4)
- 筆者: 山田 弘樹
最速にして最強のランドローバー|レンジスポーツ SVR
レンジローバースポーツSVRは、ランドローバーにおける最速のSUVだ。しかし最強の表現方法は、ジャガーとは方向性がまた少し違う。あくまでランドローバーとしての乗り味を基礎に置き、そこに5リッターV8と鍛え上げた足腰が花を添えるのである。
そしてこのドライブフィールにこそ、SVRセッティングが見事にハマる。怒濤の加速をたおやかなスタビリティで支えながら、ドライバーはコマンドポジションで邁進する。それが至高の喜びとなるのだ。
走りの要となるエンジンは、Fタイプクーペと同一のスペック。ただし車重は3車で一番重量級(2420kg)となるため、こうしたクローズドコースでの加速力は体感的に一番穏やかである。そして穏やかだけれど、強烈なのも同じである。
ハンドリングも3台の中では一番落ち着いている。しかしそれは、スタビリティが低いという意味ではない。圧縮されるほどにシッカリ感を増すエアサスと、ロールスピードを緩やかに制御するダンパーを駆使してクリップまでしっかり待てば、タイトコーナーでもきちんと向きを変えてくれる。ボディの動きがわかりやすいために、モーメントも先読みしやすい。
ただし調子に乗っていると、高速コーナーでは慣性重量にグリップが負けてオーバーステアに陥る場面もある。そうすると流れを止めるのは大変である。
怒濤の速さと超重量級ボディが作り出す慣性を押さえ込むべく4WD制御もFタイプやFペイスに比べ安定方向に振られているわけで、無理や無茶は禁物である。
かつてはニュルブルクリンクで8分14秒のタイムをたたき出したレンジローバースポーツSVR。しかし筆者はこのクルマの魅力が、タイムにあるとは思わない。それはあくまでステイタスシンボルでしかないと思っている。
いざとなれば路上の無頼漢を置き去りにする圧倒的な動力性能を持ちながらも、レンジローバーとしての気品を貫く。V8エンジンの鼓動を適度に味わいながら、その心地良い乗り味に身を任せる。それにはカーボン地を剥き出しにしたボンネットがいささか子供っぽい気もするが、極めて贅沢で貴族的なハイエンドSUV、それがレンジローバースポーツSVRの本質であると私は思う。
ランドローバー レンジローバースポーツ SVR 4WD 主要スペック比較表 | |
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車種名 | レンジローバースポーツ |
グレード名 | SVR 4WD AT |
価格(消費税込み) | 1712万円 |
全長×全幅×全高 | 4855mm×1985mm×1800mm |
ホイールベース | 2920mm |
駆動方式 | 4WD |
車両重量 | 2420kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | V型 8気筒 DOHC |
総排気量 | 4999cc |
エンジン最高出力 | 423kW(575PS)/6500rpm |
エンジン最大トルク | 700Nm(71.4kg・m)/3500rpm |
トランスミッション | 8速AT |
使用燃料 | ハイオク |
燃料消費率(JC08モード燃費) | 7.6km/L |
タイヤサイズ | 275/45R21 |
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