佐藤 琢磨氏、レーシングドライバー育成機関「SRS-K」「SRS-F」の校長に就任

  • 筆者: オートックワン 編集部
  • カメラマン:オートックワン 編集部

佐藤 琢磨氏、日本の若手レーシングドライバー育成に尽力

2018年11月7日、鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドは、レーシングドライバー育成機関「SRS-Kart(鈴鹿サーキットレーシングスクールカート・SRS-K)」、「SRS-Formula(鈴鹿サーキットレーシングスクールフォーミュラ・SRS-F)」の「Principal(プリンシパル = 校長)」に、2017年インディ500ウイナーとして知られる佐藤 琢磨氏が就任することを発表した。

「Vice Principal(副校長)」には日本人で唯一、世界三大レース(インディ500・F1モナコGP・ルマン24時間耐久)全てに参戦した経験を持つ中野 信治氏が就任。これまで校長を務めてきた中嶋 悟氏は勇退することが決まっている。

同日、東京・青山のホンダ本社ビルで発表会が行われ、佐藤 琢磨氏が登場した。

◆若手育成へ向けて熱意を語る佐藤琢磨氏を画像で見る

自身もSRS-Fからレース活動を開始した佐藤氏

現役インディ500ドライバーの佐藤氏は、SRS-Fの卒業生でもある。「学生の時は、自分のレース熱を表現できるものが自転車しかなかった」と語る佐藤氏がSRS-Fの門を叩いたとき、彼はSRS-Fの年齢制限である20歳ギリギリだった。当時はレース経験も皆無。既にレース経験を持つ70名超の入校希望者に圧倒されたという。

しかし佐藤氏が最終的に入校を許された理由は、当初選考方法にはなかった面接を組み込んで欲しい、とスタッフに直談判したこと。それが功を奏し、佐藤氏はレーシングドライバーとしてのキャリアをスタートさせることができた。

若手ドライバーに求めるものは「人間力」

そんな彼が若手ドライバーを指導するにあたって、重視していきたいポイントは、ひとりひとりの人間力の強化という。

佐藤氏は「『こいつは伸びるかもしれない』『こいつは応援してやろう』と思わせる魅力的な人は、SRS-Fを出た後どの国へ行ってどのチームに在籍しても、自分が100%のパフォーマンスを発揮できる環境を自ら作り出していくことができる」とコメント。

「このマシンは誰が準備してくれたんだろう。サーキットを整備してくれているのは誰なんだろう。そういったことに気づくことで、感謝の気持ちが生まれ、レースに責任感が生まれる。それを身につけるきっかけづくりをしたい」と意気込みを語った。

佐藤氏がフォーミュラレースの下位カテゴリーに参戦していた時期は、SRS-K・SRS-F校長を務めた中嶋悟氏がF1ドライバーとして活躍していた頃と重なっている。佐藤氏は中嶋氏の辿った道を追いかけるかのように、若手ドライバーの育成に携わることとなった。

最後に「生徒と一緒に自身も成長していきたい」と語った佐藤氏。今後の日本人レーシングドライバーの活躍に注目だ。

[筆者:オートックワン編集部 / 撮影:オートックワン編集部]

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