N-BOXが売れない理由とは? ホンダを救う新型車が今年中に登場!

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ホンダ N-BOXは、2017年以降国内販売ランキングで常にトップを維持してきた人気モデルです。

しかし、2023年にフルモデルチェンジ後を実施したところ、2024年の新型N-BOXの販売が低迷。これはホンダにとって大きな課題となっています。ではなぜ新型N-BOXは以前ほど売れていないのでしょうか。

本記事では、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんがN-BOXの現状や販売低迷の理由を解説。新たに登場するSUV風派生モデル「N-BOXジョイ」の装備や価格などを予想しながら、N-BOXの状況を打開できるかを探ります。

目次[開く][閉じる]
  1. ホンダ N-BOXとは?
  2. ホンダ N-BOXの販売動向と売れない理由|フルモデルチェンジ後は販売が低迷
  3. N-BOXの販売改善が急務の理由
  4. N-BOX販売低迷を救う新型車が登場! SUV風派生モデル「ホンダ N-BOXジョイ」とは?
  5. ホンダ N-BOXジョイの予想価格
  6. まとめ

ホンダ N-BOXとは?

ホンダ N-BOXは国内販売ランキングで2017年以降、ほぼ一貫して1位を維持しています。

2021年にはトヨタ ヤリスシリーズに総合1位を奪われましたが、軽自動車部門ではN-BOXがトップを守っています。

N-BOXは全高が1700mmを超えるスライドドアを装備した軽自動車で、「スーパーハイトワゴン」と呼ばれるカテゴリーに属しています。

ホンダ N-BOXのボディサイズ

全長全幅全高ホイールベース

FF

3395mm

1475mm

1790mm

2520mm

4WD

1815mm

ホンダ N-BOXの主な特徴

N-BOXは、ガソリンエンジンのみの設定ながら高い燃費性能を誇ります。広々とした車内は、天井が高く、リアシートが独立してスライドできるなど使い勝手が抜群です。

さらに、全車に標準装備されている「Honda SENSING」という最新の安全運転支援システムにより、安全性も高く評価されています。

ホンダ N-BOXの販売動向と売れない理由|フルモデルチェンジ後は販売が低迷

2024年累計(1〜7月)2023年累計(1〜7月)
N-BOX

11万7180台

13万166台

2024年1〜7月の国内販売でもN-BOXは1位をキープしていますが、前年同期比では販売台数が減少しています。

現行モデルは2023年10月にフルモデルチェンジされましたが、2024年1〜7月の販売台数は前年同期を10%下回っています。フルモデルチェンジを経て販売が低迷するのは、ホンダにとって重要な課題です。

N-BOXの販売低迷の理由:装飾がシンプルになり、収納が減った

フロントマスクがシンプルに

現行N-BOXと先代N-BOXの違いを比較すると、まずフロントマスクのデザインが挙げられます。現行モデルは、先代に比べてシンプルで洗練された印象です。

インパネの装飾が控えめに

内装面では、インパネ周りがすっきりと整理され、視界が改善されていますが、装飾が控えめになったため、一部のユーザーには物足りなく感じるかもしれません。

収納が減少

また、収納スペースについても変化があります。

先代N-BOXでは、トレイや蓋付きボックスなど多彩な収納オプションが用意されていましたが、現行モデルではグローブボックスの容量が2倍に拡大された一方で、全体の収納数は減少しています。

低価格グレードの削減

あわせて低価格のグレードも削減されました。

このように現行モデルは内外装ともにシンプルになり、グレードの選択肢も減ったため、全体的にコストダウンされた印象を受けてしまいます。こうしたことが販売低迷の一因と考えられます。

N-BOXの販売改善が急務の理由

N-BOXは2023年ではホンダ車全体の約40%を占める基幹車種でしたが、2024年1〜7月には約30%にまで減少しています。これにより、N-BOXの販売低迷がホンダの国内販売全体に与える影響は無視できません。

ホンダの小型車および普通車部門では、納期遅延の問題が解消され、ヴェゼルやステップワゴン、フリード、WR-Vなどが好調に売れています。

これにより、2024年1〜7月のホンダの国内販売台数は前年同期比で約20%増加しましたが、軽自動車に限ると9%減少しています。

今後、ヴェゼルやフリードの販売が落ち着くと、N-BOXは再び国内販売の柱となるでしょう。そのため、N-BOXの販売改善が急務です。

N-BOX販売低迷を救う新型車が登場! SUV風派生モデル「ホンダ N-BOXジョイ」とは?

N-BOX販売低迷という状況に対してホンダは打開策を用意しています。それはN-BOXをベースにしたSUV風の派生モデル「N-BOXジョイ」の発売です。

N-BOXジョイは、スズキ スペーシアギア、ダイハツ タントファンクロス、三菱 デリカミニといった同様のスーパーハイトワゴンをベースにしたSUV風のライバル車に対抗するモデルです。

N-BOXジョイの予想外観デザインと装備

N-BOXジョイについて、販売店へ調査を実施したところ、以下の情報が得られました。

「2024年9月下旬から10月に発売予定で、詳細はまだ不明ですが、外観は丸型ヘッドランプを装着した標準ボディをベースに、SUV風のアレンジがされるようです。エンジンにはターボも搭載される見込みです」。

スーパーハイトワゴンをベースにしたSUVでは、デリカミニやスペーシアギアが丸型ヘッドランプを採用しています。

SUVと丸型ヘッドランプの組み合わせは親和性が高く、N-BOXジョイも標準ボディをベースにSUV風のデザインを採用することで、この流れに合わせるでしょう。

ほかにもN-BOXジョイは、SUV風の派生モデルとして、ボディ前後にアンダーガード風のパーツを装備し、バンパー付近の形状も変更されると予想されます。

これにより、フロントマスクの存在感が増し、アルミホイールのデザインも専用となる予定です。

また、スペーシアギアと同様にルーフレールが装備される可能性も高いです。

N-BOXはもともとアウトドアでの使い勝手が良い

N-BOXは、エンジンを補機類まで含めて縦長に設計され、ほかのスーパーハイトワゴンよりも室内長が長く確保されています。

燃料タンクを前席の下に搭載したため、荷室の床も低く、自転車を積む時も前輪を大きく持ち上げる必要はありません。

全高は標準ボディやカスタムでも1790mmと高く、室内高にも余裕があります。

これらはいずれもアウトドアでの使い勝手も向上させており、N-BOXはもともとSUVモデルのベースに適しています。

さらにN-BOXジョイの内装は基本的にN-BOXと同じですが、シート生地には撥水・撥油加工が施され、荷室には汚れを落としやすい素材が使われる予定です。

アウトドアでの使い勝手を向上させるための工夫がされています。

N-BOXジョイはSUV風ながら都会的なデザインになりそう

N-BOXジョイは、ライバル車と比較すると都会的な雰囲気になるでしょう。

スペーシアギアなどは直線基調の野性的なデザインが特徴ですが、N-BOXジョイはそれほどSUVらしさを強調させないと予想されます。

その理由は車名です。フリードやフィットのSUV風グレード名となっている「クロスター」ではなく「ジョイ」としていることです。このネーミングによって、より親しみやすさを打ち出しています。

ホンダ N-BOXジョイの予想価格

スペーシアギア 2WD ノーマルエンジン

195万2500円

スペーシアギア 2WD ターボエンジン

203万7200円

N-BOXカスタム 2WD ノーマルエンジン

184万9100円

N-BOXジョイ 2WD ノーマルエンジン

189万円~199万円(予想)

N-BOXジョイの価格は、2024年8月時点では未定ですが、割高感が生じないように設定されるでしょう。

2024年7月下旬から予約受注を開始したスズキ スペーシアギアの価格は、2WDでノーマルエンジンが195万2500円、ターボエンジンが203万7200円です。

スペーシアにエアロパーツを装着したカスタムの同等グレードと比較して、4万円前後安いです。N-BOXジョイも同様で、エアロ仕様になるN-BOXカスタムと同等か、少し安価に抑えると思います。

そこでN-BOXカスタムの価格をチェックすると、ノーマルエンジン車が184万9100円です。

右側スライドドアの電動機能やマルチビューカメラシステムをオプション設定にしてこの価格なので、N-BOXジョイは、標準装着した上で、価格を180万円台の後半に設定すると思われます。

最近は原材料費が高騰しており、さらに高くなる可能性もありますが、ノーマルエンジン車が200万円を超えるとターボエンジン車は210万円前後に達します。200万円オーバーでは、売りにくくなるでしょう。

N-BOXジョイは軽自動車ですから、価格が売れ行きに大きく影響します。割高感が生じれば、販売促進の目的を達成できません。

したがってN-BOXジョイは189万円といった価格にする可能性が高く、この金額を超えたとしても、199万円以下には抑えると思います。

まとめ

N-BOXジョイは、従来のN-BOXユーザーの乗り換えを誘導し、人気モデルとなることが期待されます。

今後、スーパーハイトワゴンのSUVタイプが新たな売れ筋カテゴリーとなるかもしれません。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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